アカデミア第1期生(中2〜高3在籍)

慶応大(経済/商/文) 法政大(経)合格→電通入社/JPモルガン内定

※みなみ野中で初の慶大現役マルチ合格者

 

私は大学受験勉強の本質は自分自身との闘いであり、やるべきことのみをひたすら繰り返すことだと思います。自分自身との闘いとは、文字通り自分で自分を奮い立たせて主体的に勉強するということです。

 

卑近な話ですが、見たいテレビ番組があってもそれを我慢して勉強をしたり、あるいはその番組を見るために時間までは集中して勉強をしたりするのは、その一例です。

 

やるべきことのみをやるとは、アカデミアで与えられたテキストなり教材なりを繰り返しやり、流行の参考書や勉強法といった無駄なことには手を出さないということです。その2点を心がけて勉強すれば、より効果的に各教科の知識を吸収できると思います。

 

私は高校へ進学しなかったのですが、日野台に通う妹の授業プリントを見て驚きました。なぜならば、そのプリントの内容は全くと言って良いほど受験勉強の助けになっていなかったからです。

 

私が見たのは世界史の期末テスト用のプリントだったのですが、東大や京大を受験する全国の猛者でも解答は困難であると思われます。それほど、受験勉強とは無縁な内容だったのです。学校の授業で説明されたことのみが、定期テストに出されるので、それを暗記すれば満点をとることも可能らしいのですが、それではまるで「私の授業を真面目に受けない者には点数を与えない」と言っているようなものです。

 

その世界史の教師にとっては、究極の目的は生徒たちを大学に合格させることではなく、自分の授業に耳を傾けさせることなのかもしれません。ですから、真面目に授業に臨めば臨むほど、受験にとっては百害あって一利無しといったところでしょう。

 

私は、他人の話を真剣に聞くことは重要であると思っていますが、あまりにも的外れなことを言っている人の話をいちいち熱心に聞いていると際限がありません。

 

ですから、率直に言って進学校に入ったからと言って安心だということはないと思います。先生方全員が受験のスペシャリストだとしたら話は別ですが、そのような学校は少なくとも都立高校では存在しないでしょう。

 

自分がどこに所属していようとも、いかに志望校合格に必要なやるべきことのみをやるかが重要になってくるのです。

 

次に予備校について。自分にやる気があれば、役に立つ面もあると思います。しかしながら、ほとんどの予備校においては、早稲田と慶応コースが一緒であったり、慶大模試と早大模試とに分けずに早慶模試としてまとめて出題したりといったように、いい加減な面もあります。

 

したがって、予備校のメリットを享受するためには、自分の志望大学および学部とその合格に必要な講座を見極めて選択すべきでしょう。そこから先は自分のやる気次第ということは、どこで勉強をするにしても変わりはありません。予備校に通ったからと言って受かる訳ではないし、行かなかったからと言って受からない訳でもないでしょう。

 

 

           〜各科目の勉強法〜

【英語】

「ワードバンク3000/4000/6000」(桐原出版)英単語帳

「英語頻出問題総演習(英頻)」(桐原出版)英熟語帳

「英語長文テキスト」(栄光ゼミナール)

「英語文法テキスト」(栄光ゼミナール)

「英語構文テキスト」(栄光ゼミナール)

 

「ワードバンク」と「英頻」は、週に一度アカデミアで暗記テストがあります。「英文法テキスト」「英語長文テキスト」「英語構文テキスト」は、アカデミアの授業で使いました。大切なことは、宿題をきっちりとやり、万全の状態でアカデミアの授業に臨むことです。

 

「予習→授業→復習」という流れを繰り返しているうちに英語的思考法が自然と身に付き、授業が面白くなってきました。

 

私自身は、長文テキストや構文テキストに出てくる初見の英単語を一語漏らさずノートに書き込み、授業の解説が済んだ後は、寝る前に声に出して読み返しました。そうすることで、授業で解説された内容だけでなく、文中に出て来た新出単語が頭に入るので、単語集から機械的に暗記をするよりも覚えやすかったし、長時間経っても忘れにくかったです。「英頻」は少なくとも6回は繰り返しました。

 

 

【世界史】

「世界史B教科書」(山川出版)

「世界史一問一答」(山川出版)

「年号暗記帳」(山川出版)

「文化史問題集」(山川出版)

「現代史問題集」(山川出版)

「世界史B用語集」(山川出版)

 

まずはじめに、教科書を自分でノートにまとめることによって概要を把握しました。そして、その都度文中に出て来た人名や事件名などの用語を「用語集」で詳しく調べました。

 

それらを全範囲でこなした後、「一問一答」を3回、「文化史問題集」を2回、「現代史問題集」を3回、「年号暗記帳」は5回繰り返しました。西洋史に関してはカタカナが多く、また、中国史の用語は漢字が複雑で似通った人名も多いため、特に力を注ぎ繰り返し繰り返しやりながら身に付けました。

 

 

【小論文】

各大学の過去問

 

