「ファンタジーファン必見の北欧美術の世界」
なんて。まだ会期が残っているうちに見に行けてたら、この見出しで最適だったかも。しかし漸く見に行けたのが最終日。なかなか東京まで出てこられなかったために…。



さて、北欧の絵画というと私の中ではハマスホイに代表される室内画や、2017年に見たスケーエン派の透明感のある風景画…そういえばムンクも北欧…というくらいの知識しかない。
そんな知られざる北欧美術の形成にせまるのがこの展示。
ナショナリズムの高まりとともに、それまでフランスやイタリアなどに追従してきた北欧芸術が独自性を追求し始めたのが19世紀。その北欧特有の題材というのが、自然、神話、民話。
今日私たちが親しんでいるゲームやマンガのファンタジー世界って北欧神話モチーフのものが多い。幻獣スレイプニル、闇に潜むトロール、大気の女神イルマタル……そのものは知らなくても概念というかイメージはとにかく既視感がある。
加えて昼なお暗い大森林や、途方もなく表現される山脈といった自然には冒険心(脳内の)が擽られ、作品の世界に入り込みやすい。
明らかなファンタジックでなくても、森や都市の「闇」に神秘性を見いだすような描き方にも北欧の神秘性を感じることができます。
今回の美術館メシはこちら。Café Du Muséeのコーヒーとタルト。




そして今後見たい特別展は…
東京国立博物館『神護寺』7/17~9/8
山種美術館『東山魁夷と日本の夏』7/20~9/23
SOMPO美術館『カナレットとヴェネチアの輝き』10/12~12/28

SOMPO美術館の特別展は絶妙にマニアックなものが多い。