< 排出権取引 >


 排出量取引とも言います。


英語ではEmission Tradingと書き、略称はETです。


 概要を説明します。


まず各国間で温室効果ガスの排出枠(量)を定めます。


この排出枠を「キャップ」と言います。


経済活動の結果、排出枠が余った国と、排出枠を超える量を


排出してしまった国が、取引できる仕組み。


これが、排出権取引です。


国を企業に置きかえても同様の取引が可能です。



排出量で取引できるように、排出量をクレジットという単位に換算します。


これを「炭素クレジット」と呼び、シカゴ気候取引所や


欧州気候取引所などの取引量で市場価格が左右されます。


まるで株ですね。



排出権取引を人間に置き換えてみましょう。


アイドルが多数所属する芸能プロダクション、グリーンキャブ。


グリーンキャブでは所属するグラビアタレントに体重制限を


設けていて、MAX60キロです。これが制限排出枠のキャップに


相当します。


 所属タレントで現在70キロあるマル子さんが、1年後に60キロに


減量する目標を立てました。社長との約束なので、1年後の体重測定


で1キロでもオーバーしていれば、クビですガーン


かたや、同じ事務所のやせ気味のヒトミさんは現在50キロです。


60キロまではあと10キロの余裕があります。


 1年後、体重測定の前日。


体重計に乗ったマル子さんは青ざめました。


5キロしかダイエットできず65キロありました。スィーツ食べすぎです。


このまま明日を迎えれば、体重オーバーでクビになってしまいます。


一方のヒトミさんは55キロまで増量するも、あと5キロ余裕があります。


マル子さんはヒトミさんから1キロ1000円で体重枠を買い取り、


本当は65キロなのに60キロということになり、クビをまぬがれました。


ちょっと例えが長かったですが、こんな感じです。


ヒトミさんは5千円儲けましたね。


 もしマル子さん以外にも60キロオーバーのタレントが沢山いたら、


ヒトミさんのところには取引の相談が殺到して、1キロ千円どころではなく


1キロ1万円くらいまで取引価格(体重クレジット)を吊り上げることも


出来ましたよね。




このような、削減目標との差分を取引する方式を、「キャップアンド


トレード」と称しています。

 
 ちなみに排出権取引は、京都議定書で合意されたもので、締約国


同士の間で取引することが認められています。


日本は90年度比で2020年までに25%の温室効果ガス削減を


鳩山首相が宣言しましたが、2009年現在京都議定書での目標値は


全くクリアしていません。


世界全体での2007年における排出量取引の市場規模は、


日本円で6兆円前後でしたが、市場は急激に拡大しているようです。。。


虹



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