アカデミア第15期生(小6〜高3在籍)

早稲田大(文化構想)/慶応大(文)/上智大(法)/上智大(英語)

/上智大(文)/明治大(文)/中央大(文)/津田塾大(英語)合格

 

 

 私が大学受験というものを振り返って感じたことを述べていこうと思います。あくまで私の主観に基づくものなので、参考程度に読んでいただけると幸いです。

 

 

 まずどの教科にも言えることですが、大切なことは「正しいやり方で正しい量をこなす」ということだと思います。

 

 勿論、たくさん量をこなすことは必要ですが、間違ったやり方でやってもなかなか身につきません。高校受験と違い大学受験は覚える量が膨大なので、「いかに効率よくできるか」ということが必要となります。そのためには、参考書や問題集は必要最低限にするべきです。

 

 よく色々な参考書に手を出す人がいますが、それは効率という面ではかなり悪いと思います。というのも、大抵の人はしばらくすると一度学んだことも忘れてしまうからです。時間が有り余っているならともかく、受験生にはそんなに時間がないものなので、参考書は必要最低限にとどめ、それを繰り返すことで知識を自分のものにしていくことが大切です。

 

 また、勉強する際は「納得」するということを心がけるべきです。ただ機械的に暗記しようとしても、すぐに忘れてしまいます。納得することで忘れにくくなる上、思い出そうとする時にも色々なことが繋がって出てきます。「納得」することで情報が「知識」になるのだと思います。

 

 

 次に学校の勉強についてです。

 学校での授業は基本的には聴くべきだと思います。というのも、授業は先生が計画的に進めているものなので、それをペースメーカーにして予習・復習をすることで自分も計画的に勉強することができるからです。

 

 また定期試験は、単に点や順位をとろうとするのではなく、自分が覚えたことが身に付いているかどうかを確認する手段としてとらえることをお勧めします。定期試験のためだけに向けた勉強、つまり直前に機械的に詰め込む学習をしてしまうと、その試験では点が取れても受験にはほとんど役に立ちません。

 私は二年次に学校で取り組んだ世界史があまり身についていなかったため、三年次に痛い目に遭いました。なので今、詰め込み型学習をしている自覚のあるひとは早めに改善すべきだと思います。

 

 

 次にモチベーションについてです。

 だれでも人間なので、やる気が出ないときも当然あります。やる気を出す方法はネットで調べればいくらでも出てきますが、ここで私が言いたいのはやる気を出す方法ではなく、いかにやる気に左右されずに勉強を継続するかです。「今日はやる気が出ないから勉強しない」だと、ただでさえ足りない時間がもっと足りなくなってしまいます。

 

 そこで大切なのは「習慣化」です。

 習慣化することで、日々のモチベーションに左右されずに勉強できます。例えば私は、電車の中では英語、大学通りを歩いている時間や学校の休み時間は世界史の一問一答をやることにしていました。

 まとまった時間が取れる休日も何時から何時までは勉強をすると決めてやっていました。

 また、夏休みは予想に反して文化祭の準備に時間を取られてしまうことになり、帰宅後はかなり疲れて勉強に集中できなかったので、早く寝て朝四時半に起きて勉強をするようにしました。最初は苦痛でしたが、すぐに慣れました。よほど無理な習慣を作ろうとしない限り、やっているうちに慣れると思います。

 

 

 

 次に各教科の勉強法についてです。

 

 英語に関して言うと、私は「受験勉強」をした感覚がありません。

 というのも、英語に取り組んでいると語学そのものだけでなく、その文化や歴史など様々なことを感じられるときがあり楽しいからです。しかし、だれもが苦なく英語を学べるわけではないのでポイントを挙げるとするなら、それは「基礎が全て」ということだと思います。

 

 

 基礎の内容自体は難しいものではないので、だれでも理解できると思います。しかし大事なのはその後で、その理解した基礎の内容を自分のものにし、どんな形でも使えるようにすることが必要となります。

 

 そして、応用が可能になれば、過去問をやってもたいていの問題は解くことができます。だから「基礎が全て」なのです。基礎を身につけるためには、当たり前のことを当たり前にやることが大切です。私はアカデミアでテキストをやり、家で和訳して音読、確認テストの勉強として覚えるというローテーションを何年間も繰り返し行っていました。

 

 

 世界史に関して言うと、できるだけ早い時期に始めるべきです。

 私は先ほども述べたように、始めるのが遅かったためなのか過去問でもなかなか点数が伸びませんでした。それが、一問一答を一周したあたりから一気に点数が伸びた印象があります。なので、まずは教科書を読みつつ一問一答を覚え切るところから始めると良いと思います。

 

 

 数学に関しては、私は割と苦手意識を持っていましたが、基礎は確実にできるよう、またセンター試験は落とさないように心がけました。そのために青チャートや学校の問題集をひたすら解きました。二次試験は難問が多い割には配点が低かったので、実際解いてみて間違えた問題に関しては、なぜそうなるのか自分はなぜ間違えたのかを明確にし、解法のポイントを押さえる程度にしました。

 

 

 国語に関しては、現代文は過去問を解いて添削してもらう程度でしたが、古文・漢文は一年次から丁寧にやっていくべきです。英語と同じようにコツコツとやっていけば間違いないと思います。

 

 

 最後に大学受験というものを振り返ってみると、意外と短かったなと思います。大変なこともたくさんありましたが、それも良い経験になりました。もっとこうしておけば良かったという後悔はもちろんありますが、それも含めて自分の実力だったと思います。

 

 すべてが終わった時に後悔が全くない人はほとんどいないでしょうが、その後悔を少しでも減らすために、一日一日、自分のベストを尽くすことが大切なのだと思います。

 

 

 拙い文章でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。この文章が、何らかの形でアカデミア生の役に立てたら何よりです。

 

 

 

【付記】

「優れた人間ほど謙虚であり、無能な人間ほど傲慢である」と先哲は言い遺しています。

 随一の学力を誇り、小中高と成績優秀の誉れ高く、歴代アカデミア生の中で唯一人、私の介助なしでも自力で一流大学に合格できるだろうと確信を抱かせるに十分な器をもったあなたが、名の通った予備校ではなくアカデミア高校部を選んだことは大変な驚きでした。

 

 誇って然るべき学力と評価がありながら、自己流に走らず、他人の言葉には耳を傾け、雨の日も風の日も定期考査の日も、自分の決めたこととして黙々と通い続けた七年間は、最も優秀な人こそ最も謙虚であるという先哲の言葉をまさに眼前で立証するかのようでした。

 そして、長きにわたってロールモデルとして多くのアカデミア生に手本を示し続けてくれたことに感謝します。

 

 

 私の最後の言葉は最終回の授業で伝えた通りです。

 アカデミアという井戸を抜けた今こそ、いよいよ本物の大海でその大器を存分に発揮して下さい。(2020年3月記)