今季国内FA権を取得した広島の栗原健太内野手(29)が2日、広島市内の球団事務所で球団側とシーズン終了初のFA交渉を行った。主砲は広島残留か、FA宣言かで揺れ動いている心境を明かした。球団からは具体的な契約内容は提示されていない様子。次回の交渉は来週中に行われる予定だ。
約30分の交渉後、栗原が複雑な心境を明かした。公式戦の重圧から解放されたこともあるのか、表情は終始穏やかだったが、胸中はさまざまな感情が入り乱れているようだ。
FA宣言をするか、しないかの決断ポイントを問われた主砲は「そこを悩んでいる」。球団とはシーズン中にも交渉を行ってきたが、悩みは深まっている様子だった。
大前提として広島への恩義と愛着がある。日大山形から99年ドラフト3位で広島に入団。我慢強い起用のおかげで、今や球界屈指の右打者にまで成長できた。「よそ(山形)から出てきて広島で12年やって、慣れているのもあるし、居心地もいい」と言う。
そんな広島への思いを、プロ野球選手としての夢が迷わせている。元来優勝への憧れが強く、「(大舞台に)出たいという気持ちはある」。現在行われているCSからも刺激を受けている。
しかし、広島に入団以来、優勝はおろかAクラスすら一度も経験したことがない。夢を実現させるためには、このまま広島に残っていいのか。FA宣言して、他球団の話を聞きたいという思いはある。
球団は栗原との交渉を、国内FA権を取得した広瀬との交渉とともに、今オフの最重要課題に位置づけている。交渉役の鈴木清明球団本部長(57)は「環境のこととか、いろいろなことを話しているけど、まだどうなるかは分からない。今は彼がどうしたいかだから」。他球団で優勝を目指すのか、広島で目指すのか。栗原の気持ちが固まるのを待って、条件提示など次の段階へと進む方針だ。そのため同部長は日南秋季キャンプには行かず、広島に残って交渉を続けていく。
栗原は交渉を長期化させるつもりはない。「体は動かしているけど、集中してできない」。主砲は来季以降のためにも自問自答を繰り返し、結論を導き出す