俺は夜中まで行われた練習を終え、アカシア氏に駅まで送ってもらい、駅に不法駐車してあったシルバーファルコン2号に颯爽と飛び乗った。
ライダースを着てチャリンコに乗るというのは非常に格好が悪いということになっているようだが、これが底辺ロッカーの等身大の姿だぜ、ベイべー。
チャリンコライダー!!
明日はギターを背負いスーツ姿でチャリンコに乗るぜ。
チャリンコライダー!!
誰も俺については来れないだろうぜ。
物理的ではなく精神的な意味でな。
さて、スーツを着てライヴを行うバンドというのは本番前に普段着からスーツに着替えるのが通例ではありますが、我々サンセット ラプソディーは自宅から現地に向う時点でスーツを着用してます。
何故か?
俺達はライヴのある日はもう朝起きた時点から戦いだと思ってるからね。
はい、嘘。
着替えるのが面倒だからです。
誰かもっともらしい素敵な理由をくれないか。
さて、そのまま家路に着く途中で普段よく利用するスーパーマーケットに寄ったのだけれども、そこのレジに、いつもビクビクしてやたら腰の低い気色の悪いじじいがいらっしゃるのでありますが、そいつを見て、このお方は周りの人々から散々痛めつけられて生きて来たし、これからもそうやって生きて行くのであろうなぁ、などと脳裏を巡り、ミッドナイト・ブルース。
俺はもはや、ファンタ・グレープを焼酎で割って、まるでワインを飲んでいるかのような錯覚に陥り、さっさと深い眠りに落ち、明日に備えるぜ。
他人の不幸に構ってる余裕は無ぇんだよ、ぼけ。
ぼけ。
チャオ。