初稿を、ドラマを見て湧いた怒りに震えて、「深山家解体・もう一人の佐都と健太爆誕 カモ~ン」の線で書いたのですが、今のドラマの路線の転換なので、心を込めて最終盤の佐都を生きてる太鳳ちゃんへの応援とは言えないなあと思って、今の佐都と健太のがんばりの延長に、「深山家・圭一が変わる カモ~ン」バージョンを追加しました。

 

どちらにしても、勝手な妄想です。

 

ドラマチームは、よく練って、最初から作っていると思うので、ここでかいたものとは違う展開になると思いますが、お話の展開をそれぞれが自由に予想して楽しむのも、ドラマの楽しみですよね。そんなノリで読んでください。

 

第9話のイチオシのお気に入りシーンは、佐都が、春菜に、「おばさまだってこの花で人を感動させている」というところ。

 

 

春菜さんはキムラ緑子さん。もっとアクがある強いキャラを想像しましたが、真逆の、自信のない、アイドル依存症のおばさま。

とても新鮮でした。

 

(これからは初稿を短縮して少し改訂したものです。既読の方は*に飛んでください。)

 

第9話は、これまでの深山家の家族の不幸なお話の根幹にあるものが、徹底した男尊女卑で、それは男系相続の維持を至上命題としているところにあることが示されます。

 

しかしそれは、女性に人間的な価値を置かないものです。

 

春菜は、幼いころから徹底的に価値を否定されてきました。佐都によって救いが示されたけれども、その失意の長い人生を思うと暗澹たる気持ちになりました。

 

女性が唯一、価値を見出されるのは、結婚して跡取りを生むこと。

 

ドラマは、春菜も、有沙も、佐都の娘も、全部同じ立場にあることが示されます。

 

跡取りや子どもを産まない女性に離婚を迫る話とか、昔はあまりに普通にあった話。

跡取りを口実に、愛人や側室が当たりまえ。現在でも、男系価値観、結構強くありますよね。

 

そしてドラマで描かれているけど、女性にも格差がある。女性が男系価値観に自己同一化して、女性を蔑視する。

ふせママがそうですね。木村ママは蔑視がないけど同じ価値観です。

 結婚して跡取りを生んだ良妻賢母

 結婚して跡取りを生まなかった良妻賢母

 結婚して働いている女性

 結婚しない女性

 

 

女性は子供を産む機械だといって首になった大臣がいましたが、お嫁さんの人間性を否定している点で機械と言っているのと同じです。

 

有沙がかわいそう。

結局、これまで見てきた、やんごとなき一族の家族の苦しみのすべての根っこが、男系相続と女性の人間性否定という価値観にあることがしめされました。

 

日本の女性の国際的な地位は、120位代で、イスラム教諸国以下ですから。プチ深山みたいな亜流価値観で傷ついた女性は、たくさんいるでしょう。男系価値観こそ、セクハラを含めて、さまざまな女性蔑視の根幹ですよね。

 

ため息をつきながら、つらい気持ちで、ドラマを見た女性は多くいると思います。

 

第9話のイチオシのNO.2は、これ。

佐都が、はばかりながら、を、ぞんざいに言って、上から、圭一を見下ろしている。

いいぞ! いいぞ!

 

 

圭一とうさん、このブログ初登場おめでとうございます。

 

美保子さんのあわれさや滑稽さも、極みでした。

努力、知略、謀略を尽くしてつかんだ深山の長男の嫁の座。

 

 

圭一と、美保子は、真逆にいるようで、深山価値観に固着して手段を選ばない点で実は同じです。

美保子の子ども妊娠の嘘も、深山価値観によるもの。圭一に認められたい一心です。

 

松本劇場で、そんな浅薄な美保子を笑った私たちは、圭一を笑っているのと同じです。

ほんとうは圭一を笑い飛ばしたいのだけど、石橋さんの演技がそうさせてくれないのが残念。

 

石橋圭一を見てると、怒りしか湧いてきません、、、、ぶるぶる。

 

(*  ここから新しい書き加え中心のバージョンです)

 

圭一に認められて、跡取りをつかんで家を変えるというさとけんたの戦略は、はじめから、矛盾しています。

けれども、そのために、佐都は、家に認められようと努力し、その中で救われてきた深山の家族たち。家族も変わってきて、お義母さんと有沙など、みんな佐都応援団のようになってきました。

それでもなお、根本的な価値にしたがっているお義母さんと有沙。

そして問題の焦点は、佐都と健太の子どもに。

 

 

 

ひとりひとりが縛られているこの価値観を解体しないと先が見えません。

 

救いは、この人。

明人。

おやじさんと健太に復讐するような言い方!

美保子さんとも離婚して、、、、

いいですね!

深山の価値観による抑圧に苦しんだ明人。

ぜひぜひ、がんばってほしい。

 

そしてもう一つの救いが、こちら。

ナイフを取って圭一を刺そうとした美保子。

深山家の跡取りの嫁の夢が打ち砕かれたあげく、自分を徹底してさげすまれた美保子。

圭一への憎しみに震えています。

 

「努力、知略、謀略」を見て、美保子の変化は無理かもとあきらめかけたのですが、光が見えた気がしました。

 

長男夫婦が、それぞれに、もしくは共同して、圭一への復讐をする展開を期待します。

二人に残された選択は、圭一に認められて跡を取るのではなく、圭一を追い落として実権を握る路線ではないでしょうか。

 

初稿では、健太も、圭一に認められて跡を取る路線から転換して、圭一、明人、健太のバトルが勃発して、深山家が解体し、佐都が再生させていくお話にしてほしいと書きました。ぜひ映画か、シーズン2でお願いします。

男系相続にとらわれている日本社会が国際的には立ち遅れを生んでいるので、佐都の活躍で、解体した深山家が、力強く再生するお話になるといいなあ。

 

ただそうすると、今まで、佐都が家族の苦しみに懸命に向き合い寄り添って、一人一人を変えてきたことが生きてきません。

 

男系相続という圭一の価値観は、男子である明人と健太が、「二人がそろって」反乱を起こすと崩壊します。

二人が手を結ぶ展開が生まれるとベストですが、そうならないかも。

明人夫婦の圭一への攻撃がおきて、圭一が徹底して追い込まれるドラスチックな展開になるほうがドラマとして面白いだけでなく、圭一が変わるためにも必要かもしれないですね。

 

さらに男系相続という価値観は、深山家の女性がそれを受け入れて成立しています。

女性蔑視の傲慢な圭一の態度は、実は深山家の女性によって支えられているのです。

女性のみんなが「そろって」反旗を翻したら、崩壊します。

誰もいなくなったパターンでもいいかも。

女性たちの行動に期待したいなあ。

 

圭一も、明人と同じように抑圧を抱えている可能性もあるので、追い込まれた圭一の心を佐都が救うみたいな最後になるといいなあ。

 

最後は、佐都が、庶民価値観で深山の人たちを救って、それに立脚して、はばかりながら、という言葉を捨てる!

 

深山家を解体せずに、深山家=圭一の価値観が解体する物語、かも~~ん!

 

あ、でもそうすると、漫画の連載が続いているので、どうなんだろう、、、。

 

別の展開かなあ。

 

ドラマのオリジナルな展開が待ち遠しいですね!!