昨日の朝、尊敬する経営者の講話を聴いた。

語り口は軽やかで笑いもあるのに、内容は深く、経営と人生の核心を突いていた。

特に心を奪われたのは、この方の “環境へのこだわり” だった。


結論として私は、強く思った。

「環境づくりとは、意思よりも雄弁に生き方を語る」 と。




理由は三つある。

一つ目は、スライドで映し出された工場とオフィスの姿だ。

鉄工所とは思えないほど美しく整えられた空間。

油の匂いが漂うどころか、清潔で温かく、まるでデザイン会社のようだった。

“ものづくり=無骨” という私の固定観念は一瞬で壊れた。

このギャップこそが、この経営者の哲学だった。

「こういうオフィスにしたかった」

その理想を言葉だけでなく、本当に形にした環境。

働く人が誇りを持てる場所を用意し、そこから成果を育てる姿勢が、空間から伝わってきた。


二つ目は、大きな仕事を失った時の話だ。

普通なら焦り、恐怖に飲まれる局面だ。

なのにこの方は揺るがなかった。

なぜか――技術があったからだ。

「他の仕事はいくらでもある」

その自信は日々の積み重ねが支える“環境力”だった。


三つ目は、コロナで息子さんが感染した時の出来事。

2ヶ月間、会社から離れ、看病に専念したという。

父としての不安、経営者としての不安。

その両方を抱えながら、ただ息子のそばにいた。

驚くべきは、2ヶ月後に会社へ戻ったとき、業績が上がっていたことだ。

普段から環境を整え、仕組みをつくり、人を育てていたからこそ成り立つ結果だった。


そしてさらに深い話が続いた。

「息子が会社に入ることはないと思っていた」

そう語っていたが、この出来事を経て、息子さんは自らの意思で入社を決めた。

家族で“生と死”を真剣に考えた時間が、人生の選択につながったのだ。

環境は人を動かし、時に家族の未来まで形づくる。



感想として、私は自分の環境を改めて見直した。

仲間、習慣、仕事の流れ、家庭との時間。

どれも意思だけでは守れない。

環境を整えてこそ、前に進む力が生まれる。

昨日見た鉄工所の美しいオフィスは、単なる空間ではなかった。

あれは経営者の“生き方の姿勢”そのものだった。


講話会を出て歩く道が、いつもより澄んで見えた。

心が動くと景色が変わる。

そんな朝だった。


今日もまた、小さな環境をひとつ整える。

未来は、今日の自分の行動からしか始まらない。


明日の私も、しっかり前へ。