若杉ばあちゃんの料理教室の続きである。

夏場はごまやショウガや七味などの身体を温める陽性のものを心がけて摂るとよいとのこと。
特にショウガは、夏大量に取っておくと冬に風邪を引いても長引かないとのこと。
ばあちゃん、熱した土鍋を素手でつかんで運び、ススキで手を切っても血が出ない。
綾部の家には2010年の時点ではいろいろな人が来ていたらしい。
ただ、最近の著書にもあるように、今ばあちゃんちを訪れるのは、止めてあげて欲しいが。
どこから聞いてきたのか、中には借金で首の回らなくなった人も来て「死にたいです」とばあちゃんに訴える。
ばあちゃん、まず、「そんなに死にたければ今この天井から下がっている縄で首を吊れ!」と一喝する。
ばあちゃんちは野草などを干すための縄が本当に天井からいくつも下がっているらしい。
当然、その人は死なない。
そして「今貧乏してるのは生活を立て直すチャンス。野草を食べればお金は必要ないし、身体も良くなっていく。何も心配せんでええ。」と言っていろいろ教えてあげる。
そういう説教が、ばあちゃんにとって、快感らしいが、でも今は行かないであげてください。
ばあちゃんのところには有名人も来たりしていたらしい。
若者に人気のある「一途」という歌のバンドが来た時は、1人の男の人が杖をついていたので、小一時間話をしてお茶(ばあちゃんちのお茶はマコモ茶とかそういう薬草茶)をしたら、「何かすごく具合がよくなりました!」と言われたので、ばあちゃんが、「そんなことあるんか、ほんまかいなあんた」と聞き返したという。
そして、干したヨモギを渡して、これを飲んで養生するように言ったという。
ばあちゃん、私たちにも「日本は今大変なことになりつつあるけれど、みんなで協力してしっかり力を合わせれば日本は大丈夫な国なんだよ。だから今日教えたことはしっかり身につけて実行したり人に伝えたりするんだよ」と励ましの言葉をくれた。
「正しいことを楽しくする。まじめはいかん。まじめは腐る。まじめくさるというじゃろ」とか「人のいないところで仕事することが大事。自分も川掃除を黙って一年くらいやったことがある」ともう次々いい言葉がばあちゃんの口からいろいろ出てくる。
ばあちゃんには言葉だけでなく、種ももらってしまった。
在来大豆「一人娘」の種4粒と月のしずく(ハゼラン)の種である。
これは現在種を私は持っていないが、プランターや鉢に植えて種を増やし人に配ったので、日本のどこかにばあちゃんの種は生きていると思う。

ばあちゃんの料理教室の料理はどの料理もとても美味しく、ごはんと野菜や野草料理だけで十分満足のいくものだった。
その場の協力的な気配りをしてくださる参加者の皆様のおかげもあり、ものすごくエネルギーがチャージされたのだが、チャングムには一つ気がかりがあった。
それは、教えてもらったことを自分でもちゃんとできるか。
ばあちゃんのところでは、味噌も醤油も在来品種の手作りだし、チャングムのうちの醤油や味噌は、ごく普通の一般メーカーだったので。
しかも、チャングムの腕前で大丈夫なのか。

そこで、うちへ帰った翌日、イノコヅチを自分で近所で摘んで来た。
イノコヅチは一般の人には区別のつきにくい草なので、なるべくなら一年観察して、特徴である実がついている姿を確認してから取るとよいと思う。

これが、それ。



チャングムの楽しいベランダ菜園教室~種をまけば何度でもやり直せる☆。-2013052416200002.jpg
イノコヅチは醤油洗いまでの下処理をして、刻む。
黒ごまを買って来て、すり鉢で右回りにする。
あと、ごまペーストは黒ごまをミルミキサーで砕いて作る。
そして、水、醤油も適当に加えてすべてを手で右回りに混ぜる。
そして、完成品がこれ。



チャングムの楽しいベランダ菜園教室~種をまけば何度でもやり直せる☆。-2013052416210000.jpg
実は、母が横から味の素を入れてしまったので、完全とは言えないのだが、ばあちゃんはこういう時は昆布粉を入れてもいいと言っていたので、また作る時はそうしようと思った。
これは口ざわりにうるさい父も何も言わずに食べた。
しかも翌日、さらに美味しくなった。
最近になってわかって来たのだが、明らかに野草は野菜より腐るのが遅い。
やっぱりパワーがあるんだと思う。
ばあちゃんの言っていることをすぐに完全にやることはできないが、近づく努力が必要なんだなあと思う今日この頃である。