いつか、こんな日が来るとは思っていたが。
まさか、今日とは。
練習後、しばらく話したのち、アカシア閣下にサンダー・バ-ド号で送ってもらっていたのですが、氏が何か食って行かないか、と言い出し、話し合いの結果、田能久しかない、ということになってしまいました。
しかし、あの田能久。
店に行くのにあれほど躊躇する店は他には無いのでは、なかろうか。
あの曲者じじい。
しかし、もともとはアカシア閣下に紹介してもらった店だし、アカシア閣下と一緒に行って、じじいの様子を観察し、お互いの意見を交換したい、という、もはや、ラーメンとは何の関係もない好奇心でもって一緒に行ってみることになりました。
けれども、いざ、入店してみると、我々の予想を超えた事態が起こったのでした。
愛想がいいんです。
口調も柔らかなんです。
正直、自分は少しそれがショックでした。
一体、どうしちまったんだい?じじい。
まるで、コアなパンクバンドがメジャーに転向するに当たって、歌謡曲化してしまったかのような。
結局、退店するまで、何事も起きないまま終わってしまったのでした。
表に出るなり、当然のごとく我々は「なんかいつもと全然態度が違くねぇ?」という話になりました。
アカシア閣下はついに客として認められたのではないか、などと冗談めかして言っておりましたが、一体どういうことなんでしょうかね。
じじいは悪いものでも拾って食ってしまったのでしょうか。
自分にとって田能久とは、飽くなきじじいとの戦いだと思っていたので、ああやって凡庸なラーメン屋のごとき態度を取られると、少し寂しい気も致します。
それともそのように感じる私が狂っているのでしょうか。
そんな田能久ナイトでした。
チャオ。