独学でスピーキング英語を学ぶことは


「40代で英語に開眼した崖っぷちサラリーマンの英語上達法」様より


独学でスピーキングを学習するのはなかなか難しいです。

 



 英単語、英文法、英作文、リスニングは、ちゃんと記憶したか、英文は正しく読めたか、自分の書いた英語は正しいか、ちゃんと聞き取れたか、というように、理解の度合いが測定できます。
しかし、スピーキングについては、独力だけでは、なかなか測定するのが困難です。

特に発音においてはそれが顕著です。

 もちろん、英文を音読して、ICレコーダーなどに録音し、ネイティブの発音と自分の発音を比較して、よいか悪いかをある程度判断することはできます。
しかし、判断するのはあくまでも自分ですので、本当に正しいかどうかはわかりません。

 
正しく発音できているかどうかは、ネイティブに判断してもらうことが、どうしても必要となってきます。
自分のまわりに、そのようなネイティブがいる人は、ぜひお願いして、発音をチェックしてもらうのがいいでしょう。
しかし、まわりにネイティブがいない人はどうするのか?
ここ数年前から、この分野でとてもいいサービスが増えてきました。
それは、オンライン英会話を活用することです。
オンライン英会話では、スカイプを利用して、ネイティブから直接指導を受けることができます。
もちろんリスニング能力向上にも役立ちますが、それ以上に活用していただきたいのは、自分の発音のチェックです。
明らかに自分が話す英単語や英文法が間違っていれば、もちろんネイティブはその指摘をしてくれます。
ただ、発音が多少悪くても、正しい英語で話していれば、なかなか発音についても指摘をしてくれません。
そこで、ネイティブの先生にお願いして、「発音重視でチェックしてほしい」と伝えれば、もちろんそのように指導してくれます。

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翻訳ソフトの活用法


翻訳ソフトや、翻訳サイトを使われている方もおられると思います。

ところがほとんどの人は、勉強には役に立たない利用の仕方をされています。

 翻訳ソフトを使って、英作文の学習に大変役に立つ方法をご紹介します。

 普通の発想では、英作文をするとき、日本語を翻訳ソフトに入れますね。

 「ここだけの話だけど、彼がそのお金を盗んだのだと思う」をある翻訳ソフトに通しますと、

 

I think that he stole the money in the story only of here.

 と英訳されました。

おかしな英文ですよね。

 なぜ、このようなことがおこるかというと、翻訳ソフトは日本語から英語への翻訳が技術的に難しいからです。

特に、日本語は世界でも最も難しい言語といわれています。

日本語の文章は、多少文法が間違っていても意味は通じるものです。特に日常会話などでは、主語は平気で省略されます。


例えば、次のようなよく知られた話がありあます。

 お昼の定食屋にて。

「今日の昼飯何にする?」

「私は天ぷらで」

「俺はウナギだ」

 これは、通称「ウナギ文」と呼ばれているものですが、「俺はウナギだ」をそのまま英訳すると、

 I am an eel.

となってしまいます。

英訳ソフトを使ってもそうなってしまうでしょう。

 ところが英語ではそのようなことはありません。

話し言葉にせよ書き言葉にせよ、文法的に正しくない英語が使われることはほとんどありません。

 翻訳ソフトは、あるロジックに基づいて翻訳がなされますので、そもそもロジックである文法があいまいな日本語を翻訳することは、とても難しいのです。(*1)

 一方、英語はロジックの言語と言われるように、ロジックである文法が大変しっかりしています。そのため、翻訳ソフトを使って、英語から日本語に翻訳することは、日本語から英語に翻訳することに比べると、相当やさしいのです。

そのため、和訳は比較的しっかりした日本語になることが多いのです。

 こういった翻訳ソフトの特徴を活用すると、英作文の学習に、とても効果的な方法があります。

つまり、まずは間違っていることを恐れず、英作文から先に始めるのです。

 例えば、先ほどの例ですと、

「ここだけの話だけど、彼がそのお金を盗んだのだと思う」をなんとか英語にしてみるのです。

まず、先ほどの翻訳例をそのまま通してみますと、

 I think that he stole the money in the story only of here.

