2011(平成23)年3月11日、あの瞬間から | エコノミライ研究所のブログ

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2015年2月16日に設立した任意団体です。
ありとあらゆる「ミライ」について考える団体ですが、主に
「E」lectric「V」iecle(電気自動車)を通じて
1、生活の未来
2、文化の未来
3、社会の未来
を探求して行きます。

9年の歳月が流れました。

 

 岩手県三陸沖で発生した地震により、

岩手県、宮城県、福島県をはじめ東日本の広大なエリアで甚大な被害が発生し、

高さ10m以上もの津波も発生した関係で、主に太平洋沿岸地域では、町全体が壊滅的損害を被った場所もありました。

 

そして、翌日の2011年3月12日、地球環境に壊滅的被害を及ぼしかねない重大な事故が発生。

 

東京電力福島第1原子力発電所1号機で水素爆発により大量の放射能が大気中に放出されたのを皮切りに、

 

同所3号機でも水素爆発、2号機では圧力隔壁破断事故、そして、4号機では燃料貯蔵プールでの火災事故が立て続けに生じ、

 

福島県では、原発設置自治体だけでなく、隣接自治体においても、全ての住民が安全圏へ避難しなければならない、という事態となりました。

 

 

 

「どこだ?どこで、オレ達は、間違ったんだ?」

 

 

昨年の有名ドラマで、主人公が呟(つぶや)いた台詞(せりふ)です。

 

楊田的に思い当たる一節を、以下、紹介します。

 

<国会議事録検索システムhttps://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=111815254X01919900626&current=881より所収>

 

