もし僕らのことばがウィスキーであったなら (新潮文庫)/新潮社

¥562
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ずっと「何だこの気取ったタイトルは」と思っていたこの本。
もう読めるかもしれないと思って借りてみました。
少しウィスキーを飲めるようになったから。


村上春樹のちょっとした旅エッセイ。
1つの蒸留所で、大麦の麦芽100%で作られた「シングル・モルト」を飲むことが旅のテーマです。


彼の小説の文体でそのままエッセイ書きましたってかんじです。
ecotaは好きですが、
ハルキストではないnaotaに渡すと
「まどろっこしいね」的感想。
確かにそうかもね。

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ドトールの至宝(※ecota限定)ハニーカフェオレと。
(カップがすでに空なのはご愛嬌)


ブレンデッド・ウィスキーは味や香りのバランスがとれているのに対し、
シングルモルト・ウィスキーは蒸留所ごとの個性が楽しめることが人気。
つまり、マニア向けってことですかね?


彼の語りは、最初の訪問地ISLAY(アイラ)と相性が良いのか
土地の風景をありありと脳内に描くことができました。
海沿いの、特に何も無い、ビートの香りで包まれた小さな島を。


アイルランド篇もありましたが、
私はこのアイラ篇が好き。


でも、一番好きなのはなんと「まえがき」の部分。
「気取っていてやだなぁ」と思っていたタイトルに絡む部分でした。


『僕らはすべてのものごとを、
何か別の素面のものに置き換えて語り、
その限定性の中で生きていくしかない』


例えどんなに自分をうっとりと酔わせたウィスキーでも、
ことばに置き換えるとそれは人を酔わせない。
ことばはどこまでもシラフの存在でしかない。


もしも言葉がウィスキーであったなら、
私たちは今使っている言葉を必要とせず、
伝えたい感情を相手の体の中に響かせることができるだろう。


それって素敵だなぁ。
なんて、ちょっとロマンチックなことを考えた夜でした。