―2025年12月24日 19:00―
―東京郊外―
24日。それは世間一般では特別な日である。大きな木に飾り付けたり、ケーキを食べたり、恋人とラブラブな時間を過ごしたり。
そして、戦争とかやってても、その日だけは休戦となる、すごい力を持つ特別ともいえる日。
けれども、インベーダーには関係はない。攻撃しようかなーと思い立てば、昼夜問わず、さらにこちらの都合もお構いなしで攻撃を仕掛けてくるのである。
そして、今回も例によって例の如く、インベーダーは攻めて来た。
しかも何の脈絡もなく、
マザーシップで(ぇ
―2025年12月24日 19:15―
―東京郊外―
マザーシップ出現後。すぐに、イヅキ小隊は現地へと出動。
マザーシップへの攻撃を開始する事となった。しかしながら、いつもと状況は激しく異なっている。
そこにいるのは、グレイ隊員、ハルナ隊員、そしてエリス隊員の3人だけ。しかも、なぜか武器は持っておらず、それぞれリボンで綺麗に飾りつけられた大小の箱をの持っているだけだったりする。
「なぁ……なんで、僕達はプレゼントを手にマザーシップの前にいるんだ?」
「さぁ、なんででしょう?」
「……これで戦えって事じゃ?」
「なにぃぃぃぃぃっ?!」
明かされた事実に、グレイ隊員が悲鳴に近い驚愕の声をあげる。そりゃあそうだ。ただでさえ武器を選ばなければいけない相手なのに、何が入っているのかもわからないプレゼントの中見で戦えというのだから。
しかしながら、今回は嫌でもそう言う展開なのである。拒否権はない。これは、作者命令である。なんのために読者参加企画を開いたと思っているのだ(ォィ
「…あの作者、いつか絶対にやってやる…」
最近、作者の意向で酷い目にあっているグレイ隊員は小さな声で呟くと、大きく溜息をついて辺りを見回した。
普通だったら、必ずいるはずの人物が一人いない事に気がついたのである。
「…なぁ、隊長はどこいったんだ?」
「………わからない」
「なんだとぉぉぉぉっ?!こ、こんな時にかっ!!」
「どうしたんでしょうねー」
再び突っ込みを入れるグレイ隊員。その横では、相変わらずのエリス隊員が微笑ましい表情を浮かべている。
「あぁぁぁぁもうっ!!やってやる、やってやるさーっ!!とりあえず、一個ずつプレゼント開けて、中身確認するぞっ!!」
「……了解」
「楽しみですねぇ。じゃあ、まず私から開けますね~」
半分キレかけのグレイ隊員を横目に、なんか一番プレゼントの多いエリス隊員が、最初の箱を開けた。
中から出てきたのは、スタンガンだった。
「「「………」」」
辺りを沈黙が包む。スタンガン。それは対人用の武器で、高圧電流で対象を麻痺させるための武器だ。けれども、そんなもので、どーやってあのマザーシップを倒せと言うのだろうか。いや、マザーシップどころか、周りに飛んでいるUFOファイターすら無理だ。
とはいえ、これで戦わなくてはいけない以上。どうにかしなければならない。
「…どうしましょう」
スタンガン片手に困った表情を浮かべるエリス隊員に、ハルナ隊員は静かに告げた。
「……投げる」
「あ、そうですね。そうしましょう♪」
その言葉に、あっさり頷くとエリス隊員は大きく振りかぶって、見事なフォームでスタンガンを投げた。
…せっかく送ってくれた人に申し訳ない気もするが仕方がない。一応、痴漢撃退用とかの名目で持たせていても良いが、エリス隊員である。そんなものなくったってデコピン一発で瞬殺KO勝ち。意識は空の彼方にさようなら~。ハッキリ言って、今ここでつかった方が、スタンガンも報われるというものだろう。
さて投げつけられたスタンガンは、凄まじい速さで空を駆け、そして取り巻きのUFOに直撃した。……と、同時にそれらUFOが一斉に動き出す。どうやら、攻撃されたと判断したらしい。っつーか、そう認識させる程度の威力があったらしい。
次第に接近してくるUFOの大軍。それに対応すべく、すぐに次のプレゼントへと手を伸ばしたのは、グレイ隊員だった。
「俺のは何がはいってるんだ…!?」
わらにもすがる思いで箱を開けると、そこには肩に担げるくらいのサイズの箱が入っていた。しかも4つ。こころなしか、箱の横には「EDF3」の文字が入っている気もするが、合えてここでは見なかったことにしておく。
「なになに?