・・・・・・・・・・以下、議事録・・・・・・・・・・

118-参-本会議-19号 平成2年6月26日
平成二年六月二十六日(火曜日)
   午後一時十一分開議
(前略)
○議長 本件に対し、討論の通告がございます。発言を許します。T君。
   〔T君登壇、拍手〕
○T君 私は、N党を代表して、ただいま議題になりました日F新原子力協定に関して反対討論をいたしたいと存じます。
 日F新原子力協定の最大の目的は、新たにラ・テクノロジー・サンシブル、いわゆる機微な技術に関する規定を導入することによってF国の再処理技術を導入することにあります。それにより、青森県に使用済み核燃料の大型再処理工場を建設し、大量のプルトニウムを抽出して、その本格的な利用を開始しようとするところにあります。しかし、政府や科学技術庁が推進してきたこの核燃料サイクルの構想は、既に世界的にも破産しております。
 O国、S国、I国、A国などを筆頭にして、かつての原発推進政策は根本的に転換され、今では世界の多数の国々が脱原発へ向けて確実な歩みを進めております。特に、使用済み核燃料の再処理によるプルトニウムの利用は安全性も経済性も全く成り立ち得ないこが明らかとなり、最先端を歩んでいた国々でさえ中止や方向転換を余儀なくされているのであります。
 最近、NG国では、バッカースドルフの使用済み核燃料再処理工場が経済性の不成立と周辺環境の放射能汚染の危険性を理由に建設中止となりました。E国のセラフィールド再処理工場に近い地域では、従業員の子供を初め白血病等が他の地域に比べて十倍にもなっていることは日本でも報道されているとおりであります。
 プルトニウムの平和利用として、世界で初めて高速増殖炉の研究開発に着手したA国では、クリンチリバーでの建設を既に一九八三年に中止しております。最近は、稼働していた小型の研究用の増殖炉をも停止することになりました。E国のSA政権さえも高速増殖炉の開発計画は中止することを一昨年決めております。NGはカルカールの実証用増殖炉の運転開始を無期限に延期いたしました。
 最近まで高速増殖炉の開発をがむしゃらに進めていたF国では、スーパーフェニックス—Iがナトリウム漏えい事故等で挫折し、西欧諸国の動向と相まって、国際協力によるスーパーフェニックス—IIの建設計画は破産してしまいました。危険性が余りにも大きい上に、建設費も再処理費を含めた発電コストも、軽水炉の何倍にもなることが判明したからであります。
 建設中の日本の増殖炉「もんじゅ」の建設費も、当初の見込みよりもはるかに高くなっております。さらに、実際に完成させ稼働してみると、「もんじゅ」の発電コストは軽水炉の三倍にとどまらなくなる可能性が大きいはずです。しかも、大型化すればもっと高くなる可能性すら大きいのです。それとも、この恐るべき危険性を持った増殖炉において経済性を成り立たせるために、安全性を犠牲にする形をとってでも無理やり大型原発の建設に猪突猛進しようというのでしょうか。
 スリーマイルアイランド原発も、チェルノブイリ原発も、福島第二原発三号機も、すべて百万キロワット級の大型炉であります。軽水炉や黒鉛炉どころではない、危険性のはるかに大きな高速増殖炉で、将来は大型の実証炉や営業炉をつくることを想定するなどということは常軌を逸していると言うほかはありません。そんな無謀なことはここできっぱりと中止し、高速増殖炉と再処理工場の建設計画は白紙に戻すのが本当ではありませんか。それこそが勇気ある決断というものではありませんか。
 高速増殖炉が世界的に破産したとなると、プルトニウムの平和目的の使い道はなくなります。そうすると、今の原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出すこと自体が無意味になります。若干のプルトニウムを使おうという新型転換炉も、実際には発電コストが非常に高くなります。同僚議員の求めによって先日国から提出された資料によりますと、青森県の大間に電源開発株式会社が建設を計画している新型転換炉の発電コストは、国の補助と民間の分担金を除いて計算してさえ、軽水炉の二倍近いものになっております。
 これに関連して、プルトニウムの単価はウランに比してどのように評価しているのか。一つには、東海再処理施設で精製されるプルトニウムについて、要した経費をすべて含めれば一体幾らになるのか。二つには、F国やE国から返還輸入されるプルトニウムについて、再処理費だけではなく、輸送や護衛などの経費も、また使用済み核燃料と高レベル放射性廃棄物等の輸送費も含めれば一体幾らに見積もられるのか。三つには、青森県に建設が計画されている再処理工場で精製されるプルトニウムについて幾らでできると想定しておられるのか、積算の根拠も含めて明らかにされなくてはなりません。ところが、再三の私たちの求めにもかかわらず、企業機密の名のもとにこれらのコストが明らかにされないのは極めて遺憾であります。国民の前に明らかにしようで
はありませんか。企業機密の名のもとにこれを明らかにしようとしないのは、決して許されることではありません。
 そもそも動力炉・核燃料開発事業団がフランスの技術を導入して東海村につくった再処理施設とは一体何だったのでしょうか。商業施設を設計、建設するための技術を確立することを目的としてつくられたパイロットプラントであったはずです。にもかかわらず、そこで確立された技術によって設計するかわりに、また改めてフランスの技術を新規に買って設計するのでは、この間に動燃事業団が修理や改善に悪戦苦闘してきたことは実質的には何の意味もなかったことになります。
 また、動燃事業団は、物品調達に当たって競争入札を避け、ことごとく随意契約によっており、しかも金額要件についても具体的な額を明示していないことなど、平成元年の特殊法人に関する調査結果報告書においても総務庁行政監察局から厳しく指摘され、改善を勧告されているところであります。原子力船「むつ」は、我が党のたび重なる忠告と提言にもかかわらず、何の意味もない実験のために浪費の上乗せを進めて、とうとう一千億円を超える国民の税金をむだ遣いしてしまいました。動燃事業団の再処理施設は、それよりもさらに大きな国費の浪費にはなっていないでしょうか。
 そればかりではありません。動燃事業団は高レベル放射性廃棄物や超ウラン元素を含む廃棄物を北海道の幌延に持ち込もうとしております。その計画は道知事選挙や道議会議員選挙や国会議員選挙においても明確に否定され、各種の世論調査によっても圧倒的な道民が反対をしており、Y知事もはっきり拒否しているにもかかわらず、国会での約束すらほごにするかのように推進のための許すべからざる工作をし続けているのであります。
 高レベル廃棄物については、再処理を最も先行して進めてきたフランスでも行き詰まりを見せております。東海事業所で生まれる廃棄物といい、F国やE国から返還される廃棄物といい、青森県で生まれる予定の廃棄物といい、一体、高レベル放射性廃棄物や超ウラン元素廃棄物を住民が納得できるような形で最終的に安全に処分できるような場所が日本のどこかにあるのでしょうか。総理の地元の愛知県にも、外務大臣の地元にも、通産大臣や科学技術庁長官の地元にも、これを受け入れることができるような適地は決してございますまい。
 使用済み核燃料は、遠くに運び被覆管を切り刻んで再処理することなど中止して、各発電所の敷地内で被覆管に密封したまま厳重に管理保管をするのが最善でありましょう。既に発生してしまっている放射性廃棄物も、外部に持ち出したり、人の管理から切り離して地下に埋設処分をしてしまうようなことなく、各発電所や東海事業所の敷地内で、発生者の責任においてきちんと管理保管していくのが当然でありましょう。
 プルトニウムは、現行の基準によっても……
○議長 T君、時間が超過いたしております。簡単に願います。
○T君 (続)人はたったの四千万分の一グラム、つまり目に見えないような一つの徴粉すら取り込んではならないという発がん作用の極めて強い猛毒物質であります。このような物質の大量生産と大量使用に依拠するような社会にしてしまってはなりません。プルトニウムについては、軍事利用も平和利用も今や……
○議長 T君、簡単に願います。
○T君 (続)世界的に否定される時代になっております。既に青森県民は、昨年の参議院選挙とことしの総選挙とにおいて、再処理工場を初めとした核燃料サイクル基地の建設を明確に拒否しております。日本がプルトニウムに依存する社会へ突入することは、青森県民のみならず全国民……
○議長 T君、簡単に願います。
○T君 (続)地球的規模において取り返しのつかない事態を招かずには済まないでしょう。
 日本が、かつての軍部のような猪突猛進の誤りを繰り返さないためには、英断をもって再処理工場などの建設計画を中止するとともに、原発とプルトニウム利用を推進するための日F国原子力協定も、この新たな立場から抜本的に見直す必要があることを指摘して、私の反対討論を終わります。(拍手)
○議長 これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
○議長 これより採決をいたします。
 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長 過半数と認めます。
 よって、本件は承認することに決しました。
     ─────・─────

