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ArcaOS 5.0 と Silverware のお部屋

eComStation 2 日本語版や ArcaOS 5.0 英語版など IBM OS/2 界隈の今、シルバーのアンティーク、箱根火山の動向。興味があることを気ままに更新。
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宮崎日日新聞によれば、2017年10月11日早朝より、鹿児島県と宮崎県にまたがる霧島ジオパーク内にある新燃岳が6年ぶりに噴火し、主に宮崎県側で降灰が確認された(宮崎日日新聞)。

 

新燃岳が南九州にある霧島連峰の一角なのは知っていたけど、隣にどの辺に位置するのか細かいことは知らなかったし、ドローン映像を見たときどっちの向きから撮影したものか判断したいので、ひとまず場所を確認したい。


南九州にありまぁす(笑)。いやテーマに geopark を選んだ手前、霧島ジオパークの位置から。カルデラの破局噴火を描いた傑作SF「死都日本」の舞台。霧島ジオパークのほぼ中心に位置するのが霧島連峰。

地理院地図
で、霧島連峰のやや右下側にあるのが新燃岳(しんもえだけ)1421メートル。霧島連峰最高峰韓国岳(からくにだけ)と高千穂峰の中間に位置し、獅子がうずくまったような形の獅子戸岳と、山頂が平たい中岳の間にある、円錐台形の形をした山である。山頂にある火口の直径はおよそ800メートルなので、これを知れば噴煙の高さを計る目安になる(早川由紀夫教授のツイート)。

ちなみにこの辺で火山観測が行われているのは韓国岳の左右に位置するえびの高原(硫黄山)と新燃岳、そして高千穂峰の山頂(御鉢)。

さて 2017年10月3日に第139回火山噴火予知連絡会が開催されたので、いつもなら1週間以内に検討資料が公開されるはず。しかしいつまで経っても公開されないので、6月に開催された第138回資料「霧島山」から噴火前の状況を引用したい。

火口近傍の新燃岳北東観測点の傾斜計では、火山活動によると考えられる特段の変化は認められない。
GNSS 連続観測によると、新燃岳の北西数kmの地下深くにあると考えられるマグマだまりの膨張を示す地殻変動は、2015年1月頃から停滞している。また、新燃岳周辺の一部の基線では、2015年5月頃からわずかに伸びの傾向がみられていたが、2015年10月頃から停滞している。

霧島山(新燃岳)噴煙の状況(5月18日、韓国岳監視カメラによる)

噴煙は火口縁を越えるものは認められず、火口内で消散していた
西側斜面の割れ目付近で、時々、噴気が上がっていることを確認した

つまりマグマだまりを示す地殻変動はここ2年くらい顕著な動きはなく、地震活動が平穏な時でも、山頂には火口内で消えるわずかな噴気と西側斜面の割れ目付近で噴気が時々上がっていたということが分かる。つまり現行の観測体制では数か月先の新燃岳の噴火すら判断する手立てはない。

そして前回2011年の噴火の際、二酸化硫黄(火山ガス)の放出は増減を繰り返しながら1年半くらい続いたこと。また爆発的噴火の時に1万トン/日を超え、噴火継続時には時折平均 2000 トン/日前後の放出が何回かあったか【※1】。

 

ただ第139回噴火予知連絡会の開催前である、「9月23日頃から火山性地震が増加しており、火山性地震の振幅は次第に大きくなっていることから、小規模な噴火が発生するおそれがあると判断し、10月5日(期間外)に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制) 」に上げたのか(気象庁 | 平成29年9月の地震活動及び火山活動について)。この時点での警戒範囲は「火口から概ね1kmの範囲」。

 

これらを踏まえた上で、起きたことをまとめるとしよう。

 

◎10月11日水曜日

10月11日5時34分噴火開始。11時5分、噴火警戒レベルを3(入山規制)に。この時点での警戒範囲は「火口から概ね1kmの範囲」。

11日午前中の情報をまとめた気象庁報道発表資料によると、「猪子石の監視カメラでは、灰白色の噴煙が火口縁上300mまで上がり、本日12時現在も継続しています。また噴煙の量も次第に増加しています」「火山性微動は、 10月9日13 時以降時々発生し、10日22時過ぎから発生した連続的な火山性微動の振幅は、本日(11日)3時以降消長を繰り返し、大きくなっています」。9日15時12分頃火山性微動に伴う傾斜変動以降、新燃岳方向の隆起が継続しているとのこと。

 

 

 

そして11日15時にセスナ機で上空から観察した東大地震研「2017年10月11日霧島火山群新燃岳の噴火」によれば、火口内東縁付近(2011年噴火前からある噴気域)が活発。上昇する噴煙をもたらしているのは2つの火孔。また噴煙は強い西風を受けて、東側に降灰をもたらしているという。

