アカデミア第17期生(小5〜高3在籍)
慶応大(文)/明治大(文)/法政大(法)合格
まず初めに、私が大学入試において重要だと思ったことは、すべての受験科目において基本事項を徹底すること、そしていったん目標とする大学を決めたからには、何があろうとも怠ることなく勉強を続けることです。
【大学受験とは】
第一に基本事項の徹底に関してですが、これは一見容易なように見えて、非常に地道な努力が必要とされる困難なことです。なぜならばそれは、たとえ一度できたと思ったことでも倦むことなく繰り返すことが要求されるからです。一度できたからと言って安心して、次々と別の参考書や問題集に手を出すのは愚の骨頂かもしれません。本番で役に立つのは、徹底して覚え込んだ知識のみなのです。
第二に、入試当日まで気を抜くことなく勉強を続けることが非常に大切です。受験生の中には、私のように怠けやすい人が少なからずいることでしょう。そのような人たちは今すぐにでもその態度を改めなければ、第一志望には間違いなく受かりません。しかし、むしろそうであるからこそ、大学受験という機会を契機に一念発起して自分を変える努力をすることをお勧めします。では、次に私が実際にどのようにして勉強をしたのかについてお話します。
【各教科の取り組み】
「英語」
私が英語学習に用いた参考書は桐原書店の「英頻」「Data Base」、そして「プログレス英文法」です。アカデミアの授業で使われているこの3冊を極めれば、英語力の基礎の確立は十分であると思います。
「英頻」と「Data Base」で単語、熟語、重要構文の知識を固めるのと並行して、「プログレス英文法」によって英文法の運用規則に対する理解を深めることが必須です。英語は単なる受験科目ではなく言語なので、単語・熟語の暗記だけでは長文読解は不可能だからです。長文を理解できるようになるためには、暗記一辺倒になるのではなく文構造の把握が欠かせません。
「世界史」
世界史の入試対策には、「山川教科書」「山川用語集」、そして教科書傍用の資料集の3冊で十分だと私は考えます。まず教科書で歴史の全体的な流れを把握し、用語集と資料集でさらに細かい事項を詰めていきます。ただし、資料集に書かれている情報をすべて覚えようとすると、情報量の膨大さに嫌気がさしてくるので、資料集は的を絞って活用することをお勧めします。私自身は、年表と文化史事項はしっかり覚えましたが、その他の事項はざっと目を通す程度で済ませました。
「現代文・小論文」
アカデミアでひたすら施される過去問演習を通じて、抽象的な文章に慣れていくことが大切です。また、日頃から新聞やニュースに目を通しておくことで、私たちの社会が内包する問題点に関心を寄せ、その問題に対する自分の意見を考えておくことも大切だと思います。私は元々本が好きなので、受験期も勉強の合間に読書をしていたことが、巡り巡って受験の現代文や小論文の対策として非常に役立ちました。ですから、読書が好きな人は、受験期だからといって勉強一辺倒にならず、あえて読書を続けるといいと思います。
「学校の授業・期末テストについて」
私は高校での勉強には、ほとんど注意を払いませんでした。それというのも、私が通っていた高校の授業は、大学受験に実践的に役立つとはとても言い難いものだったからです。そのため、学校の授業やテスト勉強に振り回されることなく3年間を通じて自分のペースで受験勉強を続けることができたのが、かえって「違い」を作ることに寄与したと思います。
【最後に】
振り返ってみると、小中高と英検やGTECなどの資格試験や模試などを避け続け、小中のアカデミアでの取り組みも真剣であったとは到底言えないような怠惰な人間である自分が、難関大学の入試に太刀打ちできたのは、そんな自分のままで終わりたくないと一念発起して勉強に取り組んだことが一因にあると思います。
とは言え、それは決して容易なことではありませんでした。高3にもなって相変わらず初歩的な内容でつまずく、勉強しようとしてもすぐに他のことに目移りしてしまうようなダメな自分と向き合うことは、まさにそれを避け続けてきた自分にとっては非常に苦しいことでした。
自分ではそれを克服したつもりでいましたが、よりによって慶大の入試の前日に、プレッシャーで突発的に英文が読めなくなりました。その時には、改めて自分の甘さに気付かされると同時に入試直前のメンタルとしては最悪の状態で臨まざるを得ませんでした。そのような状況にもかかわらず、第一志望の法学部には届かなかったものの文学部に合格できたのは、少なくともこの一年間、未熟ながらも自分自身と向き合い努力したからだと痛感しています。