木と人と、僕の一週間|エコロキアのこだわりライフ

木と人と、僕の一週間|エコロキアのこだわりライフ

エコロキアは「不便を楽しむ」をコンセプトに、無垢フローリングやウッドデッキ、レジンテーブルを通じて、手間ひまかける贅沢な時間を提供します。
モノづくりの楽しさや育てる喜びを感じながら、日常に本物の価値を加える体験をお届けします。
毎週月曜日 朝8時更新

今週も御所の「不便を楽しむ里」では、レジンテーブル制作体験。

カエデの大きな一枚板にブルーのレジンを流し込んだり、別の作品では海をイメージした波を作ったり。

 

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レジンテーブルは完成したものだけを見ると華やかですが、制作している時間のほとんどは地味な作業です。

木を削って、掃除して、型を作って、レジンを計量して、混ぜて、流して。

そして流したら、今度は固まるまで待つ。

失敗すれば、また削ってやり直すこともあります。

 

そんな制作体験の合間に、

「ちょっと川、行きません?」

ということになりました。

手には、この場所で初めて収穫できたスイカ。

仕事なのか、遊びなのか。

最近、この場所にいるとその境目がだんだん分からなくなってきました。

でも、それが結構気に入っています。

 

レジンを流したら、しばらく何もできません

 

レジンテーブル制作には、どうしても「待つ時間」があります。

僕たちの普段の仕事なら、効率を考えて次の作業、その次の作業と段取りを組みます。

でもレジンは、こちらの都合には合わせてくれません。

硬化するまで待つしかない。

急いだからといって早く固まるわけでもありませんし、むしろ焦って触れば失敗することもあります。

この日は大きなカエデにブルーのレジンを流しました。

カエデらしい縮杢が入った面白い材で、レジンを流した瞬間から木の表情がガラッと変わります。

 

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ここから研磨して、塗装して、完成する頃にはまた全然違う表情になるはずです。

レジンテーブルを作っていると、完成を急ぎたくなる気持ちと何度も戦います。

でも、待たなければならない。

だったら、その待ち時間も楽しめばいい。

「不便を楽しむ里」でレジンテーブルを作るというのは、案外この場所に合っているのかもしれません。

 

初めて採れたスイカ

 

そして今週、ちょっと嬉しい出来事がありました。

「不便を楽しむ里」で初めてスイカが収穫できました。

 

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立派な農業をやっているわけではありません。

僕自身、農業についてはまだまだ分からないことだらけ。

家庭菜園から始めて、柿畑もやってみよう、養蜂もやってみようと、やりたいことばかりが増えています。

肝心の古民家だって、まだ直さなければならないところがたくさんあります。

そんな状態なので、スイカひとつ収穫できただけでも結構嬉しいものです。

スーパーへ行けば、もっと立派で甘いスイカはいくらでも売っています。

たぶん、そちらを買った方が早いし、安いし、美味しい。

でも、自分たちが過ごしている場所で育ったスイカとなると、ちょっと意味が違います。

せっかくだから、みんなで食べよう。

どうせなら、近くの川へ持って行こう。

そういう話になりました。

 

足を水につけただけで別世界でした

 

「不便を楽しむ里」から少し行ったところに、気持ちのいい河原があります。

山の中を流れる水は驚くほど冷たい。

靴を脱いで川に入り、足を水につける。

それだけです。

それだけなのですが、暑さが一気に消えていきます。

レジンを流していたアトリエから、ほんの少し移動しただけなのに別世界。

 

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川の音がして、木漏れ日があって、足元を冷たい水が流れていく。

誰かが用意してくれたアクティビティでもなければ、入場料が必要な場所でもありません。

ただ川に入っているだけ。

最近は、こういう時間がすごく贅沢に感じます。

何か特別なことをしなくてもいいんですよね。

大人になると「遊びに行く」となると、どこへ行く、何を食べる、何を見る、と予定を作りたくなります。

でも子どもの頃なんて、川があれば入ったし、木があれば登ったし、そこにあるもので勝手に遊んでいました。

不便を楽しむ里でやりたいことも、案外そういうことなのかもしれません。

 