 私は、彼が単にここの話でお金を盗んだと思います。

 どうも、in the story only of here がおかしいなあ、ここだけの話って、どう訳せばいいんだろう、そういえば、between ourselvesというのがあったなあ、あれを使ってみるか。
また、前半の、I think that he stole the moneyは、より疑うという気持ちを表すと、thinkよりもsuspectの方が良さそうなので、ちょっと直してくっつけてみると

 Between ourselves, I suspect that he stole the money.

 となりました。これを和訳してみると、
自分達の間では、私は、彼がお金を盗んだと疑います。
さきほどよりも、ずいぶんと元の日本語に近づいてきましたね。

 このように、まずいきなり英作文から初め、それを翻訳ソフトを使って和訳する。
そして、その日本語をチェックし、おかしな表現だったら、英作文を修正し、再度和訳する。
これを繰り返し、日本語が洗練するようになるまで続けます。

 こうすれば、翻訳ソフトが、あなたの英作文をチェックする、良き教師代わりとなるわけです。

 (*1)日本語はロジックに弱い、といった趣旨のことを書きましたが、だから日本語はダメなのだ、という意図ではありません。

以心伝心、腹芸、といった言葉があるように、日本人はロジックで正確に文章を組み立てなくても、意思を通じ合えるという、世界でも希な特徴を持っています。
逆に言えば、ロジックを持たなくてもロジックを持つ人並み、あるいはそれ以上のコミュニケーションができる場合もありますので、日本語を卑下することは全くありません。


洋画DVDの活用法
リスニング向上に有効な、もう一つの効果的な方法をご紹介します。

それは、音声として英語と日本語の両方が収録され、字幕も同様に英語と日本語の両方が収録された洋画DVDを利用する方法です。

最近の洋画ですと、たいてい、英語、日本語の字幕、音声が入っていますのでまずは大丈夫だと思いますが、利用される場合は、その点をよくチェックしてください。
映画のジャンルはなんでもかまいませんが、あなたの興味があるジャンルが好ましいです。ただ、コメディ系は、英語のスラングが多いので、あまりおすすめができません。
具体的にそのDVDをどのように利用するかですが、まずは日本語音声モードにして、一通り見ます。
せっかくのDVDですから、まずは英語の学習のことは忘れて、ゆっくりとDVDを楽しんで見てください。
楽しむことは、結構重要な意味を持ちますので、まずは純粋に、映画の内容をたのしんでくださいね。
 そして、できれば、2度、3度と繰り返して見てください。
2度、3度と見れば、そろそろ飽きてくるかも知れませんが、後々になって役に立ってきますので、できるだけ2度、3度と繰り返してみるようにしてください。

 そのようにして繰り返して視聴した洋画は、おおよその内容が頭に入ったはずです。
特に、自分が気に入ったジャンルの洋画でしたらなおさらです。

 そして、今度はDVDのモードを英語音声、字幕なしのモードにして視聴するのです。
 当然聞こえて来るのは音声ですが、あなたは既に2度、3度とその映画を繰り返して見ていますので、おおよその内容がわかっていますよね。
ですから、英語の音声を聞いても、おおよそどんなことがはなされているのかがわかってくるのです。
これは、決してあなたの英語力がアップしたからではなく、映画の内容を熟知したことによる結果なのです。

 しかし、ここでおもしろいことに、話されている英語がなんとなくわかってくるような気がしてきます。
これは、脳が、今聞いている英語を、既に日本語として記憶に残っている部分を思い出して照合し、瞬時に日本語と対応づけているからなのです。
その結果、脳は、英語がわかっているかのように、いい意味で誤解し、無意識のうちに英語を学習しているのです。
 実はこれは、人間が子どもの頃、自然と言語を習得していったようなプロセスに近い行為です。

 そういう意味で、このすでに内容のわかっている映画を英語モードで視聴することは、リスニング能力を飛躍的に向上させる秘訣なのです。



Presented from  英会話独学とは、一人で英語を学ぶこと