とりあえず使えるものなら!!と、箱を4つ取り出し、そこから更に中身を取り出す。
それは地面に置くタイプの機銃みたいなものだった。とりあえず、それらを10個辺りに並べてみる。しかし、何もおきない。
「これどーやって使うんだー?!」
悲しいかな。EDF2では存在しない武器であるため、グレイ隊員には使い方がわからなかった。とても強力な武器の気がするのだが、動かなければ仕方がない。そうしている間にもUFOは、さらに接近してくる。
「動け、ZE-GUN10 動いてくれぇっ!! 」
対空火器となる物がほとんどない現状。これだけしか頼るものはない。素ゆえに、グレイ隊員は必死の思い出叫んだ。
「僕達は何のために、ここにいるんだ!? 答えろ、ZE-GUN10!!」
だが、返事はない。というか、返事があったらそれはそれで怖い。
「みんなを…インベーダーから救うためじゃないのか!? ここで動かなかったら、お前は何のために作られたんだ!? ZE-GUN10、答えろぉっ!!」
「………ん、本部から通信。ズームボタンで起動だって」
「……あ? …それでいいのかよ」
今までのは何だったんだ。っていうか、どっかでこんなくだりを見たような…というどこからかの突っ込みを他所に、グレイ隊員はズームボタンを押した。
同時に一斉起動を開始したZE-GUN10は、それぞれが個別に動き、迫りくるUFOを見る見るうちに撃ち落していく。さすがはEDF3で開発され、脅威的な能力を持つとされる武器である。
とりあえず、これでUFOは、しばらくしのげる。あとは、どうやってマザーシップを落とすかだ。
「ここは、ハルナに期待しようぜ」
「……わかった」
この中で、唯一飛べるハルナ隊員に期待を寄せる。彼女なら、近接武器みたいなものでも攻撃する事が出来るからだ。
早速蓋を開けるハルナ隊員。中から出てきたのは、禁断の凶悪兵器アルマゲドン・クラスターだった。
「……こんなの出てきた」
「それはまた、すごいですねぇー」
「でも、マザーシップ相手なんだぜ?」
地上殲滅は出来ても、空へは攻撃できない以上。意味はない。しかも、マザーシップの弱点は下にあるのだ。どこをどうやっても攻撃は無理だ。
「……外れかも」
少しばかり残念そうなハルナ隊員であったが、そこで開けたばかりの箱から一つの影が飛び出した。
「「「………!!」」」
現れたそれに、誰もが驚愕した。凶虫バゥ。一体、どうやってあの箱の中に入っていたのか不明だが、それが現れたのである。だが、そこからのエリス隊員とグレイ隊員の反応は早かった。
まず、グレイ隊員がハルナ隊員を押し倒し、バゥを視界に収めるのを妨害。同時にプレゼント箱をすばやく開けたエリス隊員が、中に入っていた日本刀でバゥを一瞬の内に両断。見事なコンビネーションでハルナ隊員の暴走を阻止した。
「あ、あぶなったぜ…」
額の汗を拭う。アルマゲドンクラスターで暴走された日には、いくらなんでも止めることなど不可能なのだ。
「あぅ、折れちゃいました…」
その横で、折れてしまった日本刀に項垂れるエリス隊員。どうやら彼女のパワーに、ただの日本刀は耐えられなかったらしい。
「でも、おかげで死なずにすみました。ありがとうございます…!!」
それでも、そのおかげでバゥを仕留め、ハルナ隊員の暴走を止める事が出来たのも事実。そんなわけで律儀にお礼を述べるエリス隊員。
しかしながら、それでも事態はなお改善されていない。マザーシップはいまだ改善されてはいないのだ。
「……プレゼント、後二つ」
「……こいつにかけるしかねぇな…」
残り二つ。一体何が入っているのかはわからないが……。他に何もない以上、当てにするしかない。そのどっちもがエリス隊員宛てと言うのは、少し羨ましいが。
「じゃあ、開けますね…」
ゴソゴソと箱をあけると、そこに一個の手榴弾が入っていた。
名称は『最強の手榴弾』。なんて安直なネーミングなんだっ!!とつっこんではならない。これほどわかりやすく、シンプルなネーミングはないのだ!!
