昨日は昼過ぎまで順調だった。

いつもの現場もスムーズに終わり、今日は早めに帰れるかもしれない。


そんな淡い期待まで抱いていた。

ところが、物事はいつも予定通りとはいかないものだ。

そこで止まっているときほど、心の姿勢が見える。


現場を終えたタイミングで仲間から電話が入った。

「ちょっと困ってて…」と声のトーンが沈んでいる。

状況を聞けば、放っておけない類の相談だった。迷いはなかった。

こういうときに支え合える関係こそ、私が大事にしたいものだ。

予定がどうなるかは後回し。

仲間が困っているなら動く、それだけだ。


急いで現場に向かい、手を貸した。短い時間だったが、やるべきことをやり切ったと感じた。

相手の表情が少し晴れたのを確認して、私も胸をなでおろした。


ところが、その帰り道。

いつものルートに入った途端、車列がびくとも動かない。

まるで時間が止まったような渋滞。

早めに帰れると思ったあの予感は、きれいに裏切られた。こういう瞬間、人はついイライラしがちだ。

けれど、そこで何を考えるかで、その日の価値が決まる。


渋滞の中で思った。

「順調な時間より、予定通りにいかない時間のほうが学びが多い」と。


予定が狂う。時間が押す。帰りが遅くなる。

でも、仲間の力になれた。その一点だけで今日という日は十分価値がある。効率だけを追求すれば、余計な寄り道に見えるかもしれない。

だが、私は仲間に助けられて今の仕事が成り立っている。

ギバーズゲインの原点は、こういう瞬間にある。



コーチングの視点で自分に問いかけてみた。

「今日の選択は、5年後の自分に胸を張れるか?」

答えは迷わず“YES”だった。

仲間を助けたこと、渋滞の中でも冷静でいられたこと。

それは未来の自分にとっての資産になる。


渋滞を抜けたときにはすっかり日が暮れていた。

帰りは遅くなったけれど、心は晴れていた。

予想外の出来事に振り回されるのではなく、どう向き合うかを自分で選びたい。

そんな想いが、今日の長い夕方に静かに浮き上がった。


明日もまた、いい日にしよう