休暇中に見て心に残った映画「パターソン」

 

この映画の主演「アダム・ドライバー」が今一番気になる俳優でして、きっかけは彼の演技を見たい、だったのですが、予想以上にすごく良い映画だった。

 

監督のジム・ジャームッシュはインデペンデント映画界の巨匠の1人とも言われています。日本の俳優、永瀬正敏と工藤夕貴が主演した「ミステリー・トレイン」や、「コーヒー&シガレッツ」「ブロークン・フラワー」などは有名で、私も好きな映画です。

 

映画のストーリーは興味がある方はこちらでどうぞ。プロの方の映画批評も載っています。

https://eiga.com/movie/86003/special/

 

 

とても静かな気持ちで見ることができる映画で、映画を見終わってからじわじわとくるものがあった。もう1回じっくり見たい。

 

 


異文化夫婦の淡々と進む日常。ただそれぞれがかなり強烈な自分の世界を持っていて、でもそんな2人が静かに「お互いの自由を尊重する」日々をひたすらに規則正しく続けていく、というストーリー。

 


この夫婦。実はお互いのパートナーの世界をあまりよくはわかっていなないのかもしれないけれど、決して馬鹿にしたり皮肉っぽく笑うようなことはなく、真摯にお互いの世界をサポートして応援しているのです。

 

 

もちろんベースにあるものは愛だと思うけれど。ただ、愛っていうと家族愛とかそいういう感じになってしまう感じなんだけど、そういうのとはちょっと違う感じの。

 

家族愛というより夫婦愛。何がそうさせているのかな?と考えてみたら、それは「相手にどれだけ惚れてるか」だった。

 

そんな惚れ合ってる夫婦が繰り広げる世界が完璧すぎるので、ただのファンタジーになってしまう可能性もあったと思うけれど、けっこうリアルにお金の話題なんかが出てくるので、そこにはちゃんと家族として生きることの生臭さ、みたいなもあるのです。ジャームッシュ監督。さすがだな。

 

この夫婦が素敵なのは、2人でいるときはもちろん幸せ。でも1人でいるときも十分幸せ、というところ。自分の幸せを相手には求めていないところ。自分の幸せは自分の中にちゃんとあるよ、っていう2人が一緒になったら、あら、幸せが2倍になっちゃったね…みたいな。

 

こう書くと、どんだけハッピー感が満載の映画なの?と思うかもしれませんが、いわゆる押し付けのハッピーオーラみたいなものは一切漂っていないのがこの映画のいいところ。そこにあるのはただただ平凡な日常。1人でも十分幸せであろう2人が、夫婦として淡々と日々を送るその姿に、思わず目が釘付けになるのです。

 
 
幸せって自分の中にある。人間関係のこつは(恋人でも友達でも夫婦でも親子でも)相手が大事にしている幸せをいかに尊重できるか。それは自分が幸せじゃないとなかなか難しい。自分が幸せな人だけが本当に相手のことも幸せにできる、とも言えると思う。
 
 
 
おまけ(自分に)
アダム・ドライバーにインタビュー。