地球温暖化と原子力発電ー2 | エコロじいさんブログ

地球温暖化と原子力発電ー2

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A.原子力発電問題であちゅさん、Kさん、gege さん、さとさんをはじめ、たくさんのご意見をいただきました。温暖化対策にむけて日本の電力はどーすればいいの?
Q.こうしている間にも温暖化は進んでいる。
みんなで、一刻も早く、しっかり論議して日本の進むべき方向を決めなければならない。


電力を作り出すためには、大きく分けて4つの方法があるんだね。
火力発電、原子力発電、水力発電、そして風力、太陽光発電、地熱などを使ったエコ発電だ。

日本における発電の内訳をみてみると、火力発電57.4パーセント、原子力発電31.2 、水力発電9パーセント、その他、つまりエコ発電、風力や太陽電池、地熱などの合計はわずか2.4パーセントだ。2.4パーセントという数字は少ないようだけど、世界の電力に占めるエコ発電の割合は0.015パーセントだから日本は多い方なんだね。


火力発電は重油や天然ガスを燃やすから二酸化炭素が出て温暖化のおおきな原因になってしまうことはみんなもよく知っていることだ。水力発電はダム建設をするので森林や河川など、自然環境を破壊してしまう。二酸化炭素排出を抑えて大量の電力を生産するには原発が効率がいいけれど、なんと言ってもまだまだ安全性に問題がある。それならば太陽電池や風力発電などエコ発電にしたら良いと思うけど、原子力発電とおなじ電力を生産するにはコスト、つまりお金が4倍かかってしまう上に、天候によって発電力が左右されてしまうから、あまり安定効率が良いとはいえないんだね。

日本で原発で供給される電力は31.2パーセント、全体の約3割というわけだね。
世界の原発の総数が約430基と言われている。
日本では現在52基が稼働中で、アメリカ、フランスにつづいて原発の数は第3位だ。
もう立派な原子力大国と言っても良いだろうね。

いま、新たな電力用原子炉の建造が計画されている国のベスト5をみてみると、
アメリカ33基、中国22基、アフリカ13基、日本11基、ロシア10基。
ヨーロッパはまだまだ安全性が不確実でリスクの大きい原発を縮小していこうという意見が強く、
原発の増設計画はゼロだ。しかし、二酸化炭素排出量を減らす京都議定書の目標値は達しつつある。
ヨーロッパでは環境税のような二酸化炭素排出税が導入されたり、カーボンオフセットなど、一般の人や会社からお金を集める仕組みもいろいろあるんだ。
やはり一般の人々の意識が高いからできることなんだろうけどね。

そこで、これからの日本はどうすればいいのだろうか。
温暖化もイヤ、生活を下げる節電もイヤ、原発もイヤ、お金を出すのもイヤ、というわけにはいかないからね。そろそろみんなでしっかりと論議して日本の進むべき方向を決めなければならない。

いま、考えられる選択肢はつぎの4つだろう。
1.温暖化はどうでもいい、いまの生活を続けるだけ。
2.温暖化もこまるけれど、生活レベルを下げたくない。
  今までとおなじ電力消費を続けたいのでリスクを覚悟して原発を増設する。
3.ヨーロッパのように太陽光発電や風力発電所を増設して、個人も社会も徹底的に節電に心がける。お金  がかかってしまうので、自分たちの多少の負担(たとえば環境税など)はやむを得ない。
5.個々の家庭や建物にソーラーパネルを設置したり、みんなで知恵とお金を出し合って日本独自の方法を  つくりだす。

日本で計画されている11の原子炉増設計画は、相次ぐ原発事故で原子力に対する社会の目が厳しく、様子見の中断状況だけれど、温暖化問題を口実に、大した論議もされずに増設計画が再開される可能性が高い。ここは、みんなでしっかりと監視していきたいものだね。




PHOTO:大東正巳