朝、起きるなり耳に飛び込んできたのは激しく建物や道に叩きつけられる雨粒の音。
先週の暴風雨の朝のことです。
窓を開けたら、すさまじい雨足に道の向かいの建物さえはっきり見えない。風の暴力的な勢いで、窓を開けていられない。何かがけたたましい音をたてて、道を転がっていくのが聞こえた。
さて、仕事にでなければ。
今日は休めない。休んではならない。
とにかく、仕度をしてでかけることに決めた。
まず、傘をまともにさすなんて不可能。短めに頭をかばうのがやっとだろう。折りたたみ傘では、すぐに折れてしまうので骨のしっかりした傘を用意しよう。
靴は雨用の合皮のものがあるがこれでは、中まですぐにぐしょぐしょだろう。向こうで履き替えることにして、靴下を脱いで、サンダルにした。この雨なら、誰もおかしいとは思うまい。職場についたら履き替えられるように靴はカバンに入れていこう。
ズボンは、3つおりにして膝のしたのところまでまくりあげた。
服も濡れてしまいそうだ。
着替えに、ポロシャツと下着を用意する。おっと濡れた着替えを入れるビニール袋も用意しなければならない。
荷物が増えたので、カバンをおっきな旅行とかに使うものに変える。
そうだそうだ。
大きめのタオルをそのカバンに押し込んだ。
携帯とかバッテリーを入れるインバッグもビニールにしまうってつっこむ。
よし、完璧!
時計を見れば、今から急いでいけば遅刻することもない。
大きく深呼吸をして玄関を開けて外に出た。
・・・・雨はやんでいた。
嘘のように晴れている。
子猫がうれしそうに道のすみを鼻歌まじりで散歩している・・・。
道行く通勤の人は、たたんだ傘は持っているものの、いたって普通の格好で歩いている・・・。
着替のポロシャツと下着、靴下、ビニールに包んだインバッグとバスタオル、靴一足を詰め込んで大きく膨らんだ旅行バッグを袈裟懸けにし、重たくて大きな傘を持ち、ズボンを膝までたくし上げて裸足でサンダルを履いた僕は、太陽の下で立ち尽くしていた。
・・・もう、戻って仕度しなおしていたら間に合わない・・・。
