「親が帰ってくるのが遅い&親がいてもかまってもらえないなどの理由で、放課後を1人で過ごす子供達、通称”放置子”」
(Yahooで見たのですが、オリジナルの記事を載せます。ベネッセ社のたまひよ。)
https://st.benesse.ne.jp/ikuji/content/?id=12568
この記事を読んだときに、いつも一緒に学校から帰ってくるN君(11歳)のことが真っ先に浮かびました。
N君が子供達の通う小学校に転校して来たのは9月。
アメリカでは6年生までは保護者が送り迎えをして、もしそれができない場合は、いわゆる「学童」のようなアフタースクールプログラムに入れるのが普通です。
N君の保護者は一度も迎えにきません。彼はカギっ子。
N君は、娘と同じクラスなので話すようになり、今では毎日一緒に帰っています。
この記事に書いてある、
「そういう子(放置子)は何かしてあげると、どんどん甘えてきます。そして親もそれを把握しません」というもの。
これはまさにN君。
私達と一緒に帰るというのが、すごく嬉しいという様子が伝わってくるのが痛々しいほどで、最初の頃は、私達と少しでも長くいようと嘘までついていました。
例えば
「喘息があるから咳がとまらない」といって、ものすごくわざとらしい咳をして「大丈夫?しばらく一緒にいてあげるよ」というのを待っていたり
「家の鍵を忘れた。ここでずっと夜まで一人で待っていないといけないよ」と情に訴えてきたり。
鍵は、直感で「これは嘘だな~」と思ったので、やんわり、バックパックの「こっちのポケットとか、こっちのポケットとかも良く見た?」
と促したら、すぐに「あ、あった」と言って出てきた。
「家のトイレが壊れているんだよね。貸してもらってもいい?」とか。
もちろん「ごめんね。それはできないよ。学校へ引き戻してオフィスのトイレを借りよう」と言ったけれど。
その他にも、「今日は学校でポケモンカードを入れているフォルダーを盗まれた」とか「ケータイをなくした」とかいって、放課後の学校のオフィスに一緒に来て欲しいといって一緒に行ったり。オフィスの人も色々と心配して探してくれたりするのです。
とにかく、この子はかまってほしいんだな、というのが痛いぐらいに伝わってくる。
N君の家は学校から近くて、私たちの家への帰り道の途中なので、ただそこまで一緒に歩くだけなのですが、彼があの家の中に入ってドアを閉めた瞬間どんな気持ちでいるんだろう…と思うと、心が少しざわつくけれど、ここはアメリカ。
情に流されて必要以上に手を差し伸べてしまって、後で何かあったときに自分達が不利な立場に立たされてしまう可能性もあるので、あくまでもスタンスとしては、ただ一緒に歩いている、というのをキープです。
N君の話には、本当かどうかあやしいものも色々あるけれど、彼の話だと、お母さんは隣町に住んでいて、彼がいつも帰る家は、お母さんのボーイフレンドの家なのだそうです。お母さんの仕事が終わるまでボーイフレンドの家で過ごして、夜はお母さんと家に帰る、と言います。
気さくでかしこくて、面白い男の子なのに、どこかやっぱり何かをしょっている感じもする。もちろん彼が何かトラブルに巻き込まれている、というようなことを話してきたら、私はすぐに学校に連絡するけれど、そういうシグナルを送ってくるのではなくて、とにかくさみしい、かまってほしい、という雰囲気。
とは言っても、やっぱり線を引いて接するしかないのですが。
日本でも子供を巻き込んだ残酷で悲しい事件が最近ありました。子供を守るのは保護者の責任だけれど、少し目を話した隙に、とかやっぱりあると思うのです。私も地域の一員として、近所の様子を把握したり、何かおかしなことに気が付いたら勇気を出して声をかけてみたり、警察に連絡をするとか、そういうことがきちんとできる大人でありたいと思っています。
ちなみに、私は気が付くと7人ぐらいの子供達と一緒に下校していることがよくある。
この前ブログにも書いた、小児癌と戦うBちゃんのお兄ちゃんと一緒だったり、近所の3兄弟(そこの長男がかなりしっかりものなので、兄弟3人がちゃんとくっついて歩いていれば保護者がいなくても大丈夫でしょう、と彼らの保護者も思っている感じ)、そしてカギっ子Nくんと家の子供達。
まあなんとなく一緒に集まって歩いているだけという感じなのだけれど(もちろんBちゃんのお兄ちゃんは、お母さんから頼まれているので責任を持って玄関までお届けします。)やっぱり子供って大人が一緒の方が心強いんじゃないかなあ。
ただ、家の子供達は、いつも両親どちらかと一緒の登下校なので、「いつにいなったら自分達だけで歩いていいの?」と、子供だけで歩くということに憧れている感じ。小学校卒業までは一緒。これが我が家のルールだよ、と言っています。
そういう私は、横断歩道を渡る時、横断歩道の横に立ってノロノロと歩く子供達に横断歩道を渡らせる「旗のおばちゃん」状態ですが、
こんなことができるのも後何年?…と思うとそれもまた感慨深い。