『愛されることは幸福ではなく、
愛することこそ幸福だ』

ドイツの作家であり、詩人であるヘルマン・ヘッセ。

いちお独文学科卒なので、たまにはドイツがらみの記事を書こうかと思いますビックリマーク


ヘルマン・ヘッセ(1877年7月2日~1962年8月9日)は、20世紀前半のドイツ文学を代表する作家です。

新潮文庫の「メルヒェン」(高橋健二訳)という中に所収されている「アウグスツス」。

そのテーマは「愛されることよりも愛することを望ませてください」のフランシスコの「平和の祈り」。


あらすじは、、、

結婚後まもなく夫を亡くし未亡人となった女性が、アウグスツスという男の子を産みました。
この女性の家の隣に住んでいる不思議な老人が、この子の名付け親となり、この子のために一つだけ願いを叶えると、母親に言いました。

母親は「全ての人がこの子を愛さずにはいられないように。」と願いました。

その願いは叶えられ、アウグスツスは美しく、彼は誰からも愛されるようになりました。

どこへ行っても、誰もが彼を愛し、色々とよくしてくれました。彼は何も困ることなく生活できました。

しかしその結果、彼はとんでもなく傲慢な子供になり、悪徳の限りをつくすような青年へと成長してしまいました。

「彼は、求めもせず、望みもせず、受ける資格もない愛に囲まれていることに、飽き、いや気がさした。けっして与えることをせず、常にただ受け入れているばかりの、浪費され、破壊された生活の無価値を感じた。」

そして空しくなり、とうとう自殺を試みようとしてしまいます。

お母さんが願ったことは叶えられましたが、彼にとって害になってしまったのです。青年は老人にかけてもらった願い事を取り消してもらうように懇願します。

その代わり、青年が願った事は一体なんだったのでしょう。



それは、人を愛することが出来るようになること。


 『どの顔にも、憎悪にゆがんだ表皮の下に、ひそかな優しさと愛情の光が、かすかに輝いているのが見えた。これらの人々はみんなかつて彼を愛したことがあるが、彼はその中のひとりさえ愛したことがなかった。』


そして、アウグスツスは彼を愛したすべての人から憎しみと侮蔑の言葉を投げつけられ、何年もの間、投獄されてしまいます。出獄したときには誰からも見捨てられていました。

しかし、出所した彼は、人々に自分の愛を伝えるためにどうしたらいいか考え、人々の役に立つために何処へいけばいいのか、、、

街をさすらい、色々な人と接し、現実世界の苦しみに気づき、そして本物の愛とは慈悲であり、忍耐であると感じたのだそうです。。。




何も努力をせずに、受け身で得られる愛、
自らが意志を持って、自分の変化から育んでいく愛。

本当の愛とは与えられるものではなく、与えていくことなのだと改めて感じますね。




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