Dearあなたへ
先日写真家の星野道夫さんの写真展に行ってきた
入り口に飾られた一枚の白熊の写真から既に
あまりの美しさ
微笑ましい表情に見入ってしまった
そして展示会場の幾つもの写真のパネルを見ながら涙が出そうになった
アラスカの雄大な風景と
その中で生きる動物達の姿
一瞬の動き、息づかい、表情
生命力の放つ輝きとでもいうのか
言葉にならない感動が
一枚一枚どの写真からも押し寄せてくるのだ
圧倒的な自然界の美しさ
群れ戯れ厳しい自然の中で
守り守られながら生きる
野生の動物達の姿
そして死
屍すら神々しいまでの存在となり
ツンドラの大地にカリブーの角が風に晒されている
太陽、氷、雪、全ての自然現象が現れる一瞬の時をレンズに収め
私達に残してくれた
なんて凄い写真家なんだろう
.
全ての写真を記憶に残したいと
人の流れを見ながら2回観て回った
でもこの記憶力じゃあ、無理だなあ…
でもこの感動、心揺さぶられた記憶だけは忘れないだろうと
星野さんが逝かれてから27年という時が流れ
地球温暖化で、北極の氷がどんどん溶け始めている
氷が溶けてしまい海水に浸かったままで、氷の陸地に登れない白熊達
流氷と共に、氷の破片の浮かぶ海に流され続けていく姿を見た時は
驚きと恐怖と哀しさで胸が張り裂けそうになった
アラスカの風土に
アラスカに生きる人達や動物達に
溢れるような愛情でレンズを向け
シャッターを切った
今星野さんがアラスカに住んでいたなら
どんな思いで21世紀の現実を見つめ
受け止めていたのだろう
言葉にできず
拙い文章では表し切れない切ないまでに美しい
星野道夫さんが見たアラスカの地
光を放つような鮮やかな色彩
生命の一瞬を切り取ったアングル
カメラのレンズを通して見える愛情
名残惜しく展示会場を出てきた






