1.はじめに
ウクライナ戦争は「プーチンの戦争」とマスコミ等で専門家が述べています。
しかし、ソ連解体からの経緯をみると、どの時点からを戦争の起点とするかによって、ちょっと見方が違ってきます。
実際のところネットでは、戦争の原因を次の3点があげられています。
①2013年~2014年のマイダン革命とする意見・・・ここが起点(原因)とするとウクライナ戦争は「バイデンの戦争」と言えなくもありません。
②ロシアの侵攻直前の2月当初からウクライナによるルガンスク人民共和国、ドネツク人民共和国への砲撃が多発し、とりわけ従来の30倍に及んだ2月16日からとする意見
・・・ここが起点になるとすると「ゼレンスキーの戦争」と言えそうです。
→尚、プーチンは、コソボ紛争時の国際司法裁判所の判決に基づき、2つの人民共和国との間での集団自衛権行使なので国連憲章に違反していない、と国連事務総長に述べています。下記の「コソボ紛争」に係る部分を参照してください。
③そして、もっとも多いのが2月24日からのロシアによる侵攻が原因とする意見
・・・ここを起点とすると「プーチンの戦争」と言えます。
2.ソ連解体からウクライナ戦争までの経緯
1991年12月 ソ連解体 ウクライナ独立
(1990年2月 ゴルバチョフ・ベイカー米国務長官会談「NATOは1インチも東方に行かない」)
1992年5月 クリミア議会・ウクライナからの独立決議→自治共和国へ
2004年 オレンジ革命(親露派大統領に対する反対デモ)
→次の選挙で親米派大統領が選出される
2010年 オレンジ革命は退潮→親露派・ヤヌコービッチ大統領が選出される
2013年 大統領 EUとの貿易協定調印を延期
※経済立て直し策をめぐり③のロシアとの関係を選択→EUとの交渉の休止
①EU→ロシアとの貿易制限を求める
②IМF→電力・ガス代金等の公共料金大幅値上げを求める
③ロシア→一体となったパートナーシップを提案
2013年11月~2月 親露派政府に対する反対運動激化
バイデン副大統領、ヌーランド(国務次官補)による暗躍
→50億ドル(約5000億円)拠出し反対派支援をヌーランド公言
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ここからがウクライナ戦争の原因があるとする説
(バイデンの戦争?)
2014年1月 マイダン革命(親露派大統領追放し親米派大統領へ)
・憲法規定に基づかない暴力的クーデターによる政変(70人犠牲)
・新政権→ロシア語の使用禁止、米国の多国籍企業参入
2014年2月 クリミアと東部で親米政権に対する反対闘争激化
2014年3月 クリミア住民投票でロシア併合へ
2014年5月12日 ルハンスク州、ドネツク州の独立宣言(ロシア語・ルーブル使用)
2014年6月 ウクライナ軍による東部独立地域への空爆はじまる
(ウクライナ軍兵士が東部独立軍への寝返り相次ぎ膠着状態)
→以後ウクライナによる攻撃は8年間余にわたり今日まで続く(15000人が犠牲)
→ロシア系住民への迫害・路上リンチ頻発(警察も容認)
→2独立共和国への電気、ガス、水道の停止、子供も登校不可、地下生活に。
路上リンチ
ロシア語を使用して路上リンチを受ける
■ネオナチの台頭・・・アーリア人こそウクライナ国民とする、ロシア人はアジア人であり排除の対象。
ネオナチ勢力は、議会、司法、行政、軍事、検察、警察の各機関を支配
ネオナチ組織
2014年9月 ミンスク合意(東部2地域の自治権付与と停戦合意)
2回目の合意(2015年2月)→国連安保理事会了承=国際法扱いに。
※ミンスク協議参加国=ウクライナ、ロシア、フランス、ドイツ
※当時のウ大統領「ミンスク合意は、ウ軍を強化する期間確保のために行った」と。
2019年4月 ゼレンスキーが大統領当選後の記者会見→ミンスク合意順守を否定
※ゼレンスキー・大統領選「ロシア人もウクライナ人も仲間、ミンスク合意順守」を公約
2021年 米国・バイデン大統領就任
ゼレンスキー大統領「ミンスク合意の不履行」・「NATOへの参加」を改めて表明
2021年3月25日 ゼ大統領「軍事安全保障戦略」発令
①「ロシアとの対決において、国際社会がウクライナへの政治的、経済的、軍事的支援を求める」
②「ウクライナのNATOへの完全加盟」明示
2021年9月 ゼ大統領「クリミアの再統合(奪還)」戦略実施の行動計画
※ミンスク合意破棄し、軍事力によってロシアと対抗する路線の明確化
2021年10月末 ドローンによるドネツク州の独立派の榴弾砲を爆破
2021年12月16日、国連総会
ロシアが共同提案「ナチズム、ネオナチズム、人種差別の非難決議」採択。
→米国とウクライナの2ケ国が反対、米国の同盟国49カ国棄権
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ここからが戦争の原因になっているとする説
(ゼレンスキーの戦争?)
