世界中で毎年1500万haあまり(北海道、九州、四国を合計した面積)の熱帯林 (ねったいりん)が減少 (げんしょう)しているといわれています。熱帯林が減少すると、遺伝子資源(いでんししげん)や木材資源がなくなるばかりでなく、二酸化炭素(にさんかたんそ)の吸収量 (きゅうしゅうりょう)も減 (へ)ってしまいます。また熱帯林は、地球上でもっとも多様 (たよう)な生物たちが生活する場所です。森林をなくしてしまうとそこにすむ野生生物や鳥類、昆虫などの生態系に影響をおよぼすことがわかりました。

地球の表面の約70%は海で、残りの約30%が陸地です。陸地の約30%が森林で、その面積はおよそ38億7000万ヘクタール(2000年現在)です。これは日本のおよそ100倍の広さです。

 しかし、世界の森はいまどんどん減(へ)っています。森林の面積は、1990年から2000年までの10年間に、およそ9400万ヘクタールも少なくなりました。日本全体のおよそ2.5倍の森林が10年間で消えてしまったことになります。森林面積の減り方が激(はげ)しい大陸は、アフリカ大陸と南アメリカ大陸で、そのほとんどは熱帯林(ねったいりん)です。とくに西アフリカ、熱帯の中央アメリカ、南アメリカ、東南アジアなどの熱帯林の減り方がはげしいのです。
 熱帯林が減っている原因(げんいん)は、森を切り開いて畑や牧場などの農地にしたり、木材を紙や建築(けんちく)に使うために、木を切ってしまったりしたからです。

 地球上の植物の量の半分が熱帯林にあるといわれていて、二酸化炭素(にさんかたんそ)をとじこめる働きをしています。また、まだ見つかっていない多くの生き物もすんでいるはずです。 熱帯林が減ることは、地球全体の気候にとっても、人間のくらしにとってもたいへん困(こま)ったことなのです。

●熱帯林(ねったいりん)
赤道を中心に広がる熱帯地方にある森林。地球上の生物のうち半分以上の種類が熱帯林にすむ。毎年、伐採(ばっさい)や焼け畑農業(のうぎょう)により日本の約3分の1にあたる面積の熱帯林が減っているといわれている。

●遺伝子資源(いでんししげん)
地球上のさまざまな生き物がそれぞれ違った性質をもっているのは、みなちがう遺伝子をもっているから。人間が利用するという目でみたとき、いろいろな遺伝子のあつまりは資源でもある。これを遺伝子資源(いでんししげん)とよぶ。さまざまな野菜や果物、薬が、遺伝子資源を利用してつくられている。まだ人間が利用していない遺伝子のなかにも、有用なものがたくさんあると考えられている。

●二酸化炭素の吸収量(にさんかたんそのきゅうしゅうりょう)
植物は栄養分を作り出すために、二酸化炭素を取り入れるはたらきをもつ。また、海も空気中の二酸化炭素を取りこむ役目をしている。二酸化炭素を取りこむ力がおとろえると、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)がもっと進んでしまう。
●二次林(にじりん)
人間が木をきったり、自然(しぜん)の火事や土砂崩(どしゃくず)れなどで森がなくなったあとに自然にできる森林、木材を利用するために木を植えている林は植林(しょくりん)という。

●天然林(てんねんりん)
人間が木を植えたりしたのではなく、自然に木がはえてできた森林。