この間さぁ、土曜の夜が練習だったんだけどさぁ、スタジオ行っていつものように扉を開けたらさぁ、十代の頃俺のフェイバリットだったバンドの人が目の前に座ってんの。
本来、ありえないようなシチュエーションだと思うんだけど一発で本人だと確信したね。
珍しくドキドキしましたよ。
したら、その一団のすぐ隣にウチのベースのミドちゃんがのほほんと座ってやがってさぁ、誰の間近にいるのかも知らずに。そんで俺の顔を見て「お疲れーっす。」とか普通に言ってやがりましてね。
俺、興奮して、かみまくりながら事の次第を彼に説明したのだけれども、奴と来たら「え?なになに?誰?その人?知らね?どの人?」とか言って、その人のほう、ガン見だよ。
そんで、当たり前のことかもしれないけど喋ってる声があの歌声と同じなんだよね。
本当、久し振りにドキドキしたな。
しかし、ウチのメンバーときたら、俺が一生懸命説明してんのに、「はぁ。」とか「へぇ。」とか「凄ぇの?」とか言ってまったくテンションが噛み合わねぇ。
無知、無理解というのは暴力だな。
あの人が居なかったら俺の詩なんか全然違ったものになってるね。
そんで、バンドを解散しようかと思ったんですけど、気を取り直して五時間練習しました。
演奏が粗かったり、チョロチョロ、ミスしてたりするんですけどイヤな感じじゃないんですね。
塊っぽくなって来た。
この調子で行けるといいと思いますよ。
行け。
行けよ。