政府は12日、東日本大震災を受けて首相官邸で緊急災害、原子力災害の両対策本部を相次いで開いた。宮城県に続き岩手、福島両県にも調査団を派遣したほか、被害の実態把握を急ぐとともに、被災地で活動する自衛隊の態勢を2万人から5万人に増やすなど被災者の救出・救援活動に全力を挙げる方針を確認した
菅直人首相は午前6時すぎ、被災地視察のためヘリコプターで官邸を出発し、放射線漏れが確認された東京電力福島第1原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)を訪れ、関係者から状況を聞いた。その後、福島、宮城両県の太平洋沿岸部の被災状況を上空から見て回った。
10時45分ごろ官邸に戻った首相は、11時半ごろから地震発生から5回目の緊急災害対策本部を開き、「津波による被害が極めて甚大だ。この一日でどこまで救出作業が進むか、大変重要な一日だと感じている」と報告した。その上で、全閣僚に対し「国民の生命、生活、財産を守るのが私たちの使命なので、全力を尽くして頑張り抜いていただきたい」と、被災者の救助や福島第1原発の放射線漏れ対策などに万全を期すよう指示した。
午前8時半から開かれた4回目の緊急災害対策本部では、枝野幸男官房長官が「報告だけでも千人以上が命を落とされている。それを大幅に超える被害が生じている状況だ」と述べた。
防衛省によると、放射線漏れの際に除染作業などを行う専門部隊である陸上自衛隊「中央特殊武器防護隊」が12日午前、福島第1原発に到着した。第2原発には陸自のヘリコプターが電源用ケーブルなどの資材を空輸する作業を始めた。
米海軍は佐世保基地(長崎県)から輸送艦を三陸沖に派遣させることを日本側に打診した。陸自北部方面隊の人員約900人と車両約250両を輸送するよう自衛隊と調整している。