米中間選挙の結果、上院では民主党が48議席、共和党が49議席と伯仲、未確定で残り3議席次第では民主党の逆転もある。下院では民主党191議席、共和党206議席と共和党が優勢。ただ35議席が未確定でどちらが勝つか予断を許さない(日本時間11月10日午後10時50分現在。中間選挙では2年間の政策実績評価が不利に働き大統領与党が苦戦するのが通例だが、今回はそうならなかった。理由の一つは人工妊娠中絶問題、共和党は中絶反対だが民主党は賛成、女性票が民主党に流れたこと。もう一つは共和党のトランプ前大統領への嫌悪感だ。トランプ氏は脱税や議会侵入事件など様々な問題を抱える。トランプ氏が共和党候補の応援に駆け付けなかったなら勝利した共和党候補者も少なくなかっただろう。

 心配されるのは2年後の大統領選挙だ。トランプ氏は11月15日に出馬表明を念頭に重大発表を行うという。80歳に達する高齢のバイデン大統領も来年の初頭には再出馬を表明する可能性がある。いずれの候補者も問題を抱えたうえ新鮮味が乏しい。バイデン対トランプの大統領選には辟易とするものがある。ケネディやオバマ(民主党)、レーガン(共和党)など米国政治と国際関係を変えた大統領の再来を米国に期待したい。その期待に応える候補者が大統領予備選のプロセスで誕生することに望みを託したい