久しぶりに


親友の家へお邪魔して


ヤツが飼いだした犬に東京初対面


このあたくしにスッゴい吠えた


体小さいのに頭突きまでしてきやがった。


彼女は


「はじめはとにかく無視やで」


言われるままに、まるでそこに犬はいないかのように過ごした。


暫くして落ち着いた


しかし

彼女の犬はこびない。
まるで猫のよう


飼い主にさえなつかないし触られるのを嫌がる。


だからと言ってそんな神経質なわけでもなく

着かず離れずな絶妙な距離をとる


6歳だって


人間年齢にするともう

いいおっちゃんやもんね


彼女の家で癒され


米までいただき、

正月は越せそうだとホクホク



夜は新宿で観劇


開場まで時間があったから5キロからの米をひっさげ本屋をブラブラ


そこで、じっとこっちを見てる男の人


ぱっと見ると演出家の西沢さん(過去ハイリンドの演出をいくつか手がけてくださってる大好きな演出家さん)


でも西沢さんじっと気まずそうにこっち見てる
そして一言
「妊娠?」


ふと気付くと
出会った場所は
マタニティエリア
妊娠の本がずらり。
慌てて
「相手がいません!」


と否定する虚しさ…



それにしても久しぶりの再会に、はじめての二人でお食事。


気持ちが高ぶり一方的に夢や展望を熱く語ってしまった…
開演時間も忘れて…


かなりゆとりもって劇場の近くまで行ってたのに
結果慌てて劇場入り


作品はゆっくりで素敵
感激して
観劇後キャストさんに挨拶に行って


「でっかくなったな~」


としみじみ言われ

とほほのほ


かつて大好きで大好きでしょうがなかった俳優さんだ

好きすぎて緊張のあまり相変わらず会話が弾まず

なんだかぎこちなく別れた


思い出がよみがえり

一抹の淋しさを抱え


外に出ると

ザーザー降ってた雨はすっかりやんで


遠くのほうで


キラキラ光るイルミネーションが見える


吸い込まれるように一人新宿のイルミネーション通りを歩いたり止まったり


見渡せば皆カップルカップル


イルミネーションを背景に一生懸命彼女にカメラを向ける彼


その瞬間は細いイルミネーション通りも


愛の交通規制とばかりに

通行止めになっても一瞬のことと誰も文句は言わない


ちょっと意地悪したくなって

そっとカメラに写りこみに行ってみたりして


後に背後霊のように写りこんでいる女の写真があったらそれは私でしょうよ


一人だといろんなこと考える


くるくる気持ちが変わる


悲しくなったり楽しくなったり泣きたくなったり切なくなったり


淋しくなったり





ま、




そうおセンチになったところで


しょせん


5キロの米を持ちながら

イルミネーション通りをぶらつく女ってどうよって話


重かったよ


あたいの気持ちと共にさ…