・・・・・・・・・・以上、議事録・・・・・・・・・・
 
哀しいことに、会議体というものは、大概、本会議では「×ャン×ャン総会」となりますから、
委員会審議の段階で食い止められなかった段階で、大勢は決し、時すでに遅し。
野党の方々が出来る行動は、上掲のような、国会中継時における、不特定多数の国民への呼びかけで、精一杯なのでした。
 
補足となるか否か、責任は持てませんが、もう、今から30年ほど前の本会議となりますが、
 
偶然、テレビで見ていた国会中継が、上掲した会議の議事録と同じだとすれば、
 
議員さんの大半が起立しただけで、一瞬のうちに、国家予算約1千億円の支出が決定した瞬間
 
を、楊田は目撃していたのかもしれません。
 
 
2011年3月12日は、第五の国難だ、と楊田は認識しています。
 
大東亜戦争は、種々の原因により招かれた災厄だと思っていますが、ドラマ化もした故山崎豊子氏の作品でも指摘されているように、エネルギー問題解決のための試行錯誤の一環であった、とも思っています。
 
2011年3月12日をもって、電気エネルギー採取のための一手段とする、我が国の原子力エネルギー政策は致命的な失敗をしました。
 
失敗の予兆は、幾らでもありました。
 
・もんじゅナトリウム触媒漏洩事故
・東海村ウラン臨界事故
・関西電力圧力タービン爆発事故
等々。
 
ですので、
ニッポンの電気エネルギー生成問題に関しての課題は次のようになります。
 
・原子力発電所の解体・無害化
・再生可能エネルギー生成技術など、ポスト原発技術の開発・普及
・上記パラダシムシフトに伴う、雇用環境、教育環境、経済環境等の再構築
 
このような主張に対して、様々な批判を受けることは承知の上です。
例えば
 
・原発や化石エネルギー以外にベースロード電源となる存在はあるのか?
・今まで築き上げてきた社会システムが崩壊する可能性があるが、どのように再構成するのか?
・日本だけの問題ではない。貿易不均衡、防衛問題等、様々な国際問題に対処できるのか?
 
国家の在り方から見直す必要がある、という意見もあるかもしれません。
 
ただでさえ、2020年3月2日(月)より、第六の国難たる、新型ウィルス問題に対して、日本社会は闘っています。
 
課題山積。しかも、それらの多くが、未だ解決できていない課題ばかりです。
 
問題を先送りする姿勢があるからだ、とも思います。
 
諦めてはならないとも思いますが、
 
諦めずに頑張れるのは、一体、いつまで?と思っている方も、居られるかもしれません。
 
何となく、蔓延する、謂(いわ)れのない不安。
 
多少、肯定的に受け止めるとするならば、「ゆらぎ」ある心境。
 
「先の大戦に比べれば」と仰る方も居られるかもしれませんが
 
エコノミライ研究所所長楊田芳樹は表明します。
 
「何か或るモノ・コト」を諦めましょう。
そして
「何か或るモノ・コト」をはじめましょう。
 
此処までは、表明できますが、
 
「何か或るモノ・コト」とは何なのか。
 
その事柄について、今まで以上に考え、世間に公表し、実行できる「モノ・コト」を始めるべきだ、という想いをここに遺(のこ)し
 
東日本大震災から9年が経過した、「いま」の心境の言葉と替えさせて戴きます。
 
震災により、尊い命を奪われた方々のご冥福を改めて衷心よりお祈り申し上げます。
 
          エコノミライ研究所
           所長 楊田芳樹