日本アカデミー賞44

日テレプラスの放送を観た。これ、テレビで流したときは本当に色んな所がカットされてたんだな、諸々の事情で。アカデミー賞とはテレビのお祭りの賞と確かに思う。テレビでの脇役と主役という線引きで。それと、スポンサーもあるのかな。インディペンデント系にはなかなかスポットが当たらない意味も。これは会場にいる誰もがミッドナイトスワンが最優秀主演男優と作品賞を獲るとは思わないよ。

それと、助演男優のときに妻夫木聡くんが宇野さんに最優秀が発表される前にニコニコいよいよですねあなたですよ、みたいに言ってたのが映っていて、発表されたら自分のことみたいに残念がってるのが映っていて、俳優さんたちが一番、誰が獲るべきか理解してるんじゃないかと思ってました。忖度なく。

オールで観れて良かった。


レッドカーペットから流してくれる。森谷さんのガチガチ緊張がまた観れて良かった。女優さんたち、華やかだな。水川あさみさん、主演女優で呼ばれても納得だったんだけどなー。音楽賞も渋谷慶一郎さん呼ばれてもおかしくなかったと思う。


山本英夫カメラマンと伊藤カメラマン、師匠と弟子が並んで共演とか嬉しいよ。

でも、テクニカルな賞をほとんどFukusima50が持っていく式に、その場にいた観客の方も思えないと思う。全編観たら雰囲気がそうだし。




剛くんのインタビュー中、スマスマで名古屋から公園に行ったとき、よくしておけばよかったと言ったつよぽんに菅田将暉くんが「いえめちゃくちゃよくしてくれましたけどね」と返して、

「あの時あまり菅田君の事知らなくて、めちゃくちゃ有名な方なんだなあと。僕無知なんで。それから凄く活躍されてて、一緒に公園に行った菅田君だと思って、今日は会えて嬉しい」と返したつよぽんの会話、全体が聴けて良かったよ。


だから、主演男優賞インタビューの後、席に戻るときに佐藤浩市さんが剛くんに対し、もうちょっとで解放されるなー、みたいに言ってたのを観て、佐藤浩市はじめ「そりゃ、そーやろ。(草彅さん)凄かったもん」って言ってくれた菅田将暉くんの言葉が全てだと思う。同業者がそうだと思ってくれたことが一番だよ。



最優秀に名前を呼ばれて登壇したときもスピーチ中にもレッドカーペットを歩いて隣の待機の間に皆で戻るときにも、時折泣きそうに震えてるのが見えて、しかもレッドカーペットでは何度も振り返って全員にすみません、ありがとうございます、を繰り返してるのがわかった。まさか後ろ楯のない作品だし、こういう華やかな場所から遠ざかっていたから、つよぽん、本当に腰が低い。


剛くんの最優秀の受賞スピーチで戸惑いながら「この賞はスタッフさん、共演者の方を代表して作品への受賞として頂きます」という言葉は本当にFukusima50が獲ると会場中が思っていた最優秀作品賞がミッドナイトスワンに選ばれたことのまさか、への序章みたいなもの。

「会ったことはないけど、応援してくれた皆さん、ありがとうございました」と感謝で締めたのが、あくまで実力ではなくムーブメントを作り出したファンのお陰と思ってるのが、自己評価相変わらず低くて。忖度を乗り越えてここの会場にたどり着いたのも最優秀主演男優賞を受賞したのも、一人一人が自由に生きられることを願ったことを受賞スピーチした剛くんの人間性へのご褒美だと思うよ。


裏でのインタビュー。

覚えてないんですよね、という件の後に。

「ミッドナイトと聞こえたときに、あれって僕の奴だよな、と。30分経ってるんですけど、今でもまだ実感してないですね」

「受賞式は素晴らしかったですね。映画愛に溢れているというか、やはり皆さん物作りが好きな皆さんが揃ってるというのもあって緊張感もあるんですけど、柔らかい空気も流れる時があって、とてもいい空気を吸わせて頂きました。

NAKAMAの皆さんに受賞の喜びを伝えたいですね。NAKAMAの皆さんがSNSを使って拡散してくださったんですよ。追いスワンという言葉も作って下さって、凄く観た人も増えたので、伝えたいです。

諦めずに続けていると、良いことあるんだなと思って、みんなも頑張っていこうねって感じです」

なんか、この人のファンで良かったと思った瞬間でした。


内田監督が監督賞はもう、草彅さんが最優秀主演男優賞を獲ったので充分、嬉しいと喜んでくれたのが、また涙。そうなんだよね、この作品って剛くんが脚本読んでやりたい、と言わなかったら一ミリも動かなかった企画なんだよね。



最優秀作品賞は本当に予想外。Fukusima50だと思うもん。流れからすれば。


森谷さんが主演二人が、内田監督が作った土壌から栄養分を吸い上げて昇華し、それをファンがSNSでバックアップしたのを喜んでスピーチしてくれたのが嬉しい。ともかく、森谷さん、服部さん、内田監督、スタッフさん全員が喜んでくれるのが嬉しかった。

全受賞スタッフが一列に並んで挨拶しているとき、みんなの顔が誇らしかったもの。


なんかね。物作りの人をリスペクトしている剛くんの仕事への姿勢に、改めて感動した日本アカデミー賞完全版でした。