お母さんの笑顔は人を笑顔にさせるものだった。

おそらく、「何もないところ」で会えば、
「ひとのいい」、「やさしい」、「おもしろい」・・・そんな形容詞が合う人なんだろう。

・・・私は今回の学習支援
の際、午前中の空き時間に、エグモちゃん
に「何かあれば、何でも手伝うから遠慮なく言って」としてあったが、
「何もないよ」とのことだったので、

かねてから取材をしたかった、福島の農家の方に会おうと思っていたところ、
うってつけともいうべき、「がんばっぺ!いわき復興祭」が開かれ、
農家の方の出店もあるとのことだったので、一も二もなく、祭りに行くことを決めた。

そこで出会ったお店の女将だ。

こちらでは、遠野の自然薯をはじめ、様々なものを売っていたが、
私は先日の「遠野焼き」で紹介した通り、自然薯と「むかご」を購入した。(半分は実家に献上だが
)最初は解らなかったが、柿をおまけにくれていたようで、
後で気づいて、お礼がてら、もう一つ「むかご」を買いに行ったら、また一つ柿を貰ってしまった。

・・・
聞けば、やはり風評被害はかなり大きいものだという。

それは、我々の想像をはるかに超えている。

自分たちが「普通に」生活していること自体が、申し訳なく感じるほどに。

もちろん、私たちの側も、いろんな人生、生活、思い、考え・・・がある。
彼らの笑顔の奥底を考える自分がいて、
何事も心底から楽しむ気には、なかなかなれていない。

もちろん楽しむこともあるし、笑うこともあるが、以前とは何かが違うし、
それをはっきりと感じる。

当然、強制する気はないが、何かにつけて、頭の片隅にでもこうした現実がある事、
人のことをおいてもらえれば、と思っている。

他にも、20km圏ではないものの、原発
にほど近いところからの出店など、被災者当人たちの頑張りも、しっかりと見させてもらった。
・・・
ただ、元々この物産展は毎年11月頃に行われるようで、
今回の合同開催で1月繰り上がったこと、震災や原発
問題など、いろんな要素が絡んだことで、本来出せる農産物も、出せないものも多かったらしい。

それでも何とか形にし、「これでいいんだろうか?」と思うほどの値段
で売る。
これほどの努力を・・・想像もできない。

笑顔の裏側にある想い・・・

・・・「わけあり」商品が人気で、いまや「わざと」わけありを作るものも出てくる始末。

・・・それならいっそのこと、逆に考えてみればいい。

「放射線汚染
がされている」と考えるわけでしょう?それなら、なおのこと、それを「通常の」値段、もしくはプレミアをつけて買えばいい。(卸しの段階から)

個々人が買える範囲で十分だけど、そうすることこそが支援でしょう。

先の「むかご」にいたっては、1袋200gくらいで150円。

これが、いかにおかしい値段設定なのかは、都会の人ほど理解してもらえるはずだ。

皆がもっと、身の周りのことだけでなく、真剣にこうした人たちに目を向けて、
何か一つについて「通常値」に10円、20円プラスして買うだけでも、かなりの支援になるはずだ。

内部被ばく
に神経質になるなら、もっときちんと正確な知識で取捨選択をすべきだろう。
(取捨選択;「しゅしゃせんたく」いるいらないを分けて選ぶ)
・・・
ここで、私を農家の方の取材に動かしたきっかけとなった、メールをくれた、
旭市のがれき置き場で出会ったYさん の取材内容を踏まえて、「現状」を伝えたい。

出荷制限がかかっているかどうかで簡単に分けられるものではない、とのこと。
制限がかかっていれば、一定の補助
は出る。でも、「何かの足し」程度にしかならない。
実際、出荷ができなければ痛手は大きい。

制限値の500ベクレル
を超える農産物を手に、「そんなもの関係ない
」と、彼女の目の前でそれをかじって見せたそうだ。

避難していない子どもたちも、実際にはたくさんいるわけで、それもふまえて、
「自分たちは皆、実験動物だ
」と、自暴自棄になっているようだったと。
そして、制限がかかっていない地域、農家の方には、「一切の」補助
がない。にもかかわらず、3か月4か月と収入
がない。
後々東電
に補償
を請求できるとはいえ、収入保証
はあくまでも「自己証明」が原則。
ここについては、今後の修正も余地に入っているようだが、現実は厳しいでしょう。

今回の震災は、同じ被災者、被害者でも、地域、資産財産の被害状況によっても、
また職業によっても受け取り方はまるで違う。

早くも、次のステップに動き出せた者もいれば、動けずにとどまっている者、
動いた者と一緒に歩こうとしたり、動いた者をねたんだり、
動くことを一切やめてしまった者・・・
それらをひっくるめた支援、想いがなく、一部の者のみが救われて終わるような支援の先に、
真の復興は訪れない。