肝心のスイカの味はというと

 

川で冷やしたスイカを切って、みんなで食べました。

肝心のお味は……

市販のスイカより、甘さはかなり控えめ。

 

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ここは格好をつけずに書いておきます。

「自分たちで育てたから最高に甘かった!」

と書ければ話としてはきれいですが、そこまで甘くありませんでした。

でも不思議なもので、美味しかったんですよね。

川に足をつけながら、自分たちのところで採れたスイカをみんなで食べる。

その状況まで含めると、十分美味しい。

来年はもっと甘く育てたいですし、

「何が悪かったんやろ?」

と調べるところから、また楽しみが増えます。

失敗したら次はどうするか考える。

木の仕事も、レジンテーブルも、畑も結局は同じです。

最初から何でも上手にできたら、その方がつまらないのかもしれません。

 

まだまだ、やってみたいことがあります

 

今の「不便を楽しむ里」は、完成には程遠い状態です。

古民家もまだ手を入れたいところがありますし、畑もあります。

ピザ窯も作りたい。

ウッドデッキも作りたい。

養蜂もやってみたい。

柿もちゃんと育てたい。

もちろん本業がありますから、全部が思い通りのスピードで進むわけではありません。

むしろ全然進まないことの方が多いです。

それでも少しずつ手を入れていると、以前は何もなかった場所に人が集まり始めます。

レジンテーブル制作体験に来てくれた方が、そのまま一緒にご飯を食べたり、畑を見たり、川へ行ったり。

最初は「お客様」だった人たちとの関係が、少しずつ変わっていくのが面白いです。

僕がこの場所で一番作りたいものは、古民家でも畑でもウッドデッキでもないのかもしれません。

こういう時間なのかな、と最近思います。

 

今回来られなかったみんなにも

 

今回、都合が合わず来られなかった人もいます。

だから次に来てもらったときには、また何か面白いことをしたいと思っています。

別に大掛かりなイベントじゃなくてもいい。

畑で何かを収穫する。

川へ行く。

みんなでご飯を作る。

木を削る。

壁を塗る。

ピザ窯が完成したら、今度はみんなでピザを焼く。

養蜂ができるようになったら、自分たちで採った蜂蜜を食べる。

便利な施設なら、最初から全部用意されているのでしょう。

ここには、まだありません。

だから自分たちで作れます。

完成していないから、次に来たときには何かが変わっている。

その変化にも一緒に関わってもらえたらと思っています。

 

テーブルを作るだけでは終わらない場所に

 

この日の目的は、あくまでレジンテーブル制作体験でした。

ちゃんとレジンも流しています。

仕事もしています。

でも振り返ってみると、一番記憶に残っているのは、みんなで川に入ってスイカを食べた時間だったりします。

それでいいと思っています。

レジンテーブルも無垢フローリングもウッドデッキも、僕にとって木は仕事です。

でも木を扱う仕事を続けてきた先に、こんな場所ができて、そこで知り合った人たちと川へ行って、自分たちで育てた少し甘さの足りないスイカを食べている。

こういう展開は、以前の僕には想像できませんでした。

次にここへ来る頃には、何が増えているのでしょう。

たぶん僕自身にも分かりません。

まだまだ未完成です。

でも完成していない今の方が、案外面白いのかもしれません。

来週もまた、木を触りながら何かを作っていると思います。

ここ最近、ありがたいことに古くなって傷ついた無垢フローリングを研磨、再生する「ムクリペ」の現場が続いています。
この自分自身のアメブロの7月の過去記事を見てもほぼそればかり。

 

 

 

 

 

 

 

 

朝起きて、事務所へ向かう。

道具を車に積み込んで現場へ行き、一日中床を研磨して再生する。

夕方、事務所へ戻って道具を降ろし、翌日の準備。

家へ帰って夕食を食べ、お風呂に入って寝る。

 

気が付けば、そんな毎日の繰り返しでした。

仕事があることは本当にありがたいです。

でも正直、体力的にはかなり消耗しています。

休日?は御所のアトリエでレジンテーブル制作体験でなかなかどこかへ遊びに行こうという気力はなかなか残りません。

そんな一週間でした。

 

