少し前の日本のニュースで、コロナ感染で自宅療養中の女性が自殺というのを読んだ。「(感染したことで)周囲に迷惑をかけた」などとする趣旨の同居の夫や娘にあてた遺書のようなメモが見つかったのだそうです。
そのニュースについたコメントを読んでいたら、「なんでそんなことを」と嘆くコメントが多い中で、「コロナに感染した時の自分の体調よりも、感染した時の世間の目が心配だから、その女性の気持ちがなんとなくわかる」というコメントもとても多かったです。
自分が未知のウイルスに犯されているときに、「病気のことを誰にも相談できない」とか「感染したことを隠さないといけない」っていう心配をするのって本当に辛いだろうなと思う。
ただ、子供が学校へ通っていて、自分が(または家族が)陽性となったら、子供の幼稚園や学校に知らせて、濃厚接触者となるクラス全が検査をして、その間休園になったり休学となったり、予定されていた学校行事も中止になったり…なんてことを考えると、流石に人の目を気にせずにいられないとか、自分の体調以上に人様の目が心配、というのはきっとあるんだろう。
ウイルスよりも、近隣や学校などでの噂が人が怖いというのが本音なのかも。
でも心配した挙句に、引っ越しをしたり、このように自らの命を断つ人などまでいるとは。
コロナは誰でも感染し得るウイルスなのに。私もスティーブンが既往症があるから相当気をつけていたにも関わらず、「まさか」ということで感染してしまったし。
報道の仕方に問題がある、マスコミの責任、という意見もあると思うけれど、日本とコロナの報道両方に日々目を通している私にしてみれば、アメリカの報道の仕方の方がよっぽど怖い。病室が100%埋まっている状態で、あのSF映画に出てくるようなフル装備で患者さんの治療にあたっている医療従事者の画像とかガンガン報道されている。医療従事者が病院の今の状況を切羽詰まった様子で説明する様子など見ていると、これが現実なのかと本当に胸が苦しくなります。
感染してしまった我が家は家族全員がオンライン生活なので誰にも伝える義務はなかったけれど、義務というよりは、その時に話を機会があった人には「今うちはこんな状態」という感じで普通に伝えたし、もちろん両隣の家の人たちにも、もし誰かが入院するようなことがあれば何らかの形でサポートをしてもらわないといけなくなるのですぐに連絡を入れました。
私は日頃から仕事でプライベートなことはあまり話さないので、仕事に直接影響があった場合を考慮して上司・同僚数名にだけ伝えました。でもスティーブンは自分の症状が今どんな感じ、というのを仕事中に実況中継してたな…。下の子のクラスでは「ママがコロナに感染した」とか普通に話してる子もいて、先生も全く過剰反応したりすることなく「お大事にね。でもきっと大丈夫だよ」とか淡々と対応してるし。
そして、色々な人が心配して色々と手を差し伸べてくれた。もちろん私も大事な人や近所の人が感染したらそうする。
何だろう。お国柄なのかな。
私が思うのは、アメリカ。子供達のオンライン授業を、紆余曲折はあったものの、なんだかんだで定着させたことはかなり大きかったんじゃないかな、ということです。
子供達が学校に行けない、教育を受けられない、っていうのは実に大問題で、大きな社会不安につながる。しかも教育の機会を奪う、奪われる、っていうが個人のコロナ感染によって左右されるって、そりゃ誰にとっても相当ストレスだよ。
そういう面で言うと、オンライン授業のフル導入に関しては、アメリカ人頑張ったし、思い切った舵取りをしたと思う。一日も早く通常の授業に戻って欲しいけれど、緊急の時に子供達が安心して教育を受けられるシステムを整えたことは、今後何かがあった時にも役立つ大きな国の財産になると思う。
ただ、コロナの数で見ると、本当に「アメリカはどうなっとるんじゃい!いい加減ガタガタ言ってねえでマスクしろやあ!」となるから、一概には言えない。
(あああ。「日本って〜」とか、「アメリカでは〜」っていうの、人が書いているのを見るとイラっとすることがあるけど、今日のはそれっす。)