女性が手の甲を私に向けて言う。

 「どう?綺麗でしょ?

 このネイル、随分したのよ」


 私は答える。 

 「随分煌びやかだね。どれくらいするものなの?」


 女性は語気を強めてこう言う。

 「一万円!自分へのごほうび!!」


 (最近、ごほうびが多い気がする。。。)




 白状すると、そのネイルの色も形も全く覚えてはいない。


 得てして、男とはそういう生き物ではないだろうか?


 女性の装飾物にはあまり興味がないのだ。


 

 手に関して言えば、

ネイルの出来に共感を求められると、いたく困る。というより


割れた爪やアカギレした指先の女性を見るとキュンとする。


 そういう手の女性はたいてい、こう言う。

「嫌だわ、恥ずかしいから見ないでちょうだい」


 そして、そういう女性はたいてい、

指先は痛々しくても、手の甲はつるつると美しい。


 水仕事、家事の合間にせわしなく

ハンドクリームやなんかでケアしているのだ。


 一休が遠い昔、好きだった女性は

手先からオロナインの香りのする女性だった。 


 

 

 この「昭和感覚」、

読者の方には理解できぬだろうか?