「………なにこれ」
さて、非常に唐突ではあるが。
今、まさに初っ端から、なんかえらい事になっていたりする。
今回の装備は、火炎放射器とグレネードランチャーUM4の二つを持ってきたつもりだったのだが…。
その火炎放射が、なんかすごくショボイのだ。
そう、例えるなら溶接工とかが使いそうなくらいの炎が、こうシュボー…っと。
「………」
点火して、火を消して。再び点火してみる。
うん、やっぱりどう見てもショボイ。私の記憶では、もっとこう派手にゴォォォォォォッ!!となるはずなのだが。
そんな謎な火炎放射器片手に首を傾げていると、傍にいたレンジャーチームの一人が目を丸くして言った。
「…バーナーなんて何に使うんですか?」
隊員の言葉に思わず聞き返す。
「は?バーナー?」
「はい。バーナーです」
「………これ、武器庫にあったんだけど」
「…じゃあ、誰かが間違って置いて行ったんでしょう」
「形が火炎放射器と全く変わらないんだけど」
「だから、たまに間違える人がいるんですよ…(苦笑)」
なるほど把握した。
つまり私は、火炎放射器とバーナーを間違えて持ってきてしまったと。それだけのことだったわけだ。
はははは、なーんだw 道理で炎が小さくて実戦向きじゃないわけだ。
というか、誰だ。正式装備と見た目を同じに作った奴は…っ!!紛らわしいにも程があるわよ、これは!!
まぁ、犯人を想像するのは難しくもない。絶対開発部の連中だ。
前もそうだったが、どうしてこうEDFの開発部は、こういうどうしようもない武器を作るのだろうか。
しかも、普通に武器庫に置いてるし。
とりあえず使えないバーナーは置いておくとして、残されたグレネードランチャーUM4だけでがんばることにした。
と言っても、例によって戦闘中に、特に変わったことはなく普通に撃退できたのだが。
そうそう、驚いたといえば黒蟻の大軍を撃退した後、フォーリナーのキャリアーと思われる円盤が出現したのだが。それが予想外にもかっこよかったのに驚いた。
飛んで来る時とか、こう……滑るように止まってみたり。
同時にやっぱり、私の知ってるインベーダーとは何かが違うんだろうな…と、改めて実感したけど。
「まぁ、こんなものか…」
降下してきた巨大生物の撃破後。戦闘の終わった市街地を見回してみる。
戦闘は終わった。そして、私も陸戦兵としての立ち回り方にだいぶ慣れてきたような気がする。
これも真面目に訓練を続けてきた成果だろう。
さて、とりあえず後はやり残したことを片付けねば。
軽く息を整え、すぐ傍にいたレンジャーチームの一人に声をかけた。
「ねぇ、ちょっといい?」
「なんでしょうか」
「スティングレイ貸して?」
その日の夜。開発部にて、ちょっとした大騒動があったのは言うまでもない。
そしてバーナーと火炎放射器の見た目が同じだった理由は、「その方がかっこよさそうだったから」 だとか。
もちろん、その一言でフェイさんが初めてプッツンしたのは、さらに言うまでもなく―――。
この日から、フェイ・ルーイングの名は、少しずつ畏怖の対象としてEDFに広まり始めるのである。
☆えむ’sコメント☆
EDF3で最初に手に入るというネタ武器、バーナー。
よく見なくとも、実は外見が火炎放射器と同じだから―――現実的に考えれば、絶対に罠ですよねw
そして、ついにこちら側での初殴りこみ。フェイさんの知名度が上がりました…。
にしても、実際に持ってないせいか。どうも戦闘中の場面がイメージわかないorz
どうしたものか―――