そして、これこそが今回の作戦を終わらせる鍵でもある!!
「よっしゃぁっ!!投げろ、エリスっ!!」
「はいっ」
すかさずそれを掴み、再びそれを投擲するエリス隊員。エリスの凄まじいパワーで投げられたそれは、音の壁を突き破り、一瞬にして到達。まるで狙ったかのように開いたハッチの中へと吸い込まれ炸裂――-―。凄まじい閃光と共にマザーシップが火を吹き、そのまま空間を歪曲させてマザーシップを飲み込んでいった。
「……さ、最強ですね…」
「皇帝都市でも落とせるんじゃねぇのか?(汗)」
「……同感」
あまりの威力に呆然とする。しかし、最強の手榴弾である。このくらいしなければ、最強とは言えないだろう。
ともかく、こうして読者からのプレゼントの力で。グレイ隊員達はマザーシップを撃墜に成功したのである。
しかし、その場にいる面々は、まだ誰も気がついてはいなかった。最後に残ったプレゼント。それがガサガサと動いている事に。
―同時刻―
―東京 EDF日本支部司令部 開発室―
「ふむ……。誰かはしらんが、なかなか粋な物を送ってくれたものだ…」
そのころ、イーグリット隊員は開発室に送られてきていた5tタンクを前に、満足そうな表情を浮かべていた。
送り主は不明だが、液体金属の入ったタンクが送られてきたのだ。
「液体金属は、使い方さえ間違わなければ、新兵器のフレーム等を作るのに役立つからな。…実に助かる。これだけあれば――」
なにやら構想が浮かんだのか、眼鏡を光らせて不敵な笑みを浮かべるイーグリット隊員。…同時に周りのスタッフがおもわず身を引いたのは言うまでもないが。
―更に同時刻―
―大分 別府温泉―
「……い、いいのか。こんなんで――――」
「…たまにはいいんじゃないのか?いつもがんばってるんだろ?」
「あぁ、まぁ…それはそうなんですけど…」
「そちらの仕事はどうですか?」
「あぁー。こっちとはタイプの違うフォーリナーってインベーダーがいてだな。昔以上に大変だよ。敵の数と攻撃は熾烈だしな。…まぁ、仲間も多いから、それは助かるが・・・」
「そうですか。で、今日は里帰りと?」
「やっぱりこの世界(PS2)が故郷みたいなものだからな。こっちはこっちで大変みたいだが、君みたいなのがいるなら大丈夫だろう。がんばれよ」
「いや、伝説の英雄として知られるあなたに言われると、ちょっと照れるかな…」
「ははははははw」
そのころ、 なぜか休暇を出されたイヅキ隊員は、現在はEDF3の世界に出向している、かつての英雄さんと温泉に浸かりつつ談笑を楽しんでいた。
「そうだ。せっかくだから良い物をやろう。アシッドガンって言う向こうの武器なんだが・・・」
「え?いいんですか?」
~つづく?~
□えむ’sコメント□
ハイ。今回は年末だからと言う訳でもありませんが、少し長めとなりました。
しかも読者さんのプレゼントで戦うという無茶にも程がある企画(爆) でも、まぁなんとかなったし。同時に物語も一区切り。
……すこしだけEDF3のネタも出てきましたよ、成り行きの都合上w
くそぅ、EDF3がほしいぞっー!!なーんでXBOX360なんかでだすんじゃー!!(泣)