もはや何年前か定かではないが、わたくしの右上奥に栗ようかんなど食ってはおらぬ筈なのに栗ようかんの栗がしつこく挟まってなかなか取れなかった。
何だろう?何故、この栗は取れないのだろうと思って少し調べてみたら、どうも栗ようかんの栗が挟まっているのではなく、歯茎からわずかに歯が出て来ているらしかった。
僕はきっとこれが悪名高い親知らずというヤツに違いない、と思い、イヤなので考えるのを止めた。
それからまた時が経過すると彼奴は栗ようかんの栗の欠片などとは言えぬほどの存在感を放ち始め、もはや一本の立派な奥歯になっていた。
僕は親知らず定番の虫歯になりませんようにと思い、イヤなので考えるのを止めた。
そして、また時は過ぎ、時々思い出しては親知らずの様子を指の先で確かめたりする生活が続いていたのであったが、どうやら彼奴は虫歯になっているようだった。
当然イヤなので僕はそんなことなど知らぬような顔をして生きていた。
そして、また時が過ぎたある日、彼奴に触れた時に何やら異変を感じたので爪の先でガリガリやってみると変色した歯の欠片がボロボロ崩れて来た。
「嗚呼、これはもういけないね、駄目ですね。」と僕は呟いて、でも痛くないので「痛くなってから歯科には行くことにしよう。」と考えて毎日を過ごしていた。
そして、またしばしの時が過ぎ、この間から歯科に通い始め、昨日彼奴との別れの時が来た。
麻酔を打ち、ゴリゴリした音が頭脳の中にしばし響いたのち、彼奴はあっさりとわたくしから離れて行った。
一分もかかってなかった気がするが。
麻酔をしているので当然だが痛みは皆無。
不快感もほぼ皆無。
実にあっけない。
その後の歯茎の掃除とやらの方が痛みこそないがよほど不愉快なほどであった。
そして、抜歯後も熱が出るとか、腫れるなどという話があって色々イヤだったのだが、一夜明けてもそのような後遺症は皆無なので結局大したことは無かったな。
僕が言いたいのは、もし、ビビって親知らずが虫歯になっているのに気付かぬフリをしている人がいるのなら、症状にもよるのだろうが、大したことではなかったので早めに行った方が良いんじゃないのってことですね。
そんなアルバム「サッドソングス」のダイジェストが親知らずを抜く前と後では違って聴こえやしませんか?
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チャオ。