ポスティングを手伝い始めて、私は街の見え方が大きく変わった。
道も家も人の気配も、すべてが仕事にも人生にもヒントをくれる学びの現場だった。

 

この経験のスタートは、別の社長から紹介されたポスティング会社の社長との出会いだ。
「自分のチラシづくりにも役立つし、実際に配ってみると気づきが多いよ」と勧められ、軽い気持ちで現場に入った。

ところが、実際にポストへ一枚ずつ入れながら歩いていると、ただの作業ではなく街の息づかいと暮らしに触れる時間だとすぐに気づいた。

 

朝の静かな住宅街。
夕方の喧騒が残る商店街。
古くからの家が並ぶ通り。
新しい建売住宅のエリア。

歩くたびに、そこに住む人たちの生活が見えてくる。

 

玄関先が丁寧に整えられた家。
長く手が入っていない空気の家。
子どもの靴が無造作に置かれた家。
植木にこだわりを感じる家。

 

そこには、それぞれのストーリーがある。

 

 

そして驚いたのは、プロの動きの精度だ。
段取りの良さ、効率的なルート、無駄のない動。その全てが仕事として美しい。

 

私は遺品整理や不用品回収を通して暮らしの裏側を見る時間が多い。
しかし、ポスティングは暮らしの表側に触れる体験だった。
その違いが、また新しい視点をくれた。

 

 

松下幸之助の言葉が浮かぶ。
「学ぶとは、気づくこと。」


まさに、街を歩くこの時間が、そのまま学びになっている。

正直、こんなに楽しいとは思わなかった。
仕事を広げるために始めた行動が、自分の感性を磨く時間に変わっていく。
観察力も、想像力も、街への興味も、どんどん深まっていく。

 

遺品整理・不用品回収にも確実に活きる。
「この地域の方は、どんな困りごとを抱えているだろう」
「どんなサポートがあれば安心して暮らせるだろう」
そんな視点が自然と湧くようになった。

 

ポスティングは、単なる配布作業ではない。
人の暮らしを感じ、自分の仕事の本質を見直し、未来のヒントを拾い集める時間。
紹介してくれた社長にも、現場を任せてくださった社長にも感謝しかない。

 

今日もまた一つ、気づきが増えた。
明日の私は、今日より一歩成長している。