防衛戦。
それは言うまでもなく、そこから先に一歩も通さないための戦いである。
基本的に守る方が不利だとは言われているが、必ずしもそうではない。
事前に敵の情報と分析を行うことができれば、的確な備えの元で迎撃する事が可能となるのだ。
特に、防衛戦に置いて有効なのがトラップの類だ。
向こうは攻めてくるのだから、「待ち」の攻撃手段であるトラップの類は最大限の力を発揮する瞬間でもある。
そして、今―――
フォーリナーのロボット兵器がガンシップと共に、ここ津川浦に侵攻中らしい。
当然、すでに部隊の配置は終わっている。複数のレンジャー部隊を筆頭に、ストーム1である私と、工兵のスペシャリストであるストーム5こと、暦アルナ隊員が現地入りだ。
ちなみに、このアルナ隊員。工兵としての腕は一流なんてものではなかった。どれほどすごいのか試しに腕を見せてもらったら、自分の周りにC70爆弾を周りに置いて一斉起爆なんて荒業を見せてくれた。
しかも周りに一歩分ずれた所に置いた的代わりの藁人形のみを吹き飛ばすという神業付きで。
言い換えれば、一歩でも位置がずれていれば自分が吹き飛ぶ。そんな絶妙な配置だったわけだ。
どうでもいいが、ますます自分の立場が薄くなってきたようなきがする。閑話休題。
「フェイさん、こっちの準備は出来ましたよ?」
そう言いながら、アルナ隊員は私が待機している場所へとやってきた。なんでもロボット兵器の進路が予測できたので、ルート上にC70とY11対空インパルスを仕掛けまくってきたのだそうだ。
まだ、私には敵影すら見えてないのだが、どうやら彼女には遠くからせまる姿が見えるらしい。
そこまで目が良いのなら、スナイパーにでもなれるのではと思ったのは、ここだけの話だ。
「お疲れさま。じゃ後は待つだけね」
持ってきたスパローショットM3を肩に乗せながら、堤防に座る。
私はじっと待つのが苦手なので、狙撃兵や工兵には向かないのだが。敵が来ないのだから仕方ない。
今回の作戦はアルナのトラップ攻撃により、敵陣に打撃を与え、残りをレンジャーチームと私で片付けるという実にシンプルな物だ。
言い換えれば、アルナのトラップ次第では出番がなくなるということだ。
でも、さすがにそれはないわよね―――――
そう思っていた時が、私にも(ry
遊撃部隊として、最後尾。いわゆる最終防衛ラインにいたのが、そもそも間違いだった。
まず、飛来したガンシップと前衛部隊のレンジャーチームが交戦を開始。アルナの対空インパルスが火を噴き、さらに意外と射撃命中率に定評のあるレンジャーチームが次々とガンシップを撃墜する。
また、その最中に進行スピードの違いから遅れて歩いてきた、敵のロボット兵器―――ダロガではなかった(号泣)―――がレンジャチームに牙を向き始めるも、
「このタイミングですね」
と、的確に進路を予測されて配置されたC70爆弾の絶妙な起爆によって、一斉に吹き飛ばされていく。
このままでは私の出番がなくなる!!そう判断し、慌ててその場から駆け出すが……遅かった。
最前線にたどり着いた時には、ロボット兵器は全滅。ガンシップもフルボッコ状態で、私は結局引き金一つ引けずに終わってしまったのだ…。
何でこういうときに限って、スパローショットM3とMG13を持ってきてしまったんだろう…orz
「フェ、フェイさん。そんなに落ちこまないでください。ほら、次がありますよ。次が…」
「うぅ…主人公なのに出番ゼロなんて……しくしく」
作戦終了後。輸送車両の中で一人落ち込むフェイ隊員と、その肩をポンポン叩きながら一生懸命に彼女を励ますアルナ隊員の姿があった……。
☆えむ'sコメント☆
と言うわけで、主人公の見せ場なくして終わってしまったMission09でしたw
実際思うに、待ちの戦法が求められる局面では、C型爆弾やインパルスなどのトラップ武器は猛威を振るえると思います。まぁ、中にはトラップ武器(インパルス)片手に前線で戦う老陸戦兵とかもいるみたいですが。
えむ自身、トラップの類は好きだったりするので、気がつけばこういう展開になっていたという・・・。
でもうまく立ち回れば、実際のゲーム中でもありそうな予感です。
そして、出番がかなり後になると思わせといて、ここでの起用。ふふふふふ、どんな反応くるかなw(ぉぃ