「お尻でます」の自動販売機の件について | あらたな日々

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南あらたと申します。編集者、コピーライターからディレクター、プランナーを経験し、方向転換。現在は、IT関連の会社で、携帯コンテンツの企画、デザインをやっています。こちらでは日々思うことを語りますが、読んで役立つブログ作りが基本です。よろしくお願いします。

高校時代の話です。
高校のそばに、ちょっと気になる自動販売機がありました。
気がついたのは、通学しだしてからすぐです。

あらたな日々-自動販売機


普通の飲み物の販売機に、紙が貼ってあります。
その紙に「オシリがでます」と書いてあったんです。
すぐに気がつきました。
オシリの「シ」はきっと「ツ」なんです。
字の日本のちょんちょんは、横に並べればツ、縦に並べればシ。
これを書いた人は癖で「ツ」と書くところが「シ」に読めてしまっているんです。
「お釣りがでます」と書きたいところが、誰がでみても「お尻がでます」
と読めるんですね。

この紙はずぅーーっと貼ったままでした。
誰か気がついて貼り直さないんでしょうか。
2年生の時には、次第にぼろぼろになってきました。
3年生になっても、かなり朽ち果ててきてはいますがまだ貼ってあります。
目の隅に入るその貼り紙は、気になるというほどではないんですが、
「あ、まだあるな」と何気に時々チェックする感じでした。

卒業が迫ってきました。
その通学路も、あとわずかで通ることがなくなるという時、
急にその販売機が気になってきました。
そりゃ、きっと「お釣り」と書いてあるに決まってます。
でも、でも、もし違っていたら?
3年間もそのままだし・・・。
なんだかちょっと怪しげな存在感のある販売機ではあります。
「・・・やってみることだ」
もし、このまま確かめもせず、卒業してしまったら、心残りを残すことになる。
この販売機が「お釣り」がでるのか「お尻」がでるのか永遠にわからないままです。
もしかすると、何か変なものがでてくるかもしれない・・・。
やるだけやってみることです。
そうです。ただ缶コーラひとつを買ってみるだけのことなんです。


その販売機の前に立ち、決意も新たに500円玉を握り締めなおしました。
硬貨を入れる。
チャリンと乾いた音がして、販売機の中を降りていくのがわかります。
「よし、押すぞ」
コーラのボタンに指をかけ、深呼吸をして「えい」と強くボタンを押しました。
「ガコン」とでる缶コーラ。
そして・・・・。

・・・でてきたのは、普通にお釣りでした。

ほのかに甘酸っぱい青春の思い出でした。