「市子」はすげぇ作品だった | みきの未来の幹

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恋人からのプロポーズを受けた川辺市子が失踪し、恋人が探すというシンプルな話。

しかし恋人は市子の過去を何も知らない。

市子の過去に関わって来た人たちを介して市子がどんな人生を送ってきたか紐解くという内容。


とても複雑な生い立ち、それはわかっても市子の心情というものは明確に口にされない。それでも表情や表現力でグッと引き込まれ察するに余りある心境が伝わってきます。

愛情と離別のジレンマをずっと抱えて生きていく市子は恐ろしくもありとても魅力的で、一言で「悪い女」「可哀想な女」とは言えない。

どうか救われて欲しいと願う思いでいっぱいになった。


1番印象的だったのが小学生で友達が出来たシーン。

自分とは真逆のお金がある家の子と仲良くなった市子。

ケーキを振る舞ってもらって心を開きかけ、自分は月子ではなく市子なんだと本当の名前を告げたことから本当に仲良くしたいんだという思いが伝わる。

大人になってからも感じることだけど、友達と金銭感覚の格差があるのはなかなか辛い。友達にたまごっちを万引きしてプレゼントしようとするが「同じ高さにいたい」「自分と仲良くしてくれるお返しをしたい」「喜んで欲しい」こんな純粋な思いと、こういうことでしか関係の繋ぎ止め方を知らない。

辛すぎた。物で好感を得ようとする行為は親からの愛情、スキンシップだったり接し方だったり、愛情の伝え方を知らない子がやりがちな愛情表現。当然親に愛されて育ったお金持ちの友達には伝わらないし、なんならドン引きされる。

よかれと思ってやったことが裏目に出て、ここから人との距離を測るようになったと感じた。

脚本力凄すぎ。


脚本もそうだけど、市子役の杉咲花さんの演技力がものすごくてこんな表情人は出来るのか、こういう時はこういう表現になるのかと勉強になることばかり😟

映画と舞台の違いはあれど引き出しが物凄く増えた😌

メンタル引っ張られるのでまた間を置いて見直したい作品でした🤤