JRに乗っていた時の出来ごとです。電車が急停車し、しばらくするとアナウンスが入りました。

「車体にひっかかったビニールを除去するため、電車が停止しております。ご迷惑をお掛けしますがしばらくお待ちください」


乗客が電話を始め、聞こえてきた声:

「JRが人身事故で遅れてる」

「車両故障で電車が止まっちゃった」

「もう、JRばっかり遅れる~」


JRの他にも2路線が平行に運行する地域で、同じくらいの頻度で電車が止まるらしいものの、なぜかJRが一番事故が多いというイメージが付着しています。それにしても、誰もアナウンスの内容なんて聞いてないみたいですね・・・


飛行機であれば、出発機が多く駐機時間が長い時、または反対に空港に到着したものの、ターミナルのスポットに空きがないため滑走路横に停止した場合等、10分に一度はアナウンスを入れて状況をお知らせするように、と米系航空会社にいたときに学びました。

実態は少し異なり、お客様を機内にご案内したものの航空機の修理が終わらず空港で待つこと3時間叫びとなると、10分に一度とはいきません。 「繰り返すな!うるさ~いむかっ」と感情を逆なでることになりかねない。


日本人のお客様にはとにかく「気持ちを伝える」ことが大切で、内容よりも、お伝えしているというイメージが大切と言われます。外国人は、内容のないアナウンスを続けたものなら、「なぜ繰り返す!!!」とおしかりの声もありえます。だから、外国人クルーはいつもと違う、異常事態のアナウンスを頻繁にはおこないません。一度状況を伝え、その後変化があればもう一度アナウンスを行う、というスタンスです。英語のアナウンスを日本語にするのが外資系航空会社の日本人クルーに求められている仕事の一つですが、実際には日本語と英語のアナウンスのタイミングは異なって当然だったりします。


日本の会社ではアナウンスの一字一句が決められているのに対し、外資系では日本語アナウンスは各自が作成してその場で行っている会社も多々あります。サービスを平均化させるにはマニュアルがあると便利ですが、Meisaの友人たちはマニュアルが無かった分、臨機応変にアナウンスを入れることが得意です。同期の一人は欧州航空会社に転職したところ、緊急時のアナウンスがうますぎて先輩に驚かれたことに驚いた人がいますニコニコ実力ですね。


それにしても、一度ついたイメージをぬぐうのは大変な努力が必要なようで、イメージ戦略に長けた会社はとっても強いとMeisaは思います。


Meisaゆきだるま