新聞販売店の小芝居 | 随心所欲的日記

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旅と文学の話

 2024年10月5日午前中に先日契約したばかりの新聞販売店員さんがゴミ袋とタオルを持ってきてくれた。これはあたしが請求したわけではなくて、本人が渡していないことに気がついたようだ。

 前回の人は、正直な人で、契約したときに、そのままゴミ袋とタオルを渡してくれた。

 今回の人はわざわざ後日やってきて、少し秘密めかしていかにも特別に渡しているという風な小芝居をしながら手渡してくれた。近所にみとがめられないようにとてもいうふうに、左右に首を振ってあたりを見渡し、そっと渡してくれた。

 辺りの部屋は空き家ばかりだから、あまり意味は無いのだが。


 このようなちょっとした贈り物で、できるだけ新聞配達が続くようにと営業努力しているわけだ。

 景気の良かった時代には、各販売店は商品券やテレビなど大型のプレゼントで競争していた。しかし今はそれができない。各新聞社の販売店とも様々なサービスを、例えば読売新聞ならマクドナルドハンバーガーを運んできたりもする。朝日新聞は便利屋さんを兼ねている。


 毎年減少している顧客を少しでも抑えておこうと、販売員さんは満面の笑顔で小さな柴犬のような表情をしていた。