週刊エコノミストにインタビュー掲載 | 江田 けんじオフィシャルブログ Powered by Ameba

週刊エコノミストにインタビュー掲載

「人材を霞が関に集中させる必要はない」 週刊エコノミスト 2007年6月5日号掲載

 霞が関からの人材離れは何が問題なのか。通産省(現経済産業省)官僚として橋本龍太郎内閣で首相を務め、現在は国会議員として「霞が関論」を多方面に発信している江田憲司衆院議員(無所属)に聞いた。

——— 官僚の退職が相次いでいることを国会で取り上げたが、問題意識は何か。
■官僚は辞めるのが当然という状況になって久しい。辞めること以上に、その背景にある官僚機構の疲弊こそが問題だと思っている。 キャリア官僚がどれだけ辞めているのかを政府に質問したところ、退職者数は2002年から06年までの5年間で292人という。一昔前には考えられなかった人数だ。

——— なぜそうなった?
■最大の理由は、世間の官僚バッシングだろう。かつては「政治は3流だけど官僚が1流だから日本はもっている」という世間の評価があった。ところが最近は、官僚や官僚OBであることがまるで犯罪者であるかのように扱われる。天下り先を渡り歩き、そのたびに数千万円、合わせて億単位の退職金をもらう「渡り鳥」とか、税金の無駄遣いなんかをワイドショーが連日批判している。橋本政権時代にも「ノーパンしゃぶしゃぶ」の接待とか信金の理事とジェット機で海外旅行したとか、スキャンダルと不祥事が出続けた。小泉政権時には、外務省や社会保険庁のスキャンダルがあった。世間の風当たりが強いのはもっともだ。
 しかし一方で、若手官僚は法案策定作業などに追われ、連日連夜、朝方までの激務は昔から変わっていない。年収も20~30代の頃は金融機関や大手メーカーに就職した大学同期の3分の2から2分の1。私の場合、月200時間残業しても、残業代は一律2万円しかつかず、時給100円の世界だった。それも昔から変わっていない。「国民のために役に立ちたい」という思いと世間からの評価だけが支えだった。だから激務・薄給にも耐えられた。
 しかし、今は「国のために」と思って毎晩徹夜して必死に働いても、国民は評価してくれない。政治との関係で官僚の役割も低下した。むしろ霞が関に残っているほうがおかしいとさえ言える。だから20~30代の優秀な人材は新天地を求めて辞めているということだ。

——— 天下りを禁止したら「うまみ」がなくなり、余計に人材が離れるのでは?
■それは逆だ。世間から白い目でみられている限り、中央省庁に優秀な人材は集まらない。天下りや税金の無駄遣いをなくし、国民の信頼を回復することだ。そうしない限り悪循環が続き、人材流出は止まらない。待遇などの問題は二の次だ。
 そもそも何も東大法学部卒業生が「いい人材」であるわけではない。東大法学部卒ばかりが中央省庁に集まるのは人材配分としてバランスを欠いている。優秀な人が民間企業やいろいろな組織に行くのが今の時代に合っていて健全だ。05年には農水省に東大法1人も入らなかったと騒がれたが、官僚は政治家の下で選択肢を提供したり、情報提供するのが仕事。それなりの人材は必要だが、トップレベルの頭脳がすべて官僚機構に入らなければならないことはない。

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