Mission18 魔獣 | 地球防衛軍第7支部(凍結中)

地球防衛軍第7支部(凍結中)

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 先入観と言う言葉がある。

 ぶっちゃけてしまえば、思い込みによる勘違いって奴だ。

 そして、今回…。私は、その先入観の罠に見事に嵌まってしまい、思わぬ苦労を強いられることになった。



 それでは本編に入るとしよう。

「40mもの超巨大生物があらわれた」との本部からの通信で、迎撃に出た私とレンジャーチームであったが、底に現れたのは、ソラスではなかった。

 なんというか、見るからに宇宙怪獣!!敵な風貌をした、ちょっぴり凶悪そうな奴だったのである。

 ソラスかわいかったのに…。

 ヘクトルといい、この怪獣といい、フォーリナーと言うのはとことんセンスが良くないようだ。

 まぁ、それはさておいて。さっそくEDFの攻撃が始まった。


「……おおおお」


 先行していたレンジャーチームが一斉にロケットランチャーを叩き込む。

 それはもう見てて、頼もしいどころかカッコイイとすら思える程だ。というか、あの勢いなら撃破してしまうのではないだろうか、とすら思えたほどだ。


「…はっ!?」


 だが、そこで正気に戻る。

 これでは主人公なのに、また見せ場がなくなりかねない。そう思って、慌てて駆け出そうとしたところで、それは起きた。

 いきなりの火炎放射でレンジャーチームが全員戦闘不能になったのである。


「………」


 いやいや、いきなりそれもどうかと思うのだけど。

 でもこれで奴とは一対一のガチンコ勝負と言う事になった。ちなみに今回の装備は、かんしゃく玉4号x2と言う偏り装備である。

 前にソラスの足元は死角だから、足元ぐるぐる周りながら投げまくれば、それで勝てると教えてもらった事があるのだ。そんなわけでさっそく実行に移すべく、超巨大生物の足元へと駆け寄った。そしてかんしゃく玉を投げまくる。

 安全地帯からの攻撃。卑怯かもしれないが、勝つために手段を選んではいけないのが、EDF暗黙のルールなのである。


 とりあえず、これで勝ったも当然。そう思っていたのだけど。

 次の瞬間、衝撃と共に吹っ飛ぶ私。一瞬何が起こったかわからなかったが…。すぐに状況を把握した。

 超巨大生物は両手を振り上げて、思いっきり地面を叩きつけたのである。


「そ、そんな!?宇宙怪獣は足元が安全地帯のはずじゃ―――」


 起き上がりつつ驚く。でも考えてみれば、ソラスと違うんだから。攻撃手段が違っても何もおかしくはないのだ。

 おのれフォーリナーめ。私の先入観を逆手にとる相手を送り込むとはやってくれる。

 

 とりあえずソラス顔負けの猛ダッシュ突進を、緊急回避で避け…考える。

 ―――この装備でどうやって戦おうかと。ていうか、改めて考えてみるとチョイスミスな気もする。



 コレは少しヤバイかもしれない。

 やたらと走り回る超巨大生物を横目に、ちょっぴり焦りすら覚え始めた。

 とりあえずこいつはソラスとは完全別物だ。でも近距離装備では、かなり苦労する気がする。


 何か、何かないか。

 そう思いながら辺りを見回す私に飛び込んできたのは、一機の戦闘ヘリであった。


「これは、えーとバゼラートだっけ?」


 バゼラート。EDFが所有する戦闘ヘリで、陸戦兵にとって唯一の航空戦力である。


「…コレを使うしかない」


 そう決意し、コクピットへと乗り込む。そしてコントローラーを手に取り、さっそくローターを起動させる。

 やがて機体がふわりと浮いた。


「やった。動いた!!えっと、装備はバルカンとミサイルで、ミサイルは弾数制限ありと…。よし―――」


 武装を確認し、さっそく超巨大生物へと進路を決め前進させる。そして攻撃。バルカンとミサイルが一斉に火を吹く。叩き込まれる弾丸とミサイル。だが相手は攻撃手段がないらしく、完全に私のターンって奴だ。

 同時に縮まっていく距離。


「……えーと、バックバック…。ってバックだってばー!?」


 すぐさま後退させようとするが、前進スピードを出しすぎたおかげで減速が間に合わない。

 そうしている間にも、バゼラートは超巨大生物へと突っ込んでいく。

 それは旧日本軍の神風特攻がごとく。


「…と、止まってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」


 力いっぱいスティックを引くが、そこでさらにアクシデントが起こった。

 ボキッと折れたのだ。左スティックが。

 そして気がつけば、目の前にどアップの超巨大生物が――――

 







 



 ミサイル満載のバゼラートの特攻は地味に強力だったらしい。

 気がつけば、超巨大生物は倒れており、私は私で呆然とその場に無傷で立ち尽くしていた。


 普通、あの状況だと無事ではすまないはずなのだが、なぜか助かったらしい。

 何でかは知らないけど。


「………どういうこと、これ?」


 なんかよくわからない。でもまぁ一応九死に一生を得たというのは間違いないだろう。

 

「よくやったストーム1。あの大物を仕留めるとは流石だな」


 本部から労いの言葉が届くが、私がやったのはバゼラートで攻撃しつつ特攻しただけなのだけど…。

 考えてみれば。バゼラートに乗るの、今回が初めてだった……。 

 だって前の世界じゃ、ペイルウイングだったし…。ペイルウイングは乗り物乗れなかったし…。


 まぁ、全ては結果オーライと言う事にしておこう。

 今後に備えて、バゼラートの操縦訓練はみっちりしておく必要がありそうだが…。

 とりあえずそういうことで、私は一路本部へと帰還するのであった。



To Be Countinue...



☆えむ’sコメント☆

 初バゼラート。そしていきなり特攻。でもフェイさんは乗った事がないので、きっとこうなるはず。

 EDFのヘリの動きは、初心者泣かせですからね…。

 

 あと本編でも言ってますが、コノステージ。開幕数十秒はレンジャーチームが一斉攻撃するんですよね。

 あの様子が凄くかっこいいと思ったのは自分だけじゃないはず。その直後にほとんど全滅してしまう展開に涙しましたけど…orz


 宇宙生物ヴァラク。初見で挑んだ人は、絶対ソラスと同じつもりで闘って痛い目見るんじゃないでしょうかねぇ。