< 地球温暖化と感染症 >
先日、食糧危機について書いたさいに、「はじめの一歩」さんから
感染症についてのコメントをいただいたので、調べてみました。
この感染症については環境省がレポートとして公表
しています。
まず、温暖化の影響で感染拡大の危険性がある感染症には
以下のものがあります。
【媒介動物によるもの】
・蚊が媒介
日本脳炎、マラリア、デング熱、ウエストナイルウイルス、
リフトバレー熱
・ダニが媒介
ダニ媒介性脳炎
・げっ歯類(ネズミなど)が媒介
ハンタウイルス肺症候群
【環境が媒介するもの】
下痢症(コレラ、サルモネラなど)
では、これら感染症の拡大と温暖化の因果関係について
説明します。
たとえばある年の夏に、蚊によるデング熱が流行したと
します。
蚊の活動が活発なのは夏季ですから、冬になれば蚊は死滅
して、デング熱の感染も終息に向かうことになります。
ところが、温暖化により冬季の気温が上昇すれば、越冬
する蚊も出てきます。
蚊の寿命が延びれば感染者数が増える危険も大きくなり
ます。
または夏季の最高気温が上昇した場合でも、蚊の発生数
自体が増加したり、蚊の生息地域が拡大することにつな
がり、やはり感染の拡大リスクが高まります。
蚊に限らずダニやネズミについても、高温多湿で不衛生な
環境において生存数も生息域も拡大しますから、感染数も
比例して増えることになります。
環境が媒介する感染症は、アフリカやアジアにおける
水不足の地域でコレラなどが現在も発症していますが、
これは不衛生な雨水や汚水の摂取によるものです。
温暖化により水不足の地域がさらに拡大してしまうと、
コレラやサルモネラの被害者も増加すると予測されて
います。
また、環境省の発表ではありませんが、休眠状態にある
水中の菌(コレラやO-157)が水温の上昇により
活性化する危険性を、東京医科歯科大学の藤田紘一教授
が指摘しています。
一部引用しますと・・・
ある年にペルーでコレラが流行したのですが、そのコレラ
菌の元をたどればペルーから離れた海域で休眠状態に
あったコレラ菌でした。
その離れた海域から来た貨物船がペルー湾に入港したの
ですが、そのときに捨てた海水に休眠状態のコレラ菌が
生息していて、その年はエルニーニョの影響でペルー湾の
水温が上昇していたために、コレラ菌が活性化してしまい
ペルーで流行してしまったとのことです。
また、東京湾にも休眠状態のコレラ菌があることが既に
わかっているので、遠く離れたペルーの話は対岸の火事
ではなく、日本にもその危険性があることを藤田教授は
警告しています。
今回の感染症については、あくまでも「危険性がある」
というレベルであり、環境省の発表でも温暖化との因果
関係が100%立証されているものではありません。
しかし、世界の各地で温暖化によるさまざまな影響が
出始めていることは間違いなく、その因果関係がはっきり
と立証されたときには、すでに手遅れかもしれません。
いつまでも、人も動物も植物も住みやすい地球であって
ほしいですね。
/藤田 紘一郎
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