暑さとの戦い

 

この時期の床の研磨は、本当に過酷です。

エアコンは止めなければいけませんし、空調服も粉塵を吸い込んでしまうため使えません。

気温以上に、体感温度はもっと高く感じます。

汗が止まらず、何時間も研磨機を押し続ける。

「今日はさすがにしんどいな。」

そんな日もあります。

でも、研磨が終わって木が本来の表情を取り戻していく瞬間を見ると、不思議と疲れも少しだけ忘れます。

木は手を掛けた分だけ応えてくれる。

だから、この仕事を続けているのだと思います。

 

久しぶりに仕事を忘れた夜

 

そんな毎日の中、昨夜は友人に誘っていただき、芦屋の花火大会へ行ってきました。

場所は深江駅前にある「Page One」。

神戸が生んだ伝説のロックバンド「妻三郎」のリーダーであり、偉大なベーシスト・岡部卓さんのお店です。

 

 

屋上から見る花火は、とてもきれいでした。

 

 

考えてみると、ゆっくり花火を眺めたのは何年ぶりでしょう。

いつもなら仕事のことや翌日の段取りを考えている時間ですが、その時だけは何も考えずに夜空を見上げていました。

こういう時間も必要なんだなと、改めて感じました。

 

誘ってもらえることが嬉しい

 

花火そのものももちろん良かったのですが、それ以上に嬉しかったのは「一緒に行こう」と声を掛けてもらえたことでした。

忙しくしていると、どうしても仕事だけの毎日になってしまいます。

だからこそ、こうして友人が気に掛けて誘ってくれることが本当にありがたいです。

仕事だけでは人生は少し味気ない。

人との時間があるから、また仕事も頑張れるのだと思います。

 

バーのお誘いは泣く泣く辞退

 

花火大会が終わった後は、

「このあと、いともの行きつけのバーへ行こう。」

という話になりました。

正直、行きたかったです。

でも翌日も現場。

朝から研磨作業が待っています。

少し迷いましたが、「今日は帰ります」とお断りしました。

帰り道は、

「ちょっとひよったかな。」

なんて思っていました。

 

翌朝の答え合わせ

 

そして翌朝。

目覚めた瞬間

「あぁ、昨日帰って正解だった。」

そう思いました。

若い頃なら、そのままバーへ行って、寝不足でも現場へ行っていたと思います。

でも今は違います。

無理をして翌日の仕事に影響を出すより、しっかり休んで良い仕事をする方が、自分には合っています。

年齢を重ねたからこその選択なのかもしれません。

少し寂しい気もしますが、それも悪くありません。

 

一段落したら

 

現場はまだ続きます。

しばらくは朝から夕方まで、床と向き合う毎日です。

でも、その先には少しだけ楽しみがあります。

仕事が一段落したら、またみんなでゆっくり飲みに行こう。

そんな約束があるだけで、もう少し頑張れそうな気がします。

仕事は大切です。

でも、友人と笑いながら過ごす時間も同じくらい大切です。

そのバランスを、最近少しずつ覚えてきました。

 

また来週も

 

忙しい一週間の中で、花火を見上げたほんの数時間。

 

 

その時間のおかげで、少し気持ちが軽くなりました。

また明日から現場です。

木と向き合い、人と向き合い、一枚一枚の床を丁寧に仕上げていこうと思います。

そしてまた少し余裕ができたら、今度は時間を気にせず、みんなとゆっくり乾杯したいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここ数週間、ムクリペの現場が続いています。

毎日、床を研磨して、塗装して、また次の現場へ。

 

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この時期の研磨作業は、正直かなり過酷です。

エアコンは切らなければいけません。現場によっては窓も開けられず、空調服を着ると、粉塵まで吸い込んでしまうので使えません。

汗は止まりませんし、体力もどんどん奪われます。

「今日は本当にきついな。」

そう思う日もあります。

 

僕がいない時の出来事

 

そんな中、とても嬉しい話を聞きました。

僕が現場を離れていた時、お施主様が職人さんに、

「暑い中、本当にありがとうございます。」

と声を掛けてくださったそうです。

すると職人さんは、

 

