全く行きなれない渋谷の道で

見るからに着なれないスーツを着た

就職活動中と思われる青年が

困り顔で私に道を訪ねてきた

持っている地図を指差し

「ここにいきたいのです」

と言う


聞かれてもさっぱりわからない

大体自分がいる場所だってよく把握していないのに…

「ごめんなさい、私も渋谷詳しくなくてわからないんです」

って言ってみたものの

回りに人は私しかいなくて
彼はあきらかに困り果ててて

こりゃ一肌脱ぐしかないなってんで

「じゃあ待ってください、私のスマホで調べてみますか!」

そう言って

使いなれないスマホのマップアプリを起動させ

目的地の入力を何度もミスし

慌てている彼を尻目に
かえってモタモタしている私…


やっとこさ目的地をマップに写し出せても

だからどう行ったらいいのかさっぱりわからず

「あいや~わからんねぇ…」

「…はい…」

「ちょっともう一回お兄さんの地図見せて」

そして地図を皿のように見ると

おや、今いる場所のすぐ近くが目的地ではないか!

「わかったよ!今私達ここにいるのね!ほんでもって目的地ここでしょ!だからあのビルを越えて右にいけば着くよ!」

興奮ぎみにいうと

青年も

「あ~!本当だ!ありがとうございます!11時からこのあたりで迷ってウロウロしていたんです!」

マジでか?!

ただいま時間は13時

2時間さまよっていたということになる…

それはそれで大丈夫なのか君は!

私も相当な方向音痴

しかし目的地はすぐそこにあった


走り去る青年の後ろ姿をみつめながら

人生ってこういうことなのかもなんて思ったり

気づいたら

「がんばりや!」って叫んでた

何目的でそこにいくかは知らねども

応援してみた。


さあ、私はどこにいけばいいか?