エド・シーランが、グラミー賞を受賞した2017年の大ヒット曲Shape Of You
(Stormzyとのコラボヴァージョン)
この曲、ファンや翻訳をされている方の間で既に言われていることですが、
よく歌詞をみていくと、ぱっと聞いた感じの印象よりそれほどエロい内容ではないのです。(笑)
エドの曲の中では、かなり新しいサウンドで、音楽的にはセクシー路線であることは間違いないのだけど、
個人的にはもっと秘められたセクシーさを感じられる曲は他に沢山あると思う。
歌詞の動詞の時制が、現在形なところも更に、こうなったらいいなという希望というか妄想のように聞こえてきます。
MV自体も、セクシーなイメージとは程遠い内容。最後は笑っちゃうオチもあるし。
エドが演じているのもボクサーの卵で、相手の女の子は、いわゆるセクシーな女性というよりも、
エド本人よりも強いボクサーで、キュートさもありながらもかっこいい女性。
所謂凹凸のあるセクシーな体、というよりも、鍛え上げられた体。
歌詞の中で「君の身体が好き」と繰り返し言ってはいるものの、
どこのパーツがどう好きなのか、どんな女性なのか等具体的な描写は一切なし。
通常エドの書く詞の素晴らしい点の一つは、人物や情景描写のディテールが細かいことなので、
SOYの歌詞は、エドの曲の中ではかなり珍しいタイプだといえる。
これも含めて、実際に起こったことというよりも、妄想・想像の話だと一層思われてくる。
The club isn't the best place to find a lover So the bar is where I go
あのクラブはナンパするのにベストな場所じゃないから、いつものバーにいくんだ。
ここの部分は、なんとなくクラブデビューしてない、
もしくはクラブが苦手なちょっと奥手男子が(若かりしエドのことだ。)
少しいきがって言っている様な感じに聞こえます。
「っていうか、クラブとか苦手だし・・」って心の声が聞こえてきそう。
Me and my friends at the table doing shots Drinking fast and then we talk slow
バーに行って本当にナンパするつもりなら、いい子がいるか物色して、
自分から話しかけにいったり、お酒をおごってあげたりするものでしょ?
それなのに、ヤロー二人でショットを何倍も飲んで酔って話をしているだけ。
そうしていると、なんと女の子が自ら自分のところにやってきてくれて、
しかも自分だけに話しかけてくれるって!男子の妄想!
手を取ってもらって、ジュークボックスでヴァン・モリソンかけて踊り始める。渋い!
And you come over and start up a conversation with just me
And trust me I'll give it a chance now
Take my hand, stop, put Van The Man on the jukebox
And then we start to dance
自分みたいな奥手の男子のことも好きになってくれるよね
本当なら、女子が喜ぶ甘い口説き文句を言うべきところが、
緊張してちょっと変なことしゃべりすぎちゃう。
Your love was handmade for somebody like me
Come on now, follow my lead
I may be crazy, don't mind me
おしゃべりはいいから、近くに来て私のリードについて来て・・って!男子の妄想!
Say, boy, let's not talk too much
Grab on my waist and put that body on me
Come on now, follow my lead
Come, come on now, follow my lead (mmmm)
I'm in love with the shape of you
We push and pull like a magnet do
サビの部分。I'm in love with the shape of youといっているので、
とても表面的な欲望の歌に聞こえるのだけど、
重要なのはその次の
Although my heart is falling too
I'm in love with your body
心もすっかり虜になって恋に落ちているんだけど、君の身体に恋している
という内容。体だけの関係では決してないということ。
Last night you were in my room
And now my bedsheets smell like you
Every day discovering something brand new
I'm in love with your body
ベッドシーツに昨夜の君の匂いが残っている
恋に落ちると、こんな風に毎日新しい発見があるんだね
という、この恋に落ちた時の初々しさ・ドキドキ感!
そして更なる追い打ち(?笑)をかけるのがここからの部分。
One week in we let the story begin
We're going out on our first date (mmmm)
最初の日から、ようやく1週間後に「初デート」!初々しい!
You and me are thrifty, so go all you can eat
Fill up your bag and I fill up a plate (mmmm)
そしてなんと初デートに、食べ放題にいくって!色気ゼロ!(笑)
これ本当にお金のない大学生カップルって感じ。しかもこっそり持ち帰りもしちゃう。
We talk for hours and hours about the sweet and the sour
And how your family is doing okay (mmmm)
好きになった相手のことをちゃんと理解したいので、
何時間もかけてお互いの過去について語り合う。辛かったことや嬉しかったこと全部。
極めつけに、家族の話までしっかり。(イメージ的には、ふたりは同じ地元出身で家族のことは少し知っているので、今も元気にしてる?って聞いている感じ)
And leave and get in a taxi, then kiss in the backseat
Tell the driver make the radio play
And I'm singing like
ここの歌詞、本当に好き。
ライムの感じもいいし、かなりキュンとくるフレーズ!
何時間も話した後、ようやくタクシーの中でキス。
一部グラミー関連で批判があったこの曲。
はっきり言って世の中には、批判すべき酷い女性蔑視の曲なんて他に山ほどあるのでは?!
あんなに優しくて紳士な人が批判をうけるなんて・・・、人気者・有名人になるって本当に大変です。