「この仕事をさせてもらえてありがたいです。この仕事は尊いです。」

 

と答えたそうです。

後からその話を聞いた時、思わず胸が熱くなりました。

 

誇れる仲間がいる

 

仕事なので、大変なのは当たり前です。暑い日もありますし、寒い日もあります。思うように進まない現場もあります。

それでも、「ありがたい仕事です」と自然に言える。

そんな仲間と一緒に仕事ができていることが、本当に嬉しく思いました。

 

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技術があることももちろん大切です。

でも、それ以上に仕事に向き合う姿勢が、お客様に伝わるのだと改めて感じました。

 

お施主様がInstagramに

 

さらに嬉しかったのは、その出来事をお施主様がInstagramに投稿してくださったことです。

 

無垢床の研磨と塗装、職人の誇り

 

施工の写真だけではなく、その時の会話や現場の空気まで書いてくださいました。

完成した床だけを見れば、「きれいになったね」で終わるかもしれません。でも、その床がどんな思いで作られているのか。

そこまで感じていただけたことが、本当に嬉しかったです。

僕たちの仕事は、床を削ることではありません。その家で、また安心して暮らせる時間を作ること。その思いを受け取っていただけたような気がしました。

 

暑さは変わらないけれど

 

もちろん、明日も暑いと思います。

エアコンは止めて、汗だくになりながら研磨機を押します。

きっと大変です。

でも、こういう言葉をいただけると、不思議と「また頑張ろう」と思えます。

 

仕事は一人ではできません。

一緒に現場へ入る職人さん。

応援してくださるお客様。

そして完成を楽しみに待ってくださる方。

 

いろいろな人に支えられていることを実感した一週間でした。

 

また一枚ずつ、丁寧に

 

ムクリペの現場は、まだまだ続きます。

一枚一枚の床に向き合いながら、また次の現場へ向かいます。

今回、お施主様からいただいた温かい言葉は、きっと職人さんだけでなく、僕にとっても忘れられない励ましになりました。

本当にありがとうございました。

今週は、兵庫と京都、そして奈良を行き来しながら、ムクリペの施工と現地調査が続いた一週間でした。

慌ただしく走り回る毎日でしたが、振り返ってみると、僕の心に残っているのは床の仕上がりよりも「人」だったように思います。

 

床を削るだけではない仕事

 

週の始まりは川西市での施工から始まり、その後は垂水区の分譲マンション、そして京都市内のマンションへ。

犬が滑ってしまうというご相談を受けた栗の無垢フローリングを研磨し、水性ノンスリップウレタンで仕上げました。

 

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工事が終わったあと、お施主様から一つの動画が届きました。

以前は慎重に歩いていたワンちゃんが、新しく生まれ変わった床を元気よく走り回っている動画です。

「この仕事をしていて良かった。」

そう思える瞬間でした。

床は綺麗になることが目的ではありません。

その上で暮らす人や家族、そしてペットが安心して過ごせること。

それが僕たちの仕事なのだと、改めて感じました。

 

仲間が育つことが一番嬉しい

 

京都での施工は、以前なら一人で抱え込んでいたような仕事でした。

でも今回は、信頼できる仲間たちがほとんどの工程を進めてくれました。僕は確認や細かな調整をする程度。

現場を重ねるたびに技術が上がり、安心して任せられる場面が増えていきます。

 

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一緒に写った二人だけではありません。

レジンテーブル制作体験を通じて出会った人たち、御所で一緒に汗を流す人たち、それぞれが今では大切な仲間です。

 

仕事をする人。

畑を耕す人。

食事を楽しむ人。

 

みんな関わり方は違います。

でも、不思議なくらい心地よい距離感でつながっています。会社の財産とは、設備や売上だけではないのだと思います。

「この人たちと、また何か面白いことをやりたい。」

そう思える仲間がいること。

それが一番の財産です。

 

現調が続く理由

 

今週は施工だけでなく、ホテル、マンション、一戸建てと現地調査も続きました。

ホテルでは家具による傷。

 

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マンションでは劣化した突板のキッチン天板やヒノキ材。

一戸建てではブラックウォルナットの無垢フローリングとウッドデッキ。

そして神戸では新たなご依頼もその場で決まりました。

 

