朝日新聞コラム「政態拝見」に登場 | 江田 けんじオフィシャルブログ Powered by Ameba

朝日新聞コラム「政態拝見」に登場

朝日新聞(政態拝見*星浩編集委員)掲載
『「やらせ」で露呈 深刻な劣化・・・大部屋の官僚たち』

 橋本内閣で首相秘書官として活躍し、衆議院議員に転じた江田憲司氏(無所属)には「臨死体験」がある。

 20年ほど前、通産省(現・経済産業省)の若手官僚として働いていた。産業振興の法案づくりで徹夜が続き、役所の書庫で仮眠した。2時間ほど寝て目を覚ましたが、周りは真っ暗。何度目を開き直しても、明かりは見えない。その時に「オレは過労で死んだ」と思った。もちろん、実際には、すぐに「生き返って」職場に戻ったそうだ。

 激務だったが、お国のためと思えば、やりがいはあった。国を支えているのは政治家ではなく官僚だという自負もあった。
 時を経ていま、官僚の小賢しさが露呈している。政府主催のタウンミーティング(TM)での「やらせ質問」である。(中略)

 江田氏に感想を聞いた。
 「官僚たちの心理がよく分かる。まず、大臣に恥をかかせてはいけないという配慮がある。他省庁が所管した時は円滑に進んだから、うちもトラブルなく終えたいという横並び意識も強い。官僚には国民全体の奉仕者という自負が大切だが、最近はどの役所も自己防衛と内向きの姿勢が目立つ」(中略)

 TM問題でも、大部屋の官僚たちがなるだけ波風を立てないように事を運ぼうとした光景が目に浮かぶ。大部屋体質のマイナス面に、江田氏の言う「内向き傾向」も重なって、国を支えてきた官僚の劣化は深刻だ。

 萎縮する官僚と、それにとって代われない政治家の非力。TMでの「やらせ」で見えた政治の空白をどう解決するのか。それこそが、安倍政権が取り組むべき大きな課題である。

  ── 朝日新聞 2006年11月28日付 ──


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