また10月11日発表の防災科学研究所「SAR干渉解析による新燃岳火口内の地表変形(速報)」によると、今回噴火が発生した新燃岳火口内の東縁付近では10月6日以降膨張変動が生じ、それは噴火後も継続中であると。また火口内中心付近で生じていた沈降は、2017年7月以降加速しているとのこと。

 

 

 

◎10月12日木曜日

火山の状況に関する解説情報第14号(10月12日11時50分発表)によると、

新燃岳では、噴煙量が増加し、噴火活動が活発化しています。
火山性微動の振幅は本日(12日)07時頃から増大し、噴煙の勢いが増し、11時現在、灰白色の噴煙が火口縁上2000mで直上へ上がっています。
新燃岳周辺では、噴火に伴う鳴動が聞こえているとの情報がありました。
火山性微動の振幅は、10時頃からやや小さくなりましたが、依然、消長を繰り返しています。
噴火に伴う大きな噴石の飛散は確認されていません。
地殻変動観測では、新燃岳方向が隆起する傾斜変動が継続しています。

12日噴火のドローン動画はいくつか公開されているが、午前中に @EarthUncutTV James Reynolds 氏 が撮影された火口内すべてが映っている映像がとても分かりやすい。

 

 

 


火山の状況に関する解説情報 第15号(10月12日16時30分発表)によると、

新燃岳では、活発な噴火活動が続いています。
噴煙は、本日(12日)10時50分から12時過ぎにかけて火口縁上2000mまで上がりました。
火山性微動の振幅は、本日07時頃から増大し、13時頃からやや小さくなりましたが、依然、消長を繰り返しています。
本日11時頃から鹿児島地方気象台及び福岡管区気象台が新湯温泉付近で実施した現地調査では、新燃岳の西側斜面の割れ目付近と割れ目の下方では噴気の状態に特段の変化は認められませんでした。
地殻変動観測では、新燃岳方向が隆起する傾斜変動が継続しています。

なんか12日の噴煙は火山性微動の振幅と関係があったかのようだな。

なお先に紹介した東大地震研究所の資料によると、風が強かった11日とは異なり、12日は一時噴煙の勢いが強く高度も高まったために、降灰範囲が「やや北寄りに主軸が移るとともに,南~南西側山麓でも降灰が認められ,11日よりも堆積の範囲は広い」と説明(東大地震研「2017年10月11日霧島火山群新燃岳の噴火」)。

また10月12日に測量用航空機くにかぜⅢに搭載したSARを用いて新燃岳周辺の観測をしたところ、「今回の噴煙と対応する火口内東側に新たな凹地」とその東側に「反射強度の低い扇状の領域」がみられたとのこと(国土地理院「航空機SAR観測」)。

 

 

 

 

 

◎10月13日金曜日


火山の状況に関する解説情報 第16号(10月13日17時45分発表)によると、

噴煙は、本日(13日)0時から15時までの最高は火口縁上900mでした。
火山性微動は、依然、消長を繰り返しながら継続していますが、振幅はやや小さくなっています。16時以降は、天候不良により噴煙の状況は不明となりました。
本日、宮崎県の協力により実施した上空からの観測では、火口内の東側から白色噴煙が火口縁上500mまで上がり東へ流れていました。弾道を描いて飛散する大きな噴石は確認されませんでした。明らかに感じる程度の火山ガスの臭気が認められました。
昨日(12日)実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1日あたり1400トンで、前回(10月11日800トン)より増加しました。
地殻変動観測では、新燃岳方向が隆起する傾斜変動は停滞しています。
以上のことから、16時頃に連続噴火は停止したと思われますが、引き続き、新燃岳では活発な火山活動が続いています。

「16時頃に連続噴火は停止したと思われる」と発表し、勘違いのもとだと批判されたこの解説情報で初めて火山ガスに言及か。

気象庁が使う「白色噴煙」はどうにも紛らわしい。

 

 

あまりまとめきれてないけど、その2へつづく

 

【※1】2011年噴火時は火山ガスの常時観測体制がなかったのか。

「1503噴火推移モニタリングのための火山ガス観測装置の開発」にはこうあった。

2011年霧島新燃岳の噴火の際には、2月初めから後半にかけて、二酸化硫黄放出率の一桁近い減少が見られたが(Mori and Kato, 2013)、実はこの間、二酸化硫黄放出率測定は1度も行われていないため、どのタイミングにどのような過程で放出率が減少したかは推定に頼らざるをえない。この期間の減少をリアルタイムに捉えられていれば、噴火活動の推移をより明確に理解できたと考えられる。上記の2月初めから後半にかけての放出率データの欠損は、装置の故障などに起因するものではなく、観測者が現場で測定することができなかったことに起因している。噴火活動状況が大きく変化する時期に実質的にデータが取れていないことは、噴火活動推移を監視する上で大きな問題であり、解決すべき検討課題である。