「張り替えるしかないと思っていました。」

 

そんな言葉を聞く機会が本当に増えています。

木を知っているからこそ、「まだこの床は使えます」と自信を持って伝えられる。

その積み重ねが、少しずつムクリペを知っていただくことにつながっているように感じます。

 

御所で過ごす静かな時間

 

二週間ぶりに御所へ行くことができました。

レジンテーブル制作体験では、作品にクリアレジンを流し込む工程。

 

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今後の協業についての打ち合わせも少しだけ。

午後は畑で野菜を収穫し、一緒に昼食を食べ、最後は湧き水を汲みに行きました。

 

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特別なことは何もありません。

でも、こういう何気ない時間があるから、また来週も頑張ろうと思えます。都会では効率ばかりを考えてしまいますが、御所では少しだけ時間の流れが違います。

人と話し、土に触れ、水を汲み、季節を感じる。

そんな時間が、忙しい毎日のバランスを整えてくれています。

 

また来週へ

 

今週も気が付けば、床を削り、車を走らせ、多くの人と会った一週間でした。

でも振り返ると、一番印象に残っているのは、綺麗になった床ではなく、その床を見て喜んでくださるお客様の笑顔や、一緒に現場をつくってくれる仲間たちの存在です。

人とのご縁は、思い通りにはできません。

だからこそ、大切に育てていきたい。

そんなことを改めて感じた一週間でした。

来週もまた、新しい床と、新しい出会いを楽しみに頑張ります。

 

艶を引き算する仕事

 

先週はムクリペの現場が続いた一週間でした。

ひとつは、ツヤツヤのウレタン塗装が施されたフローリングを、落ち着いたマットな質感へと仕上げ直す仕事。

 

 

一般的には「もっと艶を出したい」というご相談が多いのですが、今回はその逆です。

 

 

最近は住宅や店舗でも、自然素材らしい落ち着いた雰囲気を求める方が増えています。光沢が強い床は高級感がある一方で、照明の映り込みや生活感とのバランスが気になることもあります。

 

 

そこで既存の塗膜を丁寧に研磨し、艶を抑えた自然な仕上がりへ。

派手さはありませんが、木目が穏やかに浮かび上がり、空間全体がやさしい表情になりました。

木は艶を足すことだけが美しさではありません。

 

 

引き算をすることで、本来の魅力が見えてくることもあります。

 

 

介護老人福祉施設の食堂をムクリペ

 

もうひとつは、ポートアイランドにある介護老人福祉施設の食堂のフローリング再生工事でした。

毎日多くの方が利用する場所なので、床には長年の歩行による傷や汚れが積み重なっています。

 

 

 

現場を確認すると、無垢フローリングではなく突板フローリングでした。表面のUVウレタン塗装は想像以上に硬く、当初予定していた水性ウレタン塗装では密着に不安がありました。

 

 

そのため足付けのための研磨を慎重に行い、塗料の密着性を高め、最終的な仕上げに樹脂ワックス仕上げうを選択し、安全性や耐久性も考えながら施工を進めました。

 

 

図面や仕様書だけでは分からないことは、現場にはたくさんあります。

だからこそ経験が生きる仕事なのだと改めて感じました。

 

 

 

 

木は一つとして同じものがない

 

無垢フローリングも、複合フローリングも、使われている塗料も、傷の入り方も、それぞれ違います。

だから「この方法なら必ず大丈夫」という正解はありません。

毎回床の状態を見て、木の声を聞くような気持ちで判断しています。

効率だけを考えれば、すべて同じ施工方法にした方が早いのかもしれません。

それでも、その床に合った方法を選ぶ方が、結果的に長く美しく使っていただけます。

 

 

今週もまた木と向き合います

 

床は毎日踏まれる存在です。

だから普段はあまり意識されません。

でも空間の印象は、実は床で大きく変わります。

新しく張り替えなくても、美しく生まれ変われる床はたくさんあります。

木を知り、施工し、そして再生する。

そんな仕事に携われることをありがたく思いながら、今週もまた一枚一枚の床と向き合っていきます。