モーダルシフトの概要
モーダルシフト(Modal Shift)とは、環境負荷の低い輸送手段に転換することをいう。
モーダルシフトの内容
モーダルシフト(Modal Shift)とは、環境負荷の低い輸送手段に転換することをいう。
例えば、国内の貨物輸送について、一部のルートをCO2の排出量の多いトラックから、環境負荷が低く大量輸送機関である鉄道や船舶に切り替えることである。
現在の貨物輸送はトラックが主流となっているが、CO2の排出量による環境問題や交通渋滞問題、さらには少子高齢化による労働力不足の問題など、物流面において効率化を図ることが求められるようになってきた。
日本では1991年4月から旧運輸省(現在の国土省交通省)が、CO2の排出量や交通渋滞緩和のための重要な施策として推進している。
モーダルシフトにより、次のような効果が期待されている。
- CO2排出量の削減
- 交通渋滞の緩和&交通事故の減少
- 窒素酸化物(NOx)などの大気汚染物質排出量の削減
- 輸送効率の向上によるコストの削減
- 少子高齢化に向けた労働力の確保
国土交通省の説明によると、1tの貨物を1km運ぶ場合に排出されるCO2の排出量は、トラックの使用時と比較して鉄道では8分の1、海運は4分の 1とされている。貨物輸送の方法を転換することにより、鉄道では87%、海運ならば75%ものCO2排出量を削減することが可能となるようだ。
しかし、モーダルシフトの普及には問題もある。鉄道や船舶を利用するためには、駅や港などのターミナルが必要となる。個々の配送先に行くためには、 鉄道や船舶からトラックに荷物を積み替える必要がある。鉄道や船舶を利用する場合、運行時間に影響を受けてしまう。さらに、荷主である企業・鉄道事業者・ トラックを所有する運送業者などが連携しなければならない。
そこで、民間事業者と関係省庁との協働の場として、2010年3月に「モーダルシフト等推進官民協議会」が設置されている。
これまでは、「グリーン物流パートナーシップ会議」の普及事業を通じてモーダルシフトを促進してきた。しかし、荷主と物流事業者の連携をさらに強化し、鉄道や船舶の利用促進、将来のインフラ整備を実現するため、2009年12月に開催された「地球温暖化 ・エネルギー関係での経済産業省と国土交通省による合同ワーキングチーム」の検討により、グリーン物流パートナーシップ会議の下に、民間事業者と関係省庁との意見交換の場である「モーダルシフト等推進官民協議会」が設置された。
環境負荷低減策としてはモーダルシフトのほかに、大型化や共同化などによるトラック輸送の効率化、大型低公害車やスーパーエコシップ(※1)、スーパーレールカーゴ(Super Rail Cargo/※2)などの新技術の導入が進められている。
※1:有害物質の排出が少なく、広い貨物スペースを有する次世代国内貨物船のこと
※2:JR貨物M250系の愛称であり、モーターを貨物列車の前後に分散させて走行性能を高めた、世界初の特急コンテナ電車のこと