2022年
2022年1月 ロシア「NATOの東方不拡大要求」→米国拒否
2月当初 ゼ大統領「東部2共和国地域に対する10万人の兵員・軍需品の集結命令」
2月10日~ ロシア・ベラルーシによるウクライナ国境での軍事演習
2月15日 ロシア議会 プーチンに両共和国の承認を求める決議【351:16】
→プーチン「(米ウに対して)ミンスク合意を守らせる」として独立承認保留
①ミンスク合意を守れ、②2共和国を攻撃するな、③非ナチ化せよ
→米・ウは無視、反応せず。
2月16日~ ウ軍、今までの約30倍に当たる砲弾で両共和国を攻撃
以下の砲弾数等告は「欧州安全保障協力機構」(欧米寄り組織)による
2月14日:停戦違反174回、爆発41回
2月15日:停戦違反153回、爆発76回
2月16日:停戦違反509件、爆発316件 ・・・ここを開戦日とする意見
2月17日:停戦違反870件、爆発654件
2月18日:停戦違反1,566回、爆発1,413回
2月21日 プーチン「独・仏に対して東部2共和国を承認する旨」通告
2月22日 ロシア、両共和国を独立国家として承認
ロシアと両共和国→「友好相互援助条約(軍事条約)」締結。
2月23日 ゼ大統領「(米国に)核兵器の持ち込み要請」
東部2共和国からロシアに軍事派遣要請
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ここからが戦争の原因になっているとする説
(プーチンの戦争?)
2月24日 ロシアの軍事侵攻 「集団的自衛権の行使」(プーチン)
プーチン 「ウクライナの非武装化(中立化)と非ナチ化」を要求
2月27日 ゼ大統領 「停戦交渉で中立化の合意は可能」と表明も協議不成立
※ウクライナは「大政翼賛政治・国家総動員体制」。左翼活動家の一斉逮捕、
独立TV10局を完全閉鎖。3万人以上の政治犯逮捕。15野党を非合法化
マスコミは1社のみ許可、男子18歳~60歳の徴兵制施行と出国禁止
3月9日 ゼ大統領「NATO加盟断念も」、「2つの共和国について妥協策を見出すことは可能」「プーチンと話し合いも」
→NATOからの武器援助決定に伴い、戦争継続が選択され停戦協議は進まず
4月26日 プーチン・グテーレツ国連事務総長会談
プーチン「コソボ紛争に係る国際司法裁判所判定を何度も読み込んだ」
(国際司法裁判所の決定内容に違反ないように手続きを踏んできた、との意)、
よって、「ウクライナ侵攻は国連憲章違反ではない」と主張
8月25日 国連・ロシア非難決議 193ケ国中51ケ国と3分の1に激減
(3月の非難決議賛成国は141ケ国)
3.コソボ紛争における国際司法裁判所判決とプーチン主張
(1).コソボ紛争
- 1998年~1999年にかけて行われたユーゴスラビア軍およびセルビア人勢力と、コソボの独立を求めるアルバニア人の武装組織コソボ解放軍との戦闘。・・・コソボのアルバニア人はセルビア人の中央集権政策に反対し、コソボ独立を宣言し承認を求める。
- 1999年3月24日~6月10日にかけて北大西洋条約機構(NATO)が「人道上」を理由として軍事介入。セルビア自治州のみならずユーゴスラビア本土全域を攻撃。攻撃78日間 述べ3万機以上の爆撃機による空爆が行われ民間人にも多数の死傷者が発生。
- ユーゴスラビア軍や民間施設に対して攻撃を受けたユーゴスラビアは、コソボの独立を認める。
- 2008年 コソボ共和国成立・・・国際社会も独立承認(日本も承認)。国連加盟はできていない。
(2).国際司法裁判所の判定
■.独立宣言について
裁判所解釈・・・属している国家の承認なくても、一方的に独立宣言することは国際法上禁じられていない
プーチン・・・「ウクライナの東部2共和国の独立も認められる」
■集団的自衛行使
裁判所解釈・・・攻撃を受けている国との間での集団自衛権行使は合法
プーチン・・・「ロシアは東部2共和国を承認し両国からの支援要請(集団自衛権)に基づく武力行使なので合法である」
■広範囲の領土攻撃について
裁判所解釈・・・コソボ地区のみならずユーゴスラビア国土全体についてのNATO軍の攻撃にいて「守ろうとしている国を攻撃している相手国を攻撃するのは、限定的であれ全域であり自衛権行使であり問題ない
プーチン・・・「東部の2共和国はウクライナ軍から8年も攻撃を受けている。ウクライナ全域への攻撃も問題ない」
■支配地域の確定範囲について
裁判所解釈・・・武力による国境の変更は不法だが、同一国内での独立による国境変更は国際法上問題はない
プーチン・・・「東部独立2地区による支配地域拡大のための国境変更であり問題ない」
4.参考資料(動画)
①ウクライナ戦争までの簡潔な解説(動画)
米軍退役大佐・リチャード・ブラック・・・・解説動画
(元米国陸軍国防総省刑事法部門長、元バージニア州上院議員)
②ウクライナ・オン・ファイアー・・・長編記録動画
オリバー・ストーン監修(2016年版)
③ゼ大統領・初めての記者会・・・・2019年10月11日
「我々がドンバスに戦争を仕掛けるのだ。軍の準備はできている。」
- ゼレンスキー・大統領選挙中の演説では・・・「ウクライナ東部やクリミアの人々はロシア語を話したい。法的にロシア語を話す権利を保障しましょう。言語で国が分断されるのはよくない。私はユダヤ教でロシア語話者でウクライナ市民だ。ロシア人とウクライナ人は兄弟。素敵なロシア人を沢山知っている。同じ色・血でお互いを理解できる」
- ※選挙中の演説内容と当選後の演説内容が真逆になっていることに留意。
④ 米国の武闘家の説明動画・・・・ウクライナの真実
⑤対談 東郷和彦(元外交官)×鳩山友紀夫