小論文に関しては、課題を自宅で指定時間に沿って作文し、アカデミアで解説を聞きました。小論文を出題するのは大半が難関大のため、初めの頃はその過去問に戸惑いましたが、慣れてくるとむしろ非常に面白く感じるようになりました。

 

課題文内容自体が興味深いということもありますが、一つの課題文から十もの異なった視点からの解説が得られるというのがミソです。身近にありながら気が付かないことや、人間存在の根本を探索するような題材は特に興味深かったです。

 

実際に論文を書く際には、筆者の意図や課題文の概要を的確に理解しようと心がけました。したがって、他の科目のようにマニュアル的にアプローチすることが出来ないので、他人の真似をすることよりも、自分の主張を正確に表現することが大切です。現代文も同様で、小論文の対策を行っていれば自ずから出来るようになると思います。

 

以上のような勉強を三年にわたって進めながら、入試の半年程前からは「赤本」、すなわち大学の過去問に取り組み始めました。

 

この「赤本」が、慶応大を目指す受験生には非常に役に立ちます。おそらくは、「赤本なくして合格無し」と断言して差し支えないでしょう。

 

私自身は、慶応大の文学部、商学部、経済学部、法学部の計4学部の赤本をこなしました。同じ大学だからと言って、各学部も問題傾向が同じとは限りません。いえ、学部が違うと、むしろまったく違った大学を受験していると言っていいほど問題傾向は異なります。特に慶応大の場合はそれが顕著です。

 

まずは文学部

英語の入試問題はすべて和訳、英作文、要旨説明で構成されているので、「長文テキスト」と「構文テキスト」に力を入れました。世界史は、すべての問題が記述式なので「用語集」や「一問一答」を使ってしっかりと用語を書く訓練をしました。小論文は哲学的な内容が多く、実際に論文を書いたあとにアカデミアで解説と採点をしてもらいました。

 

 

商学部に関しては、英語と世界史のみをやりました。

小論文は数学的な内容なので、文系の私には対策が立てられそうになかったので手をつけていません。英語は、長文・穴埋め・選択問題で構成されていてオーソドクスな作りです。そこで、「英頻」や「長文テキスト」で対策をしました。世界史は、記号問題と記述問題で構成されています。やはり用語集と教科書を見直すように心がけました。

 

 

経済学部は第一志望であったので、その対策にもっとも力を注ぎました。英語は、文法正誤問題・会話文・長文読解・百語以上の自由英作文と、総合的な英語力が要求される出題パターンなので、前掲のテキストや参考書をフルに活用しました。世界史は、出題範囲が近代史以降に限定されていること、および年号重視の傾向であったので、「年代暗記帳」と「現代史問題集」を中心に対応しました。小論文は、アカデミアで対策をお願いしました。

 

 

最後に法学部。英語は発音・会話文・長文読解の構成です。特に長文は難しい単語が多く(英検準一級から一級レベル)、単語帳だけではフォローできないため、過去問の答え合わせするたびにノートに拾いだして記憶しました。世界史は、すべて記号問題であるものの、驚くほど難しいので、法学部に特化した対策は行いませんでした。小論文はやはりアカデミアで対策をお願いしました。

 

以上のように各学部について、個別に一通りの対策を行いました。

文学部・商学部・法学部の赤本は6年分を一回、経済学部は二回繰り返して出題傾向をつかみ、自分に欠けている部分をアカデミアでアドヴァイスを受けながら無くして行きました。

 

ただ漫然と「赤本」を解くのではなく、ミスをした箇所をノートに取ったり詳しく調べたりすることで、その学部の出題傾向に徐々に対応できるようになると思います。なお、この項で掲げた問題集および参考書は、全てアカデミアの授業で使用したものか、勧めていただいたものです。

 

 

        〜模試の成績と実際の受験について〜

私は河合塾と西北出版の模試を受けましたが、模試の問題と実際の慶応大の入試問題はまったく異なります。模試の問題形式はどちらかといえばMARCHの入試問題に近いと思います。

 

けれども、たしかに志望大学の入試問題とはほど遠かったのですが、私は模試を受験勉強のペースメーカーとして活用しました。実際、自分は河合塾の模試の判定では、慶応大は最高でも「B」でしたので、模試では決してトップクラスに食い込んでいた訳ではありません。そのことからしても、やはり最優先すべきなのは、本番の入試問題に備えた対策でしょう。

 

したがって、難関大を志望する場合は、実際の入試問題に適応していないと、模試で判定が良いからといって必ずしも本番で受かる訳ではないので、模試の結果を鵜呑みにすべきではないでしょう。

 

 

 

             〜最後に〜

これから大学受験を控えている方々には、強い忍耐力をもって主体的に受験勉強をすることをお勧めします。どうせやるなら、やらされていると感じるよりも自ら進んで取り組んだ方が良いですし、それが習慣になればますます勉強に身が入ると思います。それに加えて信頼できる相談者がいれば、より充実した受験勉強の日々を過ごせるでしょう。