世界のメガキャリアと呼ばれる大手航空会社は世界中にベース空港を持っています。

アジアに中継地点となるベースを置くことは欧州および米国の航空会社にとって当たり前になってもいます。


ある、米国航空会社に勤務するアメリカ人パイロットのお話。


彼はフィリピンに拠点を置いていましたが、病気になり退職を勧告されました。噂によるとエイズだったらしく、とはいえその後職場復帰しているのを見るからには、病名は噂に過ぎないのかもしれない。少年と暮らしている、というような、マイケルジャクソンみたいな噂もありました。


とにかく彼は職場復帰をします。航空会社は早く入ったものが絶対的に有利なシステムが整っていて、これをセニョリティーシステムと英語では言いますが、他と比べ随分先輩だった彼も、一度退職したことで、セニョリティーが低くなったからさあ大変。何が支障をきたすって、古い者順に、毎月の乗務する便を選べたり、しいてはベース地を選んだりするから、あまり自由が利かなくなった。元はフィリピンで最もシニアだった彼です。


「俺様を何だと思ってるんだ!!!」と苦々しい思いに陥った彼が、腹いせに考えたこと:


1. 機内に乗り込む時には普通のパイロットの制服を着ています。コックピットに入るとジャケット、ネクタイ、ワイシャツを脱ぎ、Tシャツに着替える。Tシャツは彼オリジナルのお手製で、白いTシャツにマジックでネクタイ(パイロットの制服は黒が多い)と、肩に黄色い4本線(キャプテンは通常4本)を書いたものに着替える。


2. 操縦席に座っている間は常時、酸素マスクを着用する。2人乗務機材のパイロットは、1人がお手洗いに行く為にコックピットを出たら、残された者が必ず酸素マスクを着用して万一に備えます。彼は3人乗務の747型機担当だったので、マスクの必要は確かになかった。


噂では聞いていた話だけど、実際に2階席にあるコックピットに食事の世話やらなんやらで入室した際に、酸素マスクをつけて、なーんちゃってTシャツを着たパイロットが目に飛び込んで来た瞬間の驚きと言ったらなんとやら・・・自分のリアクションがどうだったかも、全く覚えておりません。


Meisa ハロウィーン